予想を超えて面白かったです。時代劇が好きな方には、是非お薦め。
さてストーリー。
幕末、京の寺前。藩からの命令にて、長州藩士の山形彦九郎を暗殺せんと待ち構えていた二人の会津藩士。
その内の一人が、本作主人公の高坂新左衛門。
山形と斬り合う中、突然の落雷。そして気付いてみれば、現代の時代劇撮影所に何とタイムスリップ。
やがてタイムスリップの事実に気づいた新左衛門は、何のためもなく途方にくれるばかり。
そして門前に倒れていたところを、寺の住職夫妻に助けられて居候兼下働きとして暮らし始めます。
ある日、時代劇の“斬られ役”に無理矢理担ぎ出された新左衛門でしたが、それしか自分の生きる道はないと悟り、“斬られ役”として道を切り開こうと奮闘を重ねていく・・・。
コメディ部分があちこちに散りばめられていて、とても面白い。
そしてそれ以上に感じさせられるのは、キャスト、スタッフたちの、時代劇に対する愛情です。それがあってこその快作。
主演の山口馬木也さんはかつて、藤田まこと主演「剣客商売」で息子の秋山大治郎役を務めたとのこと。役者生活25年で、長編映画では初の主演だそうです。
その山口さんの好演も光りますが、その新左衛門を支える役回りとなる、時代劇助監督である山本優子役の沙倉ゆうのさんの好演も光っていました。
若々しい印象だったので実年齢を知って驚きましたが、本作の撮影でも助監督、制作、小道具などスタッフとしても大活躍だったとのこと。
最後、どのような結末を迎えるのかが全く見当つかず、だからこそ面白かった訳ですが、最後の殺陣シーン、その迫真さ、迫力とも真に凄い! それだけでも観る価値たっぷりあった、というものです。
結末は爽快ですが、最後の最後のオチ、これにも笑わされました。お見事!!
2025.02.15
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