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「喫茶とまり木で待ち合わせ」 ★★ | |
2024年10月
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初めて読む作家さんなのでどうだろう?と思っていたのですが、予想以上に気持ちの良い味わいを堪能できる連作ストーリィでした。 ・「きみのとまり木」はプロローグ。小四時、男の子と女の子の出会いの一コマ。さて、それがどう後へ繋がっていくのやら。 ・「家族写真」:真由美・39歳。仕事と家庭の両立ができず5年前に離婚。月に一度<喫茶とまり木>で娘と会うが、母親としてどう振る舞ったらいいのか分からない・・・。 ・「コーリング・ミー」:高校生の駆(かける)はビーズアクセサリーを作るのが趣味。刺繍作家である羽須美さん・75歳と毎週<とまり木>で落ち合っては互いの作品を見せ合っている。でも友人に自分の趣味を隠している・・・。 ・「蜃気楼の彼女」:朱音・26歳、平凡で退屈な人間と自分で分かっている。それなのに目立つ存在だった夏帆と、何故友達になれたのだろう・・・。 ・「一輪の花へ花束を」:朔太郎、4年半勤めた会社を退職しニート中。そんな折に便利屋の兄から頼まれた仕事は、若い女性からの依頼で彼女と一週間一緒に生活すること。その女性というのが何と・・・。 ・「僕らのとまり木」:仕事を失い恋人も失った数馬。死のうと思いながら偶々入った<とまり木>、オーナーは何と高校の同級生だった。 本連作ストーリィを総括するような内容の篇。何であれ、奇跡的な再会は嬉しいものですし、素敵です。 なお、店の名前である<とまり木>、居場所が見つからなかったり疲れたりしている人に、羽を休められる場所を提供したい、というコンセプトからの命名らしい。 0.きみのとまり木/1.家族写真/2.コーリング・ミー/3.蜃気楼の彼女/4.一輪の花へ花束を/5.僕らのとまり木 |