“木の上の軍隊” ★★★ 監督:平一紘 |
沖縄本島に近い小さな島=伊江島、太平洋戦争末期、島に上陸した米軍の激しい攻撃に追われ、大きなガジュマルの木の上に身を潜め続け、終戦を知らずに2年間をそこで過ごした二人の日本兵がいたそうです。 井上ひさしさんの戯曲はひととおり読んだつもりだったのですが、本作については全く知りませんでした。何故?と思った処、芝居を構想し上演も決定していたものの、井上さんが台本を書き上げられず、中止になったもの。その後、別の作家により書き上げられ、こまつ座で上演されたそうです。 アジア・太平洋戦争における過酷な一幕を描いた作品、と言ったら、それで終わってしまいます。 本土から伊江島に赴任し、島と島民たちを犠牲にすることに何の呵責も抱いていないような上官=山下一雄(堤真一)と、島に育ち島しか知らない新兵=安慶名セイジュン(山田裕貴)の二人は対照的、上記のことを際立たせてくれます。 堤真一さん、山田裕貴さんの二人が好演。 是非お薦めです。 2025.07.25 |