運転指南
       
運動部オールドボーイは、若いころ後輩にえらそうな口をきいせいで、これが歳をとるごとにひどくなりまして、運転にまで「指南」を始めます。
まあ、免許をとって43年、その間、無事故。
それいらい、ほぼ毎日運転してきていますから、「ご指南」をしても、それほど厚かましくはないでしょう?
              
まず、車の選び方。
マイナーなモデル・チェンジは別にして、モデル・チェンジ直後の車は買うべからず。
モデル・チェンジ後3ヶ月は待つこと。
メーカーがどんなにテストを繰り返しても、欠陥、特に耐久性の欠陥は必ずあるものです。
最近でも、ファイアーストンのタイヤとRV車でしたかの折り合いの問題がでましたね。あれ、事故がおこってからも責任のなすりつけあいが続きましたでしょう。
問題がでたんですから、タイヤ・メーカーも必死に研究したはずですね。
でも、「欠陥なし」なんて結論になって、もめたんでしょう?
それほど欠陥ってわからないものなんですよね。
むかし話になりますが、ブレーキ・パイプが腐食して穴があく欠陥問題が出たことがあります。
車体下部にとりつけられたブレーキ・パイプとの隙間に泥がたまって腐食する欠陥でした。
泥たまりなんて、メーカーのテストロードでは、チェックできないですものね。
それに運の悪いひとは、普通では考えられない短期間に腐食がおこったんです。
で、オッチョコチョイがモルモットになってくれてる間の3ヶ月間は新型車購入は待つこと。
       
車の買い方の2は、免許を取ってすぐのひとは新車を買うこと。
「初心者は、そこら辺をこすってまわるから、中古車を」なんて考えるけど、ほんの少しこすっても板金しなければなりません。
いまの板金は、原則として部品の取り替えです。
だから、ドアーなりを全部とりかえます。
      
旧いモデルは部品の取り寄せに手間がかかります。
ゴチョゴチョ叩き出すにしても、部品のとりかえをするにしても、中古だと色褪せしているから、新しい部分が、周りと色が違ってしまいます。
「色あわせ」ってすごい手間。時として全部塗装するはめになります。
新車の方が修理代が安い。
      
「新車を買え」っていう次の理由は故障。
初心者の時は故障しはじめてもわからない。
たとえば、タイヤのバス(パンク)。
特に、パワーハンドルだと、とことんタンヤが車輪に巻き付くにいたるまで、感じない。
そのうちにタイヤが発火します。これは恐ろしい。
それに故障の対応のしかたがわからない。
高速道路の追い越し車線での故障の対応おくれは、致命的な悲劇につらなります。
        
故障しやすいことといえば、外車の中古車。
これは、初心者は手をだしてはいけません。
配線がええかげんだから、電気系統の故障には対応できない。
             
次は走行方法のエチケット。
高速道路での走行方法。
高速道路でも、時速80キロ以下で走ること。
まず、ケチの話。
燃費が安くつく。
みんなが時速120キロで走っているのに80キロで、とろとろ走るのは勇気がいります。とくに、軽自動車に追い抜かれると、カッとなって加速したくなるものですね。
軽自動車に追い抜かれても平気になるには、僕も10年くらいかかりました。
これには修練がいりますが、そうありたい。
          
ところで、「流れに逆ら」って時速80キロで走行車線を、とろとろ走るといやなのは、右の追い越し車線から「切り込んで」くる車があることです。
ですから、右の追い越し車線にほかの車が追いついてきたらアクセルをはなして減速ぎみにすることですね。
追い越し車線から「切り込んで」きて、こちらの車の右前角(フェンダー)に接触されても、こちらの車は直前にはわかりますから対応しやすいですが、直前に切り込んできたほうは、うしろに衝撃がくわわりますから、スピン(回転)して転倒します。
巻き添えになるのは、いやですからね。
だから、減速したほうが無難。アホにだけ死んでもらう。
          
で、反対に追い越し車線にいるのに、めちゃくちゃ速いのに追いつかれたら、どうするか?
絶対に気を遣ってはダメ。
走行車線の車の直前へ「切り込んで」ではだめ。
走行車線の車が「アホは勝手に死ね」なんて考えてくれると期待しないほうがいい。
後ろから来たスピード狂にあふられないで、左折信号をだしながら、ゆうゆうと追い越して、ルームミラーの視野に走行車線の車がはいってから左の走行車線に戻ること。
このときの注意は、追いついてきたスピード狂は確実にアホだから、あなたと走行車線の車のあいだから「巻き上げ」ようとしている可能性がある。
このアホ車両の動きには注意しなければなりません。
ね、追い越し車線に入るのは、いずれにしても危険でしょう?
だから、よほど安全な場合いがいはやめたほうがいい。
          
追い越しといえば、対抗車線に車が「見えて」いるかぎり、どんなに離れていると思ってもやめた方がいい。
ぼくの知人に、追い越し常習者がいました。
対向車線を走ってくる車は、追い越しの車を見ると急ブレーキをかけますよね。
対向車が、いつも急ブレーキをかけているのを知らなかったらしい。
それで対向車との「車間距離(?)」の感覚がすこしづづ麻痺していたらしい。
ある日、のんびり走ってきたダンプカーが急ブレーキをかけてくれなかった。
昇天。
初心者は「車間距離(?)」の感覚がないから、追い越しは危険。やめた方がいい。
            
「追い越し」っていうと停車中のバス。
原則として、発車するまで待つのがマナーですが、どうしても、追い越す場合は徐行しながら、バスの前輪の下を注視しなければなりません。
バスから降りた人が直前を横断してきます。
停車中のバスには、直前横断の年寄り、子供があると予測するのは運転者の基本的な義務ですよ。
        
次は右左折シグナル。
道路交通法では右左折信号は「15メートル『または』3秒前」って書いてあるでしょう?あれ、『または』ではなく『および』って理解している人が多い。
中には右左折信号は曲がりきってからだすものと心得ているひとまである。
「15メートル『および』3秒前」って誤解しているから、右左折予定で交差点で停まっていても動き出すまで信号を出さない。
         
次は、プロの運転手は道交法を知らないと心得ておいた方が無難。
プロの運転手は道交法を知らない話ですが、神戸のタクシー運転手は「東西道路優先」なんて仲間内だけの勝手な規則をつくっています。
安全講習会で、これを指摘すると、皆「非常識」なことを言うとばかりな不満顔をしていました。
だから、路地の十字路では減速だけではなく、一旦停止して、アホな勝手立法者が走ってこないか、確認したほうがいい。
ところで十字路での左右注視って、通過してから左右を見るヤツが多い。
確率的には衝突してから、左右注視(?)することになるから、なんのことはない。
          
次は交差点での右折。
十分余裕があると判断して右折しようとして、近づいてくる対向車に加速されることってよくあります。
あれ、意地悪で加速するんではないらしい。
気を遣って「早く行ってあげなければ」って考えるひとってあるみたい。
          
よく「いち姫、にトラ、さんダンプ」って周りに気を遣わない、横暴な運転手の典型にあげる人ってあるでしょう?
でもね、脇道から広道にでようとするときに譲って入れてくれるのは、ダンプがおおいですね。
その反対に、けっして譲ってくれないのは、メルセデスに乗った紳士(?)。
あれは、人の世の不思議。