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| 「ライプニッツの輝ける7日間」 ★★ 原題:"Die Beste Aller Moglichen Welten" 訳:森内薫 |
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2026年01月
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数学や哲学で多大な業績を残した“万能の天才”=ライプニッツ(1646~1716)を、重要な出来事があった、あるいは契機となった7日間に絞って描き出した、画期的な評伝。 ライプニッツという名前、どこかで聞いたような気もしますが、率直に言って、本作を読むまでよく知らず。 そのライプニッツを語るに、その長い人生における7日間を取り上げるという構想は、ライプニッツという人物像をくっきりと浮かび上がらせるのに最適な方法だったように感じます。 各章、つまりその一日毎に、ライプニッツの考え方、事績が詳述されます。 しかし、それを丹念に読んで理解するというのは、とても私の手に余ること。ですから、強引に読み進んでしまったというのが、正直なところ。 ライプニッツの境遇自体、当時の宮廷事情等と無縁ではありませんが、日本人の私に当時の情勢など全く知識が及びませんし。 しかし、そんな読み方であっても、ライプニッツという人物の類稀さ、活動領域の広さは感じ取れます。 あらゆる分野に、広範な事柄に関心を抱き(まるで食い散らかしているよう、とも感じますが)、良い方向を目指して考えを巡らしていることに間違いはない。その“知の巨人”ぶりには圧倒されます。 また、ひとつの場所、境遇に拘束されず、常に“旅の途中”であろうとしたというその姿には魅了されます。 読むのには苦労させられますが、ライプニッツという歴史上の人物に組み合ったという点では、読み甲斐あり。 また、労作であるという点につき、本作を称えたい。 はじめに 第1章 パリ、1675年10月29日-進歩への楽観と、絶えざる遍歴 第2章 ツェラーフェルト(ハルツ)、1686年2月11日-譲歩を伴う創造:課題としての世界 第3章 ハノーファー、1696年8月13日-世界は眠っている、あるいは、万物は生きている 第4章 ベルリン、1703年4月17日-世界を1と0に分解する:デジタル未来への道 第5章 ハノーファー、1710年1月19日-歴史と小説のあいだ:いかにして悪から善が生まれるか 第6章 ウィーン、1714年8月26日-ネットワーク化された孤立:孤独と共同性のあいだの緊張領域 第7章 ハノーファー、1716年7月2日 未来への助走:螺旋状の進歩とポストヒューマンの理性 エピローグ |