コラム・79 タコよ、汝は何処よりきたりしや?
    
ボクの若い頃には、愚民は知らないだろうとバカにして、識者とか、外国ツウが口からデマカセをいっていましてね。ええ、今でも、円高になったなんて言う経済ツウ、それにマスコミがいますよね。
ドルは安くなったのは本当らしいけど、円が高くなったのかなあ? 
それなら嬉しいけど対ユーロの為替レートは変わっていないようですね。ほんとうは、円が高くなったのではなく、ドルの価値だけが下落したようですね。
ボクら愚民は、「円高だあー!」なんて、マスコミが言いつのると、何やらささやかな預金の値打ちが上がったような気がしてきますね。(2008年3月)
    
こんなデタラメな与太話のひとつに、「西欧人はタコを食べない。食べるのは野蛮人の日本人だけだ」なんてのがながらくありましてね。ええ、日本人蔑視の話。
初めてヨーロッパ旅行にでかけまして、初めてですから物珍しく、何でも見てやろうと走り回りました。
イタリア北部の港町・ジェノバに泊まったときのこと。港近くの裏町に迷い込むと、何とタコ料理を売っている露天があるんです。こんな話をすると、今の若い人は国際通だから世界を知らない老人話だと思うでしょうが、まあ、40年前の愚民は、こんなでした。
地中海沿岸ではタコがとれるらしく、イタリア、スペイン、ギリシアそれにフランス南部ではよく食べるらしいですね。
まあ、タコのいない中欧の山間部ではタコを食べる習慣はないのかもしれませんがね。
でも、タコのいるイギリスでもタコを食べないし、ワンサカといるモロッコ、モーリタニア、セネガルでもほとんど食べないらしい。おかげさまで、日本のタコの輸入先。
 
関西では明石がタコで有名。ええ、タコ焼き。
ところが、明石のたこ焼きは名前が複雑。明石では卵焼きなんてたべものがあります。たこ焼きの原点だという、粉を使わないで卵とタコだけを焼いたのが卵焼。この辺りではややこしいので普通の卵焼きと最近は区別して明石焼きと呼んでいます。
ボクはタコ焼きの本場に住んでいるのに、最近は顎の力もおとろえ、歯もよわくなって、タコが苦手になっています。
ところが、かたい明石のタコはマダコ(Octopus vulgaris)ですが、ありがたいことにアフリカ産のタコはやわらかいんですよね。
特に、モーリタニアのタコは抜群にやわらかいことを知りました。ですが、モーリタニア産はタコ焼き屋に買いしめられているらしく、スーパーの安売りでも、安くはないんですね。
で、モロッコ産の蒸し蛸で間にあわせています。それでも、明石のマダコに比べればやわらかいし、値段もやすい。ええ、B級グルメしています。
    
アメリカにはタコベル(Taco Bell)なる立ち喰い屋があるそうな。でも、あれで出しているタコは畑でとれるとか。(エヘッ)