優秀であるが、非白人であるために安給料で働かされていることに不満を抱えている弁護士のリタ(ゾーイ・サルダナ)。
謎の電話をかけてきた相手に無理矢理拉致されたリタですが、その相手は何と、メキシコの裏社会を支配する麻薬カルテルのボス、マニタス(カルラ・ソフィア・ガスコン)。
そのマニタスからの依頼内容がまた驚愕のもの。
妻と二人の子どもを持ちながら、子どもの頃から自分の性に違和感があった、もう堪えられないと、性別適合手術の段取りと残された家族の安全な生活を整えてほしいとの依頼。
半ば脅しと多額の報酬を提示されたリタは依頼を引き受け、マニタスは死んだこととされて姿を消します。
その4年後、ロンドンで暮らしていたリタの前に、エミリア・ペレスという女性が姿を現します。そのエリミアこそ、性転換後のマニタス。
再度の依頼を引き受けざるを得ず、リタはエミリアと共にメキシコに戻り、エミリアの新たな活動に協力するのですが、その事業とは犯罪に巻き込まれて姿を消した人々の消息探し(遺体発見)。
それからエミリアは社会奉仕家として名を高めていくのですが・・・。
一応ミュージカルということのようですが、そうした印象はありません。
ただ、リタ、エミリアの熱い想いを語る場面、音楽と歌を以て描いているのですが、そこは実に観応えがあります。本作の魅力ある部分といって過言ではありません。
性転換により姿、そして人生を変えることはできても、人間の本性自体を変えることはできないのだ、と感じさせられるストーリー。
マニタスからエミリアに変わっても、自分の思いどおりに他人を強引に従わせようとする処は、まるで変わらないのですから。
一方、エミリアはその本性から思わぬ事件を引き起こしてしまうのですが、その最終場面、あっさりと結末を迎えてしまう処は率直に言って不満です
なお、マニタスとエミリアを演じたカルラ・ソフィア・ガスコン、随分と大柄な女優だと思ったのですが、トランスジェンダー俳優とのこと。納得です。
2025.03.28
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