環境問題を議論しよう。スウェーデンのヨーテボリ大学のロベー ル博士は、4つの原則を導き出している。 @化石燃料も金属も、長い時間をかけて鉱物が再び地殻に戻るその テンポより早いテンポで採掘しない。 そうしなければ、地殻の物質は不可避的に自然界に拡散し、蓄積 するため、環境破壊が進む。私達は、自然循環から得られるエネル ギーと原料に切り替えなければならない。 A意図的にしろ意図的でないにしろ、自然界が分解できるか地殻に 戻せるテンポより早いテンポで人工的物質を製造してはならない。 そうしなければ、地殻の物質は不可避的に自然界に拡散し蓄積す るため、環境破壊が進む。私達は、長寿命で自然界に異質な化学物 質を、生物的生産の基盤要素になる化学物質に切り替えなければな らない。 B自然の生産面積を害したり、除去したりしない。自然の生産物を 再生させる量以上に採ったり、捕獲したりしない。 なぜなら、自然の廃棄物の処理能力と自然資源の生産能力が持続 可能な繁栄の唯一の基盤となるからである。私たちは、土地開発や 生物種の絶滅やその他の物理的な退化による自然循環の侵害をやめ なければならない。 C人間のニーズは、可能な限り効率的な方法、かつ公平な資源分配 の方法でみたさなければならない。 なぜなら、地球の全人口が前記の原則@〜Bを満たした資源の利 用方法で安楽に暮らせなければならないからです。 (工場管理VOL46、NO3 p86伊藤さんの意見中から) 南極の棚氷が崩壊しているし、北極の極点での海水が見えるよう になっている。これらは、地球温暖化になめであるが、この原因は 2酸化炭素の増加である。この増加は、森林の伐採で熱帯林の減少 による。スマトラでの1932年当時は全島、熱帯林であったが、 現在は全島の30%以下にまで減少している。このことと同様なこ とが、アマゾンでも起こっている。 今回は、この森林の破壊を考えよう。森林の破壊を防ぐためには、 森林の伐採自体を減らすか植林をするかが必要である。 そのためには、 ・ケナフ(1年草)を栽培して、紙の原料とする。江戸時代のコウ ゾ、ミツマタの現代版。 ・植林しても現地の種でないと生育しない!ため、徐々に植林する 必要がある。この方法としては、襟裳岬周辺の森林造成が参考に なると思う。まず、保水のため、昆布等をさばくに引き、その後 にまず雑草の種を蒔く。その雑草が茂ったあとに植林する。2段 階を踏んでいる。特に砂漠化した地域の対応には適している。 ・酸性雨等の公害を除去する。これをしないと、森林破壊が大規模 に進むため。この技術では日本は最先端。 ・森林でも広葉樹を多くする。針葉樹より生物が多く生息できるた め、環境的にいいし、2酸化炭素消化量も大きい。 日本は広葉樹林文化圏であるため、多様な生き物がいたはず。 その環境を取り戻す。人口が減少するため、期待できる。 ・林野庁の役割変更が必要。国有林の木種を広葉樹林に変更し、 100年以上伐採しない。森林地域のほとんどを国立公園にして、 レクレーション地域化する。その管理人となる。職員数の大幅に 減員する。3兆円の赤字は国家が肩代わりするしかない。 世界各地の砂漠化した地域の植林の専門家として、林野庁職員を展 開する。 また、ダイオキシンの公害発散は、NO.259−1で議論したが 、この解決も、環境の4原則に照らして考える必要があるでしょう。