1.2. どのようにして書いたか

このチュートリアルは boingworld.com に書いたほんの短い文書に端を発している。それは数年前に、僕を含めた少人数のメンバーで運営していたニュースサイトで、 Amiga や Linux、その他の全般的な事柄を扱うものだった。沢山の読者を得て多くのコメントが寄せられたのに元気づけられて、僕は執筆を続けた。初めは印刷すると A4 で 10〜15 ページほどの分量だったが、少しずつ、しかし着実にボリュームアップしていった。それはもう沢山の人たちが、執筆、校正、バグチェックなどを手伝ってくれた。この文章を書いている時点で、http://iptables-tutorial.frozentux.net/ は延べ 600,000 ヒットを数えるに至った。

このドキュメントは、セットアップの行程を順を追って案内していく流れを採っている。そうすることで、 iptables パッケージを少しでもよく理解してもらう手助けになればと思う。 iptables の使い方を学ぶには例を見るのが一番だと思うので、ほとんどの要素は、例 rc.firewall ファイルに集約したつもりだ。僕は、まず基本的なチェーン構造をカバーし、そこから、パケットの通っていくチェーンのひとつひとつを記述していくことで、スクリプトの働きを説明することにした。このやり方だと、より論理的である反面、チュートリアルについていくのはやや難しくなるかもしれない。[訳者補足: スクリプトで] 理解しにくいところが出てきたら、いつでもこのチュートリアルに戻ってくればいい。