■船釣りはじめました
学生時代から一度はやってみたかったのが船釣り。
船頭さんが乗っていて沖まで出て行く、漁船のような船での釣りである。
ボート釣りだと、狙う魚はキス、アジなどの小物ばかり(食べておいしいのでこれはこれで好きだけれども)なので、たまには大物も狙ってみたい・・・しかし学生時代はお金が無くて無理だった。
敷居も高そうだしね。なんとなく常連に怒鳴られそうなイメージがあるし。
キッカケは社会人になってから。同僚に船釣り好きが居て、その面白さを話してくれるうちにだんだん興味を持ったからだ。お誘いも何度かあったのだが、当時は寮住まいで料理が出来ない環境だったのと、既にバス釣りを始めていたのでこれ以上道具にお金をかけるわけにはいかないと思い、断っていた。
ところが、会社都合で寮を追い出されアパートで一人暮らしを始めたので「料理が出来ない」という障害は無くなった。
道具も、仕掛けを買えば竿・リールは一式貸してくれるとの事。
しかも、会社のメンバーで船を貸しきるので気兼ねすることも無いそうだ。これは行くしかないでしょう。
この時は、これから始まる壮絶な船酔いとの戦いなど知る由もなかった・・・
船酔い度ランク(笑)
☆☆☆・・・まったく酔わず、快適だった
★☆☆・・・酔ったがなんとか我慢できた
★★☆・・・酔ってリバースしてしまったが、その後復活
★★★・・・船に乗っている間中酔いっぱなし
何度も船に乗っている間に慣れるといわれてますが・・・
■2001年7月30日(土曜日)
千葉県小湊・寿々木丸
対象魚:マダイ
いよいよ初めての船釣りだ。午前4時出航なので、12時には埼玉を出発する。出航1時間前に小湊港に到着、どうやら他のメンバーもほとんど到着しているようだ。今日お世話になるのは寿々木丸(すずきまる)さん。大型の船でゆったりしているので、初心者でも釣りやすいとの事だ。
竿とリールは船宿で貸してもらい、午前4時に出航。出航して直ぐ(港のほんの外側)で停止する。
もうここはアジのポイントだ。
アジ釣りはサビキ仕掛けを使う。サビキ用の仕掛けは自前で用意し、オモリとカゴ(オキアミを入れる)は船の上で借りる。慣れない手付きで仕掛けをつけようとするが、船が結構揺れるのでおぼつかない。他の人たちはさっそく釣り始めている。遅ればせながら自分も仕掛けを投入。船長から指示されたタナまで一気に仕掛けを降ろす。タナで仕掛けを止めると、他の人達と同じように竿を上下に振ってみた。早速竿に「コツコツッ」という振動が伝わってきた。 | |
サビキ釣りはボートでもやったことがあるので要領は分かっている。おー、いきなり大漁ですよ。しかしここで問題が発生。船の上は狭いので、全部の針に魚をつけてしまうと取り込みにくいのだ。アジは口が柔らかいので、針から外すのに手間取ると逃げてしまったり。この辺り、周りの常連達はとても手際がよい。船長は何度か船を動かしながら、ポイントを指示している。なるほど、魚の群れを追いかけていけるからずっと釣れる訳だね。そこそこアジ釣りを楽しんだところで、メインのマダイ釣りに向かう。実はこの時点で既に軽い船酔いにかかっていたのだが、「酔い止めも飲んだしじきに治るでしょ」と軽く考えていたのだ。 | |
マダイのポイントに到着。既に仕掛けはマダイ用に替えているので、早速降ろしてみる。水深は40〜60mくらい。オモリが底についたら、船長の指示したタナまで巻き上げて(6〜8mくらい)竿を振る。しばらく待ってみて、反応が無かったら再び竿を振る。これを何回か繰り返したらカゴからオキアミがなくなってしまうので、全部巻き上げて再び餌をつける。これを延々と繰り返すのだ。意外と?根気がいる作業だ。 |
この辺で、船酔いはどんどん酷くなり釣りどころではなくなってきた。とにかく下を見ると吐き気がするのだ。オキアミをカゴに詰めるときなど最悪の気分である。釣りは一休みして酔いが収まるのをまったが全然駄目だ。我慢が限界に達したところでリバース・・・少しすっきりした。 写真は同じく船酔いしてしまったF部長。 |
|
ここで、F部長に強烈なアタリ!! ドラグがキュイーンと悲鳴をあげて糸がどんどん出て行く。 あまりの大物に、名人にチェンジ。他の人は仕掛けを上げ、逃げる魚を船で追いかけていく。 バトルは数分間続いた。 |
|
何分間バトルが続いただろうか、魚も観念して上がってきた。 船長のタモ網に収まった魚は・・・大鯛だった!! |
超大物とのバトルに興奮して船酔いも吹っ飛んだ。 自分も頑張らなければ。 何回か仕掛けを投入した後、魚が釣れた手ごたえあり。 上がってきたのは・・・・ガンゾウヒラメだった。 「ヒラメなんか釣ってんじゃ一生タイは釣れないよ!!」とキツーイ一言。 つまり、仕掛けのタナが合っていない(餌が底についている)のだそうです。 |
|
F部長の大鯛。推定8キロ。 | |
本日の釣果。 ガンゾウヒラメとアジのみ。 船酔いが無ければアジももっと釣れたと思うのだが・・・ |
■2002年4月30日
静岡県下田港:龍正丸
行先:御蔵島
対象魚:ヒラマサ
関東の釣り人にとって、銭州はあこがれの釣り場らしい・・・
会社の海釣り師匠達もあきらかに意気込みが違う感じだ。
銭州という名前は、昔そこに漁に行けば必ず「ゼニ」になったという意味から来ているらしい。
(それくらい魚影が濃いって事だね)
ううむ、期待できるではありませんか。
初めての沖釣り(去年の小湊)では目的の魚は釣れなかったからね。
「銭州に行けば絶対釣れるぞ!」と吹き込まれ、ボルテージは上がるばかりである。
ところが、直前になって銭州ではなく御蔵島の方が調子がいいという情報が入った。
今年の銭州はあまり調子が良くないそうだ。
対象魚も、五目ではなくてヒラマサ(青魚の大物)に変更に。
「ちょっと初心者には難しくなったかな〜?でも釣れれば面白いよ!」と先輩の言うことも微妙な?変化が。
そんな感じで、船宿がある伊豆の下田港に向けて前日の夜8時に埼玉を出発した。
![]() |
銭州、御蔵島へ行くのは遠征と言って、片道4時間弱くらいかかる。 そして船の中には2段ベッドがあって、釣り場に着くまで仮眠がとれるのだ。 「きちんと睡眠をとれば船酔いしないかも?」と期待しながら眠りに着いた。もちろん酔い止めは既に飲んでいる。 船はかなり飛ばしているらしく、結構揺れるものだ。 |
午前6時頃、御蔵島沖に到着した。
船内放送が流れ、皆あわただしく準備を始める。
自分も続いてベッドから降りた。その途端・・・
強烈な船酔いが襲ってきた。
「おいおい、まだ開始前だよ。かんべんしてくれよ〜」と思ったが船の上では自分だけが頼り、誰も助けてくれない。
ここまで来て釣りをしないのは勿体無いので、我慢しながら支度した。
甲板に出る。
目の前には御蔵島、そして向こうに噴煙を上げている島が見えた。
あれは・・・三宅島!?
地図を見れば分かるが、御蔵島は今も島民が避難生活を続けている三宅島よりも遠いのである。
こんな所まで釣りに来ちゃったのか・・・としばし感慨に浸る。
どうやら船のポイントも決まったようだ。「100m」と船長からタナの指示が出た。
「はぁ?ひゃく!?」ということは、仕掛けを巻き上げるときは100mも巻いてこないといけない。
自分のリールは手巻きなので大変なのは容易に想像がつく。
小湊では20〜40mだったけど、それでも疲れるからね。
周りを見渡すと、皆さん電動リールを使ってらっしゃる。なるほど電動は必需品かも知れない。
一投目を巻き上げてみたが・・・それだけで疲れてしまった。
釣り始めてからあまり時間はたってないのに、船酔いは益々ひどくなってきた。 釣りどころではなくなって来たので、とりあえず休むことにする。 しばらくして、船中で一回目のヒット!船長は景気良くサイレンを鳴らし、ヒットをアピールする。 立ち上がって見に行きたいが、そんな気力も湧かない・・・どうやらヒラマサを釣り上げたようだ。 10時過ぎ、自分の近くの人にヒット! ここならじっくりと見ることができる。 |
|
竿先が大きく曲がっている!かなりの大物のようだ。 少しずつ丁寧に巻き上げて上がってきたのはヒラマサ。 水面近くに魚影が見え、いよいよ取り込むというとき・・・ バレてしまった!!すごく残念そうだ。 自分も気を取り直して船酔いと戦いながら、休み休み釣ることにした。 |
しかし・・・結局船酔いは収まることは無く、ほとんど釣りらしい釣りはできなかった。
なんとか仕掛けを投入できても、竿を振ったりリールを巻き上げたりする気力がないのである。
だらだらとやっているので、仕掛けを根がかりさせてしまった。
ハリスが20号!なので全然切れない。このままでは竿が折れてしまうのでヨド師匠に切ってもらう。
道糸から先が全部なくなってしまった・・・おろしたてのカゴ・天秤・仕掛け、しめて6000円が消えていった(泣)
正午になったので今日の釣りは終わり、再び3時間ほどかけて帰港した。
ベッドで横になって安心したのか、酔い止めの副作用かは分からないが、強烈な睡魔に襲われ爆睡してしまったようだ。
午後4時頃下田港着。陸に上がれば、不思議と船酔いは治ってしまった。
釣果:0匹 (船中でヒラマサ4本)
船代:2万8千円 (高いお金払って酔っ払いに行ったようなものだね・・・トホホ)
船酔い度・・・★★★
■2002年8月
千葉県小湊港:寿々木丸
対象魚:マダイ