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2.魔の沼 |
●「ジャンヌ−無垢の魂をもつ野の少女−」● ★★ |
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2006年06月
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サンド初の新聞連載小説で、彼女の本格的な農民小説の第1作とのこと。 農民の素朴さ、敬虔さを讃美したサンドらしい作品ではあるのですが、あまりにジャンヌを美化し過ぎていて読みにくいところ、戸惑うところがあります。 ドストエフスキイやバルザックという同時代の作家がこのジャンヌ像をかなり讃美したらしいのですが、それはキリスト教という共通地盤がある故でしょう。 |
●「魔の沼
ほか」● ★★ |
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2005年01月
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G・サンドのいわゆる“田園小説四部作”の最初を飾る作品(他の3作は「捨て子のフランソワ」「少女ファデット」「笛師の群れ」)。日本で最初に紹介されたサンドは本作品だそうです。 幼い3人の子供を抱えたやもめの農民ジェルマンは、舅から再婚を強く勧められます。舅が勧める相手は、隣村に住む後家。 ※<付録・結婚式の風習>は、ジェルマンとマリの結婚式という設定にてベリー地方における結婚式の風習を描いたもの。3日間に亘って繰り広げられる<衣装渡し>、<キャベツの儀式>の両方共とても興味深いものですが、する方もされる方も本当に大変だ。 魔の沼+<付録:結婚式の風習> /マルシュ地方とベリー地方の片隅(ブサック城のタピスリー)/ベリー地方の風俗と風習 |
●「愛の妖精」● ★★★ |
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1936年09月
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フランスの農村を舞台にした小説。 本作品については、農村、農民を主要な舞台、主役にしていることが、特筆すべきことでしょう。フランスに限らず、本が富裕階級向けのものであった以上、小説の舞台も当然にして富裕階級であることが多かったのですから。 主要人物は3人。裕福な農民バルボー家の双生児シルヴィネとランドリー、そして近在で魔法使いのように思われているファデー婆さんの孫娘ファデットです。 |
●「フランス田園伝説集」●
★☆ |
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1858年発表 1988年07月
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文庫表紙の紹介文によると、「狼使い・森の妖火・いたずら小鬼・巨石にまつわる怪・夜の洗濯女といった、サンドが居を構えたフランス中部ベリー地方の農村に伝わる口碑・伝説を集めた一書」とのことです。 |