カルト被害を考える会 会報 2004年2月・第44号
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総会並びに講演会が開催されました

 去る10月25日、岡山市出石町の「ゆうあいプラザ」において総会並びに講演会が開催されました。
 午後2時開会。「家族がカルトに入ったとき」のビデオ上映に引き続き、神奈川県の大野キリスト教会中澤啓介牧師に、同じく「家族がカルトに入ったとき」と題しての講演をしていただきました。
 4時から総会、活動報告・決算報告・活動方針・予算が議案どおりに承認され、5時無事閉会いたしました。
 総会20名、講演会28名の参加者でしたが、約半数の方が岡山県外よりの参加者でした。遠来より参加いただいたことに感謝しております。
 活動方針、新役員をご紹介しておきます。

(活動方針)
 統一協会をはじめとするカルトの実態や、その危険性が、まだまだ市民に知られていないのが現状で、現在も日々多くの被害者が生まれています。
 カルト被害をなくすためには、カルトの実態とその危険性を多くの市民が知るとともに、被害者やその家族らが被害回復方法などの情報を得られることが大切です。
 また、カルトの非違行為は、社会的にも法的にも規制されるべきです。
 私達は、カルト被害を憂える市民や、全国の関係団体とも協力し、次の活動を行います。

  • 「カルト被害を考える会」のホームページの運営
  • 会報の発行(年4回程度)
  • 勉強会の開催(年3回程度)会員外の参加も求めます
  • カルト被害の相談、脱会の支援
  • カルトの実態調査

(新役員)
代表 高山正治
幹事 8人
会計監査 1人


講演「家族がカルトに入ったとき」

 大野キリスト教会(神奈川県相模原市)の中澤啓介牧師(写真)に「家族がカルトに入ったとき」と題して講演していただいた概要は次のとおりです。

カルトはどこが問題か
 家族がカルトに入ったとき、まずはじめに、その組織がカルトなのかどうかを見極める必要がある。
 統一協会やオウムは日本社会で問題となっている。ヤマギシ、エホバ、ケンショウ会、幸福の科学に創価学会まで入れるかどうか。
 問題があるものとして考えられるのが献金である。不当な多額な額とは幾らなのか、弁護士に言わせれば100万円、しかし、既存のキリスト教が教会を建てる時は1千万円を超える額を献金してくれる人がいる。信者は喜んで1千万円、500万円を出してくれる。
 では、勧誘の仕方ではどうか、キリスト教でも20、30年前までは「イエスを信じましょう」と言っていた。今それをすると「先生それはカルトっぽい」と言われる。
 ジャーナリストに言わせると、「エホバは子供を伝道に連れていく。あれは子供の意思を無視している。虐待だ」と。でも、学校の先生の子供に対しての教えはどうか、普通の学校をカルトと言うのか?恋人は?、牧師もマインド・コントロールしているのではないか?何処をどうカルトと区別するのか、カルトとは分かっているようで分からないものである。
 地下鉄サリン事件を起こしたオウム、霊感商法、合同結婚式で問題となった統一協会は、あれだけ世間に騒がれためカルトと世間が認めているが、実はカルトという問題は自分の家族等が直接関わり勉強しないと分からない。
 前に日本脱カルト研究会に出席したことがあった。冒頭、司会者から「問題があると考えられるエホバについて論議します。」と言った。ここはカルトについての研究会のはずではないか。でも、決してカルトとは言わないのは何故か。弁護士は法律違反をしているかの観点からどうか、ひとりの大学の先生は「輸血をしない、挌闘をしない、離婚が多い、何処が問題なのですか、別にいいんじゃないですか」と言った。2日間の出席で色々な人が色々な立場によってそれぞれ認識が違うことが分かった。
 よって、カルトとは誰が決めるかのだろうか、私は、御家族がその組織が問題だと思えばカルトであり、家族が決めるものだと思う。

なぜカルトに入るのか
 カルトに入れば家族で会話ができなくなる。組織のリーダーが自分の思い通りにするため信者の時間を奪い、情報を操作する。そうすると家族問題となる。
 カルトは、教えは間違っていても、その人を組織、リーダーの言いなりにさせ、信者の人生全てをコントロールする。そのために情報を操作し、自ら選択したように見せかけて実は一方しか選べないようにしている。
 新鮮な魚とまな板と包丁を用意したら何を作りますか、たぶん、刺身を作りなさいと言わなくても多くの人が刺身を選択すると思います。カルトの場合も常に神かサタンの選択しかなく。あたかも自ら神を選択したようで、実は組織があらかじめその答えしか選べないように準備している。これをマインド・コントロールと言う。最初はハードルが低いが段々と高くなる。計画、教育のプログラムなどのレールに沿ってコントロールされる。特に優秀な人ほど物事を論理的に考えるためかかりやすい。
 それと大事なことは、宗教に対しての魅力だと思う。人は誰しも、「神は絶対いない」とは思っていない。特に、病気や困った時、分からなくなった時、永遠の命がほしい時、人は祈りたくなる。その答え、真のメッセージを宗教が持っている。それを求め、訪ねる。統一協会はサークルから入るがエホバは宗教を求めて入ってくる人が多い。

家族がカルトに入った時に何をするか
(1) 現在の状態を知る。知る努力。
 たとえ他から情報を得ても、その情報で非難を一切しない。自分のことを理解しよう とする人には話をしてくれる。しかし、非難されると心を閉ざし、本人からの情報が得られない。
 私はこれまで900件の相談を受けてきた。その家族からは「今さらそんなことを言 われても既に家族の関係は壊れている。もう遅い」と言われるが、関係を修復することが救出の近道と思っている。
 「どうしてその組織がいいの」、「どうして入ったの」、「本当に良い組織なら私も入 りたいと」言うと本人と話ができ、状態を改善でき、今の状態を知ることができる。
(2) 反対したり責めたりしない
 反対したり責めたりすると会話は途絶える。しかし、多くの家族は組織の実態を知れば知るほど責めてしまう。また、宗教に入った原因は家族にあると思い自分を責めることが あるが、私の知る限り、9割は責めた家族に責任はない。本人は宗教的魅力により入っている。親には責任はない。
(3) 本人が何を求めて入ったのか、その魅力を知る。
 心を分かってくれる人が欲しかった。組織の中の人は、最初は何でも親身に悩みを聞いてくれる。決して非難されない。受け入れてくれる。そして、人を幸せにしたいと願う心をカルトから教えられる。カルトの全てを否定するのではなく「その心は大切だね」と言ってあげる。でも、ほとんどの人はこれが出来ない。知らないために組織の実態を非難し、家族と本人との心が離れる。こういう失敗は日本中誰もが繰り返している。失敗を繰り返し、ようやくその答えにたどりつく。
(4) 最初に戻れるか
 失敗してもあきらめない、ストーリーを組み直す。子供が何を求めているかを知ること。カルトに入った人の本当の心を知って欲しい。

説得者は本物の信仰が必要、家族では無理
 エホバが蔓延った責任はキリスト教にあったと思う。本当のキリスト教を教えるためには、自分の信仰が本物でなければならない。エホバの人は本当の聖書を求めていた。だから、家族がちょっと勉強しても説得できない。イエスは神である。でも説得しようとする主がそのことを信じていない。聖書に書いてあると言う。奥さんが求めているのは本当に信じられるものを持ちたい、病気を治したい、家族の幸せ、神を信じ宗教的魅力により入っているのに信じていない人がいくら説得しても無意味である。

家族が出来ること
 カルトに入っている人は、本物の宗教を求めている。組織の実態は情報操作によって知らされていないのだから外からいくら言っても分からない。そうであれば、そのことはまず置いて、家族の幸せを求めたことを応援して欲しい。それが遠回りに見えて実は一番の近道であり、脱会後のリハビリとなる。新しい人生を再出発するために必要である。カルトの中では傷ついた人、困った人を助ける本当の仲間、本当の人間関係を経験してきている。脱会後、本物の家族を作っていないと再び舞い戻ったり、本人を苦しめ傷つけることとなる。
 本物の牧師がいなければ、その人は抜け出すことは出来ない。家族はどんなに勉強しても本物の牧師にはなれない。でも本物の家族の愛は出来る。普通の家族では、一日中しゃべらなくても家庭は保つことが出来る。でも、カルトに入った人には会話は必要。
 エホバの中では、たばこは害と教えている。吸っている夫を見るだけで会話が出来なくなる。それでは説得は出来ない。だから、まず本気でたばこを止めなければならない。なぜ、会話が出来ないかその原因を知り、実行すること。知るためにも会話が必要。
 中に入れば自分が認められたと思う。ラブシャワーを浴びる。一般の社会では家族や近所の誰からも相手にされない。子育てが終わり自分は必要な人間なのか不安になる。その時に認めてもらえる組織が近寄り、入っていく場合がある。
 本当の夫婦になってほしい。カルトで与えられる以上のものを提供しなければいけない。黙っていても分かってくれているではダメ、本当の人間、夫婦、家族の愛が問われている。
 中に入っていれば、組織の実態は分からないようなシステムとなっている。外に出れば分かる。でも、カウンセラーが組織の悪いところを言うとマイナスとなる。その時には脱会者が効果的である。組織の中で同じ経験をして心が分かっている。教義は牧師に任せる。お父さんは非難せず聞けばよい。

なぜ、摂理、教義が変わっても抜けられないか
 組織に長くいると、摂理が変わり教義すら変わる。なぜ、そのことを知りつつなぜ抜けられないかというと、カルトは組織や教祖を信じさせようとしている。でもキリスト教は中澤牧師の言っていること高山牧師が言っていることを信じさせようとしていない、聖書を教えている。根本的に違いがある。
(文責M)


次回勉強会のご案内

日時: 3月13日(土)P.M.6時〜8時
場所: 岡山めぐみ教会
    岡山市東古松2−7  Tel 086−233−3666
内容: 全国弁連福岡集会の報告や最新のカルト情報など
* 関心のある方をお誘い合わせの上、ご参加ください


リトルエンジェルス公演について申入れ

 2月9日、岡山市表町の岡山シンフォニーホールにおいて、2004年リトルエンジェルス日本公演(全国4か所で開かれる公演の1つ)が開催されました。
 カルト被害を考える会では、1月31日に幹事会を開き対策について協議しました。そして、(財)岡山シンフォニーホール理事長と、その母体の岡山市長などに申入れを行うことにしました。
 2月4日、会を代表して須藤幹事と葛原幹事が岡山市役所を訪れ、長崎文化政策課長に申入書を提出して申し入れました。申入書では、統一協会が違法な集金・勧誘活動を継続し、今なお多くの被害者が出ていること、それらの活動の違法性は多くの判決で確定していること、統一協会の教組が創立したリトルエンジェルスの公演でも被害が出る可能性があることなどを述べ、「公的な会場がこうした反社会的団体のために使用されること」についての検討と、文書での回答を求めています。長崎課長は、この問題性を「悩ましい問題」と表現しつつも、文書回答するかどうかについて検討すると述べました。
 なお、2月20日現在、回答は届いていません。


公演観劇の感想

 リトルエンジェルスとはいかなるものなのか、観劇をしてきました。
 会場の入りは6割程度。若者の姿より、老若男女の参加。家族連れも目立ちます。リトルエンジェルスが創設以来、いかに韓国の民族文化を世界中に紹介することに活躍しているか、そしてそれを世界中のマスコミや著名人が評価をしているか、といった宣伝ビデオが最初に流されました。その冒頭に、文教組の姿がチラッと映されていました。
 引き続いて公演。公演そのものは、よく訓練された、観るに耐えるものであったと思います。"感動"まではしませんでしたが。
 公演に先立っての挨拶等はなく、公演の中でも、統一教会や文氏をアピールする部分はなかったようですし(ハングルで歌われていれば別ですが)、アンケートや原理の書籍販売も見かけませんでした。一般の参加者には、公演と統一教会の関連を感じ取ることは多分難しかったでしょう。
 恐らく参加者の多数は、教会関係者であったでしょうし、彼らに対して教会の文化性をアピールし、元気づける意味合いが強いのかな、と感じました。もちろん資金稼ぎも。思ったより家族連れが多かったことが、とても気になりました。
 なお、公演の間の休憩で、加藤紀文議員と熊代昭彦議員の祝電が披露され、岡山公演の冊子(500円)には、両議員と、平沼赳夫議員の祝辞が掲載されていました。3議員の見識を疑いたくなりました。                         (S)


最 近 の ニ ュ ー ス

03年10月9日 統一協会の信者だった埼玉県内の主婦(51)が、「約20年間、多額の献金や高額商品の購入を強いられた」として、統一協会と信者2人に対し、総額約8億2000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。

10月10日 統一協会の元信者が「研修会などを通じて知らない間に洗脳教育に引き込まれ、信教の自由を侵された」などとして損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第二小法廷(亀山継夫裁判長)は統一協会側の上告を棄却する決定をしました。北海道内の元信者ら17人に約3000万円を支払うよう統一協会に命じた一、二審判決が確定しました。
 全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、違法な伝道の慰謝料を求めた全国初の「青春を返せ訴訟」として87年3月、元信者1人が札幌地裁に提訴。その後、他の原告が加わり、各地裁にも提訴の動きが広がりました。
 第二小法廷は、神戸市などの元信者3人が92年10月に提訴した同様の訴訟でも統一協会の上告棄却を決定。715万円の支払いを統一協会に命じた二審・大阪高裁の逆転判決が確定しました。

11月08日 統一協会の元信者の家族らが「全国統一協会被害者家族の会」を設立しました。
 都内で開かれた総会には約80人が出席し、会長に選ばれた神保広次さんは「同じ苦しみを持つ人たちに適切な助言をし、家族のきずなを取り戻す手助けをしたい」などと述べました。
 同会では、平日の午後1時から同4時まで、電話(03・3350・5808)で脱会支援などの相談に応じるそうです。

12月17日 統一協会の信者だった東京都足立区の女性(65)が、「約12年にわたり多額の献金をさせられた」として、統一教会と信者4人を相手に、総額約6億7000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。女性は3000万円の献金をすると、1冊もらえるという、統一教会の創始者文鮮明氏が書いたとされる「聖本」を7冊持っていました。

04年1月23日 統一協会員の女性らが「違法な拉致監禁で棄教を強要された」として、両親、牧師らを訴えた事件で横浜地裁(松田清裁判長)は、原告の請求を全面的に退ける判決を言い渡しました。
 原告は統一協会員の女性と1995年の集団結婚(韓国)で「夫」になった男性。被告は女性の両親や、その家族と両親を指導したとされる日本基督教団所属の黒鳥栄、清水与志雄両牧師。
 判決によると両親は95年10月から97年6月の間、群馬県など5カ所のマンションで断続的に長女である原告女性と話し合い、脱会を説得。脱会を偽装して統一協会に戻った女性らが99年1月、総額約2000万円の損害賠償を求めて提訴しました。
 一連の説得について判決は「両親は長女を思いやる心情から、周囲から遮断された環境のもとで、統一協会の教義や活動について話し合う必要があると考え」たものと指摘。「各マンションにおける生活は平穏でなかったとまでは認められず(両親らの行為は)違法な拉致、監禁、脱会の強要とまで認めることはできない」とのべ、原告側の請求をすべて棄却しました。

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