イソップの宙返り・34
      
マムシと水蛇
マムシと水蛇が水飲み場を争って、決闘をすることになってしまいました。
水蛇を憎む蛙たちがマムシのところへやって来て、味方になると激励しました。
いよいよ決戦が始まっても蛙たちは大声で鳴いて激励するしかありませんでした。
決闘に勝ったマムシは蛙たちに、「助太刀もしないで歌をうたっていた」と非難しました。
蛙が言うには「われわれの加勢は手でするのではなく、声でするのです」と。
寓意・手が必要なときに言葉だけの加勢では何の役にもたたない。
          
極東の凡俗が考えまするに・・・
声援だけでは何の役にも立たないことは、タイガース・フアンは身にしみてわかっていますです。ハイ。
あなた甲子園球場においでになったことがあります?
あの声援はすごいよぉ。
三流の選手でも、二流ぐらいにはなるよぅ。
問題は、トラには一流になるのが少ないこと。
でもねぇ、今シーズンはどうかなぁ。期待しないで望みを持っているけどね。
       
世に「念仏平和主義」ってことばがあります。
蛙が鳴いて何になる、って考え。
仮に、平和を単純に戦争のない状態と定義すると、平和運動は戦争を直接阻止することなんでしょうね。
戦争を直接阻止しない限り、意味がないとすると、じゃあ、誰がそれを出来るのか? ってことになる。
戦争当事国の、たとえばアメリカ大統領でも、単独でこれを阻止出来るのかは疑問。
国民の彷彿とした戦争気分がある限り大統領は戦争をしますよ。民意を無視することは出来ない。
独裁者であれば、実は余計に民意に迎合せざるを得ませんから、民意は強い。
  
先の太平洋戦争は一部の軍閥だけでやったようにいう人があるけど、あの時代に生きたボク達が見たのは、国民の民意が戦争気分になっていたんですよ。
もちろん、東条英機とか軍閥に引きずられたと逃げることも出来ないこともないと思うけど、引きずられたのまで認めるのなら、引きずられた方にも責任がないとは言えないと思う。
           
念仏平和主義と言われようとも、ハッキリと戦争には反対だと意思表示すべきではない?
まあ、みんなが戦争気分になってしまっているのに、反対をするのは命がけのアホでないと無理なことは60年前に見聞きしたけどね。
ボクの父親なんて、教え子に「生きて還ってこい」なんて言っただけで、彼らの母親たちから検察局に訴えでられましたもんね。
いざとなって、ボクにはあんな程度の勇気だけでもあるんかなぁ。
          
何やら、蛙の話から深刻な話になってしまいました。