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「DTOPIA デートピア」 ★★ 芥川賞 |
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手の届くところにずっとあった作品。 これまで手を出そうとは思わなかったのですが、芥川賞受賞ということで、読んでみようかと手に取った次第。 まずはポリネシアのボラ・ボラ島、そこで行われるのが<デートピア2024>。 ミスユニバース一人を巡って、世界各地の都市から集められた男十人が競い合う。 その十人から好きな相手を選ぶ方法はデート、の筈が、彼女の一言、時間を無駄にしたくない、○○○○で試す、という発言でルールは即時に崩壊。さらに・・・・。 そこに船で、追加メンバーとしてやってきた人間は、ノンバイナリーの私を含めて15人。 そして私=モモは、おまえ= Mr.東京こと井矢汽水と再会する。 そこからモモ、汽水の過去の出来事へとストーリーは展開していきます。 ミスユニバースの男選び方法から始まり、ジェンダー、○○ビジネス、拷問、エトセトラ、当たり前の世間観、倫理を吹き飛ばすような破壊エネルギーに満ちた作品。 率直に言って困惑されどおし。読んでいてとても面白いとは感じられませんが、読了後気持ちが落ち着いてくると、やたら後味に引かれている、という感じ。 少なくとも、内に向かってではなく、外に向かってエネルギーを爆発させる、挑戦的な作品、と感じます。 |