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●「風にのってきたメアリー・ポピンズ」●
★★☆ |
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メアリー・ポピンズのことは元より知っていましたが、それはジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画“メリー・ポピンズ”のおかげ。これまで原作を読んだことはなかったのです。 それが急に読みたくなったのは、阿川佐和子「マチルデの肖像」のおかげ。その中にメリー・ポピンズが登場、子供だけでなく大人も好きになってしまうそのキャラクターに、改めて魅せられた所為です。 映画のメリー・ポピンズと原作のメアリー・ポピンズでは、ちょっと異なるところがあります。 最後、西風が吹くとメアリー・ポピンズは唐突にバンクス家を辞してしまいます。これでは続編を望むのも当然でしょう。 03.08.30追記 東風/外出日/笑いガス/ラークおばさんの犬/躍る牝牛/わるい火曜日/鳥のおばさん/コリーおばさん/ジョンとバーバラの物語/満月/クリスマスの買い物/西風 |
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メアリー・ポピンズが急にいなくなって以来、バンクス家の中はなにもかもおかしくなってしまった、というのが出だし。 第2作では、「笑いガス」のアルバート・ウィッグの代わりに従兄弟のアーサー・「あべこべターヴィーさん」が登場。また、マイケルが悪い子になった「わるい火曜日」の代わりに、ジェインが悪い子になる「わるい水曜日」の章あり。そして何と、バンクス家に5人目の女の子アナベルが誕生します。 本書の圧巻は、父親バンクスが恐れる彼の昔の家庭教師、ミス・アンドリューがバンクス家を訪れる章。メアリー・ポピンズとの全面対決は、見応えがあります。 2冊を通して読む限り、ポピンズは必ずしも優しくありません。むしろ厳格という風。それでもポピンズがいると不思議なことが次々と起こる。それがメアリー・ポピンズの魅力です。 タコ/ミス・アンドリューのヒバリ/わるい水曜日/あべこべターヴィーさん/新入り/ロバートソン・アイの話/夜の外出日/風船、風船!/ネリー・ルビナ/メリー・ゴウ・ラウンド |
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メアリー・ポピンズはバンクス家に計3回やってくるのですが、その最後となるシリーズ第3作目。 メアリー・ポピンズの親戚として今回登場するのは、7つまでの願い事がかなうと言うトイグリー氏。そして圧巻というべき章は、考えることの泥沼に嵌ってしまった王様に、3つの質問合戦を挑むネコの話でしょう。 その他、公園の大理石の少年像が動き出して、ジェインやマイケルと遊ぶ話。ミス・キャリコから買ったペパーミント・ステッキに馬の如くまたがって、空中を駆け回る話。海の底のパーティ、大晦日から新年に変わりゆく僅かな時間に物語の主人公達が集まって仲良く踊り楽しむ話など、前2作にまして、楽しい話ばかりです。第2巻から第3巻まで8年という時間が空いていることも無縁ではないでしょう。 これまでの登場人物が勢揃いしてポピンズを見送るラスト・シーンは、最後を飾るに相応しいものですが、一方でとても名残惜しい場面でもあります。 十一月五日/トイグリーさんの願いごと/王さまを見たネコ/大理石の少年/ペパミントの馬/高潮/末ながく幸福に/別の扉 |