安堂ホセ
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1994年東京都生。2022年「ジャクソンひとり」にて第59回文藝賞を受賞し作家デビュー。同作は 第168回芥川賞候補となり、24年フランス語版がマルキ・ド・サド賞の候補にもなる。25年「DTOPIA」にて 第172回芥川賞を受賞。

  


       

「DTOPIA デートピア ★★       芥川賞


デートピア

2024年11月
河出書房新社
(1600円+税)



2025/01/18



amazon.co.jp

手の届くところにずっとあった作品。
これまで手を出そうとは思わなかったのですが、芥川賞受賞ということで、読んでみようかと手に取った次第。

まずはポリネシアの
ボラ・ボラ島、そこで行われるのが<デートピア2024>。
ミスユニバース一人を巡って、世界各地の都市から集められた男十人が競い合う。
その十人から好きな相手を選ぶ方法はデート、の筈が、彼女の一言、時間を無駄にしたくない、○○○○で試す、という発言でルールは即時に崩壊。さらに・・・・。
そこに船で、追加メンバーとしてやってきた人間は、ノンバイナリーの私を含めて15人。
そして
私=モモは、おまえ= Mr.東京こと井矢汽水と再会する。
そこからモモ、汽水の過去の出来事へとストーリーは展開していきます。

ミスユニバースの男選び方法から始まり、ジェンダー、○○ビジネス、拷問、エトセトラ、当たり前の世間観、倫理を吹き飛ばすような破壊エネルギーに満ちた作品。
率直に言って困惑されどおし。読んでいてとても面白いとは感じられませんが、読了後気持ちが落ち着いてくると、やたら後味に引かれている、という感じ。

少なくとも、内に向かってではなく、外に向かってエネルギーを爆発させる、挑戦的な作品、と感じます。

           


  

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