土屋うさぎ作品のページ


1998年大阪府箕面市生、東京都府中市育ち、大阪大学工学部応用理工学部中退。現在は漫画アシスタント兼漫画家。
2023年「あぁ、我らのガールズバー」にて集英社・第98回赤塚賞準入選、同年「見つけて君の好きな人」にて小学館・「創作百合」漫画賞佳作、24年「文系のきみ、理系のあなた」にて一迅社・第30回百合姫コミック大賞翡翠賞を受賞。また、同年「謎の香りはパン屋から」にて第23回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、同作にて小説家デビュー。


 


                    

「謎の香りはパン屋から ★☆       このミステリーがすごい!大賞
  The Mysterious scent comes from the bakery


謎の香りはパン屋から

2025年01月
宝島社

(1500円+税)



2025/03/13



amazon.co.jp

このミス大賞受賞作だからといって読もうとは必ずしも思わないのですが、本作については表紙絵が楽しそうで、つい惹きつけられてしまうので読むに至りました。

主人公の
市倉小春は、漫画家志望の大学一年生。実家は東京の府中ながら大阪の大学に進学したことから一人暮らし、近所のパン屋<ノスティモ>でバイト中。
そのノスティモを舞台に、店員あるいは客が持ち込んだ出来事の謎を解く、という連作日常ミステリ。

率直に言って、小春の謎解き(推理)には飛躍感が否めないし、大学生活が全く描かれていないので大学生バイトとする必要があったのか、単なる学生バイトにパン作りを手伝わせたりするの?とも思いますが、パン屋という舞台設定は、美味しそうなパンに楽し気な雰囲気が加わっていて、十分楽しい。
「思い出のカレーパン」の気持ち良さもあって、及第点。

「焦げたクロワッサン」:親友の由貴子、一緒に行くはずだったライブビューイングを何故ドタキャンしたのか?
「夢見るフランスパン」:パティスリーの方から応援に入った紗都美、フランスパンの作業に何故失敗したのか?
「恋するシナモンロール」:高校生男女、大事なお守りにコーヒーを溢した事件の真相は?
「さよならチョココロネ」:小学生の凛ちゃんの財布を奪ったひったくり強盗、犯人を捕まえたいという凛ちゃんに協力。
「思い出のカレーパン」老婦人の客、亡き夫がかつてよく買ってきてくれたカレーパンを探しているのだという。小春、レナ先輩、紗都美の3人が代わってカレーパン探し。

1.焦げたクロワッサン/2.夢見るフランスパン/3.恋するシナモンロール/4.さよならチョココロネ/5.思い出のカレーパン/エピローグ

       


   

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