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| 「博士とマリア Dr. and Maria」 ★★ | |
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地球温暖化が進行し大規模な海面上昇が進んだ24世紀が舞台。 大企業HAが提供する<シティ>で高度な文明生活を享受しているのは一部の富裕層のみで、HA社員以外の人類は劣悪な環境で過酷な労働に従事しながら生活している。 そうした中、物好きで偏屈なドクター(博士)は、医療補助ロボットのマリアUと共に、古いクリニック船でいろいろな海域を気ままに移動し、依頼に基き診察・治療にあたっている。 本作はそのドクターとマリアUのコンビを主軸にした、連作もの未来SF。 温暖化進行、海面上昇という未来像は、現在の地球温暖化現象からすると驚くようなものではありませんが、上田早夕里作品の未来世界像と共通するため、つい比較してしまいます。 上田作品では人類そのものが革新的変化を求められるという点で深刻な処がありましたが、本作ではそうした深刻さは余り感じられません。それよりも、辻村さんの秀逸な着想と、コミカル要素で十分楽しませてくれる、という印象。 ・「帰ってきた魚男」:身体が魚の鱗で覆われてしまった海中作業員が患者。ドクターが提案した対処策、その顛末は? ・「ナルシスの肖像」:美しい男になれば幸せになれると思い込んだ青年、その思いがけない結果は? ・「殻むき工場船から」:過酷な工場船から脱出するため反乱を起こした7人、彼女たちにドクターが授けた作戦は? ・「オンブラ・マイフ」:永遠の命に執着する男、マリアUを人質にドクターへ技術を吐き出せと迫るのですが・・・。 ・「マリア」:何故“マリアU”なのか? ドクターとマリアUの関係は? 呆気に取られた程、驚きました。 この真相はもう、絶賛したくなる程の面白さ! この篇ひとつだけでも、本作を読む価値があるというもの。 1.帰ってきた魚男/2.ナルシスの肖像/3.殻むき工場船から/4.オンブラ・マイフ/5.マリア |