“アスファルト・シティ ★★☆
Asphalt City
(2025年アメリカ/イギリス映画)

監督:ジャン=ステファーヌ・ソヴェール
原作:シャノン・バーク
脚本:ライアン・キング、ベン・マック・ブラウン
出演:ショーン・ペン、タイ・シェリダン、ベンガ・アキナベ、マイケル・カルメン・ピット、キャサリン・ウォーターストン、マイク・タイソン

 

舞台はニューヨークのハーレム。
その街で活動する救急救命隊員の業務、その過酷な実態を描いたドラマ。
フィクションですけど、これはもうドキュメンタリーとして観た方が良いのではないかと思う位、衝撃的な場面が次々と繰り返されます。

およそ日本の救急車、救命隊員の活動とはかけ離れたような社会、活動実態。暴力と犯罪に満ちたこの街においては、救命隊員としての業務を行おうとする中でも、救命隊員自身に身の危険が感じられます。
アメリカだからとも思いますが、それ以上にNYのハーレムだからでしょう。
こんな中で使命感を持って働き続けることなど、まるで無理、救命隊員のらしからぬ言動も仕方がない、と思ってしまいます。

主人公は、医師試験合格を目指して勉強を続けている新人隊員のクロス(タイ・シェリダン)。そのクロスと組み、実際の業務を指導するベテラン隊員がラット(ショーン・ペン)。
どんな事態に直面しても動揺することなく、着実に任務を全うするラットに深い信頼を寄せるクロスでしたが、そのラットがまさか、そんな行動を・・・。

映画の最後、実際の救急救命隊員たちに対するメッセージが流れます。
それこそ、本作品を制作した理由ではないかと感じられます。

サスペンス的な作品に仕上がっていますが、観ていて面白さに興奮するといった作品ではありません。むしろ、救命救助隊員の過酷な姿を目撃する、その実録的、といった作品。だからこそ観る価値がある、と思います。

2025.07.07

           


   

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