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「降りる人」 ★★ 小説野生時代新人賞 |
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刊行当時から気になっていたのですが、ようやく読むに至りました。 期間工となった主人公、ということで石田夏穂さんのように現場仕事をターゲットにした作品かと思ったのですが、そうである処もありますが、それだけではない作品。 前の職場を鬱病で辞めた主人公の宮田、高校以来の友人である浜野から、期間工は人と接することの少ない仕事だと聞き、浜野と同じ工場で期間工として働き始めます。 期間工の担う作業は、機械的で、人間だと思われない作業。 人と接することは確かに少ないけれど、バス、食堂、寮と、他の期間工と接せざるを得ない場面は多々あります。 どうもこの主人公、そもそも鈍い処があるようで、少々発達障がい的な処があるのではないかと思われます。 浜野は主人公に、アダルトDVを一緒に見ようとか、やたら色々声を掛けてきます。浜野、低俗な人柄かと思ったのですが、実は親身に主人公のことを気にかけ、人並みにしてやろうとしていたのかもしれません。 「降りる人」という題名の意味が本作の興味点でしたが、「超人」に対する言葉のようです。 一般人を超える存在が超人、降りる人とは、一般人レベルを自ら降りる、という意味でしょうか。 そしてそれは本人にとって、ひとつの道、決断なのでしょうか。 それとは別にして、社員と期間工との階級差、期間工たち一人一人の人物像の生臭さが印象的。人間らしく扱われていないからこそ、作業以外の部分では我をむき出しにし、人と強調しようとなどは考えないのでしょうか。 決して面白い作品ではありませんが、人間観察というか、印象的な作品です。 春/夏/秋/冬/春隣 |