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11.四十年目の春 |
【作家歴】、恩送り、月のうらがわ、母子月、日輪草、龍ノ眼、天がたり、ひまわりと銃弾、筆耕屋だんまり堂、筆耕屋だんまり堂(二)、筆耕屋だんまり堂(三) |
| 「四十年目の春」 ★★ | |
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清四郎の実家・津久井家は三十石取りに過ぎない平侍で、清四郎はその四男。 それが何故か、郡奉行、二百石取りの大沼家から望まれ、10歳の時に婿養子として大沼家に入ります。 ところが妻となる佳乃は、清四郎の2歳上で、身長は10pも上回る大女の上に肝の座った女性。見かけからして華奢な清四郎は、佳乃と果たしてうまくやっていけるのだろうか。 しかし、清四郎は思わぬ佳乃の優しさに気づき・・・。 それから四十年にわたる、2人の歩みを描いたストーリー。 もちろん、清四郎が郡方役人として成長、昇進していく姿が基本線としてあるのですが、そこには役目上の問題もあれば、実家や今の家族との問題もあり、と多様な展開。 そして、それらの時には常に佳乃の支えがあった、という次第。 ある意味、現代のサラリーマン的なストーリーです。それだけに引き込まれ、我が身と照らして読む面白さがあります。 麻宮さんの上手さを感じる作品です。 ※婿養子、郡方、という点で思い出し、つい比較しながら読んだのが、藤沢周平「風の果て」。 共通する処はありますが、趣向は対照的です。さしずめ、藤沢作品は男の立身物語であるのに対し、本作はサラリーマンの家族物語。 藤沢作品と麻宮作品、書かれた時代の違い、ということが大きいだろうと思います。 序/1.春/2.初夏/3.盛夏/4.晩夏/5.秋/6.冬、そして再びの春へ |