(Fより) バラク首相が辞任し、2月には首相選挙がある。ネタニエフ前首相 が選挙に出られると、国民支持率54%のネタニエフ氏が当選する 可能性が大きい。しかし、国会議員でないネタニエフ氏には被選挙 権かない。このため、2月までに法律改正するか、国会議員選挙と 同時に首相選挙を行う必要がある。もし、ネタニエフ氏が首相に返 り咲くと、今までのパレスチナ和平交渉は、暗礁に乗り上げること になる。なにしろ、ネタニアフ政権時代は、一歩も和平が前進しな かったのですから。和平反対ですからムリです。しかし、ネタニエ フ氏は、19日に辞退した。これで、シャロンとの戦いになる。 バラクの勝算はある。 前回の中東情勢は、 http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/kak2/1210282.htm 前回の論文から変化しているのは、アラブの結束が崩れていること である。サウジは、前回も書いたように、原理主義を一部認めてい るが、エジプトは原理主義者を弾圧している。そして、原理主義者 が入っているパレスチナの支援をエジプトは、見合わせているのだ。 サウジは、エジプトにアラブの結束を呼びかけているが、原理主義 と行動をともにする気はないようだ。 このため、アラブサイドも手詰まりになっている。そして、現在 パレスチナサイドでハマスなどの強硬派が力を持ち始めている。 しかし、これはアラファトの望む方向とは違う。イスラエルと敵対 する方向になると、また泥沼に陥ることになる。アラファトはヨル ダン川西岸地域をパレスチナ国家化すればいいのであるから、あま りイスラエルと問題を起こしたくない。イスラエルと無用な戦争は したくないのである。イスラエルのバラク首相も、パレスチナとの 和平をして、イスラエルの元元の領土を保全したいのです。お互い に利益が一致しているのに、それができない状況になっている。 今回のパレスチナのインティファーダは失敗であろう。アラブから の支援も思ったほどないためで、その原因は、原理主義者やハマス が全面に出したためのようだ。 さあ、クリントン大統領、バラク首相が辞任するまでに、和平は 成立できるか見物である。アラファトの手腕はいかに そして、19日から和平会談が開催された。裏に米国の影がある。 ============================== 12/15−12:13時事 パレスチナ和平交渉、近く再開か=アラファト議長とイスラエル外 相が会談 【エルサレム15日時事】アラファト・パレスチナ自治政府議長と ベンアミ・イスラエル外相は14日夜から15日未明にかけ、約4 時間にわたりガザ地区で会談し、9月末から続くパレスチナ騒乱の 収拾と和平交渉の再開について協議した。 ============================== アラファト議長、和平合意へ意欲 背景に強硬派の軟化 イスラエルとの和平交渉再開を協議するパレスチナ側の代表団が 18日、米国へ向かった。自治政府筋によると、急速に再開へと動 き出した交渉について、アラファト議長は交渉団に対し、少なくと も枠組み合意にこぎ着けるよう指示した。決断の背景に、指導部内 強硬派の態度軟化がある模様で、1カ月以内に和平合意の可能性も 出てきた。 イスラエル、パレスチナ和平合意は、来年1月20日で任期が切 れるクリントン米大統領の悲願であるとともに、2月に選挙を控え るバラク・イスラエル首相にとっても、再選の望みを託す唯一の切 り札。アラファト議長も、存命中にパレスチナ国家独立を果たすた め、領土や安全を保証する合意が必要だ。 議長にとって、もう一つの重要な材料は、インティファーダ(民 衆ほう起)がこのまま続けば制御不能になるという懸念だった。イ スラエルによる実質的な占領が続いているという民衆の不満に、あ る程度こたえる妥協を引き出して収拾を図る必要に迫られた。 自治政府筋によると、交渉代表のラボ情報相、ガザ地区の治安を 握るダハラン長官ら強硬派も、インティファーダが、パレスチナ側 の状況も悪化させ、内部分裂の恐れさえ出てきたとして、交渉に臨 む態度を軟化させたという。 交渉での主な焦点は、エルサレムのイスラム教聖地の主権、難民 の帰還権、ヨルダン川西岸からのイスラエルの撤退。パレスチナ側 は、難民の帰還権でパレスチナ側が譲れば、聖地問題では完全な管 理権を認める可能性がある、とみている。 西岸についてイスラエル側は、7月の米キャンプデービッドでバ ラク首相が提案したとされる約85%を上回る、95%をパレスチ ナ側に渡す用意があると報じられている。ラボ代表は、たとえば撤 退について、時期や範囲の明示など、合意の実施手順の明確化が必 要だと強調している。 (12/1823:23asahi) ============================== ネタニヤフ氏出馬取りやめ イスラエル首相公選 イスラエル国会は19日未明、総選挙を首相公選と同時に実施す るための国会解散法案を否決した。首相公選のみ実施されることが 決まり、再選を狙うバラク首相の強力なライバルで、総選挙との同 時実施でない限り公選には出馬しないとしていたネタニヤフ前首相 は立候補を取りやめた。同氏が所属する最大野党リクードからはシ ャロン党首が立候補する。首相公選は来年2月6日に投票される。 解散法案は、先月28日に1回目の投票で過半数の支持を受けた 。ところが、今月9日にバラク首相が辞任を表明し、立候補資格を 国会議員に絞る首相公選のみの実施へと動き出した。 これに対し、リクードなどは国会に議席を持たないネタニヤフ氏 の立候補を阻止する策謀だと批判し、改めて解散法案成立を企てた 。しかし19日の採決では、国会(定数120)の第3党で法案成 立のカギを握る宗教政党シャス(17議席)が反対に回り、賛成 45、反対65で否決された。 出方が注目されたネタニヤフ氏は、解散、総選挙を実施すべきだ ったとし、特例による首相のみの選挙には出ないと表明。首相公選 候補者を決めるリクード党首選への立候補取り下げを決めた。 世論調査によれば、ネタニヤフ氏の支持率はバラク氏を約20ポ イント上回り続けてきたのに対し、シャロン氏だとバラク氏と小差 の争いになる情勢だ。 (12/1913:43asahi)