ロシア経済制裁中にフリン補佐官がロシア大使と交渉を行ったこと で辞任したが、フリン補佐官辞任とともに、外交政策が大きく変更 したようである。反中親露の政策から反露親中の今までの外交政策 に戻ったようである。 トランプ大統領の意向とは違い、ティラーソン国務長官もマティス 国防長官も、ペンス副大統領も、ウクライナ東部ロシア派の戦闘拡 大を非難、EU支持を表明したのである。 このため、ロシアと米国の関係正常化は当分、見送りになってしま った。ロシアとしては、米国との交渉を有利にしようとして、ウク ライナ東部の戦闘を再開したが、それが裏目に出てしまったことに なる。 もう1つが、トランプ大統領の意向が、政策に反映しなくなってい る。大統領が提案する国境税を20%にする案ではなく、国境調整 という共和党の法人税改革になりそうであるし、「1つの中国」を 見直しという案も、米国債の売り圧力や米企業の追い出しの圧力で 、中国に譲歩してしまった。中国への強い政策もできないようであ る。 中国が米国債を大量に売ることで米金利は一気に上昇したが、中国 の米国債売りが止めば、金利上昇も収まり、FRBも利上げをしなくて 済む。ドル高を警戒するなら、中国と上手くやるしかないとムニュ ーチン財務長官からトランプ大統領は忠告されたようにも思う。 ということで、トランプ政権内で、トランプ氏の意向が無視され始 めている。外交面、内政面でも支持率が低いトランプ氏は、共和党 議会に譲歩するしかなく、共和党と調整する政権内の実務家に任せ ているしかないようである。 このため、新しい今までとは違う政策が、なかなか実行されないと いうことになっている。国境調整も半年以上はかかるし、オバマケ アの新しい制度も、1年程度もかかる。 そして、オバマ政権をくそみそに言っていたが、どうも同じような 外交政策になってきている。論理的に考えるとオバマ政権の外交と 、大きく違うことはできないとは思うが、今までのトランプ氏の非 難は何であったのかということになる。 このため、トランプ大統領は支持者をつなぎ止めるために、演説会 を開き始めた。新し敵として、マスコミを選んだようであるが、マ スコミは逆に、新しい読者を獲得している。大統領に非難されて、 業績が上がる事態になっている。 さあ、どうなりますか?