荻原 浩作品のページ No.5



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我らが緑の大地   

【作家歴】、オロロ畑でつかまえて、なかよし小鳩組、噂、誘拐ラプソディー、母恋旅烏、コールドゲーム、神様からひと言、メリーゴーランド、僕たちの戦争、明日の記憶

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さよならバースディ、あの日にドライブ、ママの狙撃銃、押入れのちよ、四度目の氷河期、サニーサイドエッグ、さよならそしてこんにちは、愛しの座敷わらし、ちょいな人々、オイアウエ漂流記

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ひまわり事件、砂の王国、月の上の観覧車、誰にも書ける一冊の本、幸せになる百通りの方法、花のさくら通り、家族写真、二千七百の夏と冬、冷蔵庫を抱きしめて、金魚姫

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ギブ・ミー・ア・チャンス、海の見える理髪店、ストロベリーライフ、海馬の尻尾、極小農園日記、逢魔が時に会いましょう、それでも空は青い、楽園の真下、ワンダーランド急行、笑う森

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41.

「我らが緑の大地 ★☆   


我らが緑の大地

2025年02月
角川書店

(2000円+税)



2025/03/25



amazon.co.jp

植物たちが人間に対し、「我らが緑の大地を取り戻すために」と叛乱を起こし、さらに人間を駆除しようと。
信じ難い植物たちの状況、行動を描き出した戦慄かつ迫真のSFホラーサスペンス。

巨大な昆虫たちが人間に寄生、あるいは暴れ出すといった危機を描いた
楽園の真下からさらに発展させたストーリーと思います。
今回は相手が植物だけにもっと、遥かに恐ろしい。どれだけ逃げても植物はそこら中に存在しているのですから。

舞台は、食用植物の改良、植物との会話実験を行っている
スタートアップ企業<グリーンプラネット>の研究センター
主人公は、そこで研究助手として働く
村岡野乃(30歳)
幾つかの不審な出来事や惨事が続いた後、野乃が
1歳半の息子=一樹を連れてセンターに行くと、そこからとんでもない事態に巻き込まれます。
大勢のニホンザルがセンターに押し入り、野乃たちに攻撃姿勢を示す。これらは皆、植物たちの仕業なのか?

軽ワゴンで一樹と共に逃げようとする野乃の前に、植物に操られたものが、次々と逃走を妨げ、あるいは襲ってきます。
それだけでも十分脅威、恐ろしいのですが、野乃は幼い子ども連れ。一樹は時に役立つこともありますが、逆に声を立てて危機を招き寄せてしまうこともあり、その行動は全く計算できず。だからこそ、野乃の苦境は留まることなし、ということ。

もし、植物が本当にこのような知性を持っていたらと思うと、本当に恐ろしい。
人間が気候変動をもたらし、木々を枯らせたり、山火事をもたらす等々、人間は地球そのものにとって害でしかないのですから。
野乃が様々な攻撃に対抗できたのは、山の子として育った経験と祖父からの教えのおかげ。

人間はやはり、地球のため、自らのために植物=緑を守ることに務めなければいけない、と思う次第です。

           

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