6107.新型肺炎ウィルスは、劇化・免疫異常を起こす



徐々に、なぜ武漢が10万人も死亡したのかが、わかりまじめている
。日本政府もやっと、武漢の現状を知り、対策を本格化している。
この解説をする。   津田より

0.米国株価
NYダウは、2月12日29,568ドルまで上昇して史上最高株価になった。
しかし、一週間前の2月21日28,992.41ドルだが、2月28日25,409ドル
となり、新型肺炎ウィルスで17%程度の暴落である。21日時点では、
PERは19倍であったが、28日のPERは17倍程度になっている。パウエ
ル議長は、次回のFOMCで、利下げを行うとした。

そして、金価格は下げに転じ、ドル円は先週112円まで円安になって
いたが、現時点107円まで円高に振れている。債券は30年米国債金利
は1.3%程度であり、VIXは43にもなっている。債券、VIX、金が高く
なると、全部売りになるが、その局面に来たようである。投機筋が
資金不足を起こして、利の乗っているものを売り始めたようだ。ク
ライマックスまであと少しという状況まで来た。

中央銀行バブル崩壊的な様相になってきたし、このウィルスには利
下げも量的緩和も効かない。利下げしたところで、中国での生産が
増えるわけではない。このウィルスがブラックスワンになるかもし
れない。

米国内で感染者拡大すると、都市封鎖なども必要になり、国内生産
もできずに、景気の落ち込みより人の命を救う方が問題になる。こ
の時、株価を気にしていられなくなる。

どちらにして、投げ売りが出てくるタンミングであり、その時が絶
好の買い場になる。

しかし、米国本土でも新型肺炎患者が出始めて、トランプ大統領は
「心配ない」と演説して、この担当をペンス副大統領にアサインし
た。しかし、その後、米CDCの感染者数などの情報が出なくなってい
る。情報統制を引き始めている。

トランプ大統領も、日本の安倍首相や中国の習近平国家主席が犯し
た過ちをおかして、対処が遅れる心配が出ている。疾病危機は、国
民に事実を伝えて、国民一致で取り組むべきことである。しかし、
大統領選挙戦で、この疾病は、不利になると隠す道を選んだようだ。

この疾病が拡散拡大すると、国民皆保険を公約にするサンダース候
補が有利になる。このため、ウォール街もサンダースに献金し始め
ている。サンダースが大統領になることを見越して、ウォール街は
動き始めた。

現時点、米国は国民皆保険ではないので、検査費用が35万円もする
ので、多くの米国民は医療が受けられない。この人たちの感染拡大
で、米国は第2の武漢化する可能性もある。日本はやっと、危機管理
が機能し始めていたので、ギリギリ武漢化しなくて済む可能性が出
てきた。

そして、米国は、イタリアや韓国などの感染地域国からの入国制限
処置に踏み切るようであるが、すでに遅いと思う。日本も検討対象
になったが、安倍首相の新型肺炎対策の発表で逃れたが、安心して
はいけない。

そして、現状を見るに、世界的なパンデミックになる可能性も高い。

当分、景気より、疾病対策に世界は取り組むしかない。株は暴落、
債券と金は高騰でしょうね。

1.日本株価
日経平均株価は、2月3日22,775円まで下げたが、2月6日23,873円で
2月21日23,386円と徐々に下げていたが、2月28日21,142円と、この
1週間で、2,000円以上も下げた。

NYダウが下げて、それにつられて日本株も暴落の様相である。

株安円高になってきている。先週の1ドル=112円と長く続いた三角
持ち合いを上抜けたと思ったが、GFIFの円売りで瞬間的に円安にな
ったようであり、その後、120円を越えずに、ダマシであったようだ。
現在、三角持ち合いの中になり、1ドル=107円台である。

株価は、どこまで下がるのか、PBR1倍の21,000円~20,000円かと思
うが、瞬間には、2万円割れになる可能性もある。日銀の防衛ライン
は18000円辺りだし、ドル円は105円が防衛ラインであり、そこまで
は株安円高になる可能性がある。

もう1つ心配なのが、東京オリンピックが開催されるかどうかです
が、1年延期か中止になるのでしょうね。なるべくなら、1年延期
にしてほしいものである。

2.このウィルスの性格
やっと、安倍首相も、このウィルスの性格を知り、学校の休校やイ
ベントの中止などを要請した。リーダーが専門家からのアドバイス
を貰い、早めに対策を打つ危機管理が機能し始めたようである。

平時から有事にモードがやっと、変わった。これにより、国民も変
わらないといけない。有事体制を取ることを容認して、自分のでき
ることを行うことである。上海にいる藤田医師は「動かない、集ま
らない、うつさない」が基本と言うが、自宅待機できる人は、行う
必要がある。

武漢は、武漢在住の医師からの情報では10万人も死亡しているし、
死亡率が徐々に上がっている。武漢は、医療崩壊でそうなったわけ
ではなく、このウィルスの変異で劇化したか、ウィルスの変異で抗
体が効かずに、サイトカインストームという抗体依存性感染増強現
象(ADE)か起きているか両方のようでもある。2回目の感染時の方
が重症化する確率が高いというし、免疫系が損傷を受けているとも
武漢の現場では述べている。

そして、このウィルスは、RNAウィルスであり、変異しやすい。この
ウィルスの遺伝子配列はSARSと80%が同じであり、変異するとSARS的
な劇化を起こしてもおかしくない。

劇化の方は、ウィルス初期世代では、喉から入り肺で、肺炎を起こ
すが、免疫系がしっかりしていれば治るので、そのまま4日間見て、
治らないなら、検査を受けて治療する方針であったが、ウィルスの
5世代目では、ACE2のある心臓・肝臓など多くの内臓に直接入り込
めるようになったようだ。

これにより、肺は何ともないが、心不全を起こすという事例も出て
きたという。劇化と免疫異常が同時に起きて、若い医師が死亡して
いる。もし、そうなら子供たちが2回目に感染すると、同じように、
重症化する可能性が高い。その上、ACE2タンパクは、民族差があり
、日本人は多い部類であり、そのため、感染しやすい。

武漢は、人口1000万人なので、10万人が死亡するということは、全
体的にも致死率は1%程度になっている。東京圏は、3500万人である
から、ここが武漢状態になると35万人の死者が出ることになる。

このため、今までは高齢者が死ぬ病気であり、若い人たちには関係
ないと見られていたが、武漢の状況を知ると、若い人たちにも死者
が出ている。このように全国民が被害を受ける可能性が見えて、安
倍首相も、危機的な状態であるとみなしたようだ。

3.ウィルスの診断・治療
疾病には、1.予防、2.検疫、3.診断、4.治療の4つの段階
があるが、検査が不正確であり、軽い症状の人の検査を止めていた
。しかし、そうすると、若い人たちも1回目の新型コロナウィルスに
は感染する可能性が高くなる。このウィルスの変異は大きく、日本
には、すでに3種類の変異したウィルスが入ってきている。

2回目に違う変異のウィルスに感染すると、再感染して心不全など
の重症化する可能性が高くなる。若い人達も死ぬことになる。老人
だけが死ぬわけではない。

ということで、精度を上げた検査機器を導入して、陽性であるなら
軽いうちでも、米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬レムデシ
ビル▽米アッヴィの抗HIV薬「カレトラ」(一般名・ロピナビル/リ
トナビル)▽富士フイルム富山化学の抗インフルエンザウイルス薬
「アビガン」で治療して、抗体を極力作らないように治すしかない。

中国では、抗マラリア薬「リン酸クロロキン」も有効であるという。

このウィルスは、HIVと同様な増殖用のハサミを持っているので、
このハサミを封鎖するカレドラとレムデシビルが有効だという。
しかし、このウィルスは、HIVのリンパ球不全のような病状はないの
で、HIVの免疫異常とは違う。
アビガンは、RNAの複製を阻害するために、増殖ができなくなる。

要は、上海の藤田医師が言うように「早期発見、早期治療と隔離」
が必要だというが、その方向に日本もやっと、行けることになった
ようだ。

そして、なるべく早く、医療体制を整える必要がある。上海では、
発熱外来が110ケ所もあり、近くにあるという。ここで検査して、陽
性であれば治療と隔離を行うようだ。

このウィルスに移される場所は、閉空間で、唾や汗の接触する場面
だという。満員電車、スポーツジム、会食などが一番危ないようで
ある。西武鉄道では、窓開けを言い始めた。徐々に、このウィルス
の性格が分かり、対応方法も見えてきたようだ。

ビルでも、空調を使わずに外気を入れて、感染拡大を防ぐことが必
要である。エアゾル感染もありえるということで、注意が必要なの
だ。

一番大きいのが、安倍首相が先頭に立って、指示し始めたことであ
る。危機管理の基本は、リーダーが先頭に立ち、専門家の助言を実
行することである。このコラムの助言の役割も、そろそろ終わりに
なる。専門家が揃えば、このコラムの役割は無くなる。

少し、遅かったが、安倍首相のお友達である小川栄太郎さんが動い
たので、なんとか間に合った可能性がある。

4.評論家の姿勢が問題
アゴラの池田さん、小幡さんなどの学者や評論家が、インフルエン
ザより軽い新型肺炎ウィルスを大事にするなと問題提起しているが
、それが問題なのです。

このウィルスの性格がわからない間は、危機管理上、一番怖い状態
を想定して、行動をする必要があり、その楽観的な評論で、多くの
人たちが、影響を受けている。

読者が、怖がることはないし、罹っても軽いのに、大事にしている
と言っているのを聞くと、楽観的な評論家は、敵のウィルスに、塩
を送っているような雰囲気である。

そして、政府が打ち出す過剰と思える方針にも、反対する理由を与
えている。

この場合は、専門家たちの判断が出るまでは、評論家は楽観論を封
印しておくことである。その専門家でも間違えている。岩田教授の
検査をしない方が良いというのは、このウィルスの性格が見えてい
ないからである。武漢の状況と日本の状況の差が何かを見ないと、
専門家でも間違えるようだ。

どちらにしても、日本が武漢になるのかどうかは、この2週間で決
まるはずだ。

5.中東戦争
一方、中東では、シリアとトルコの戦争が拡大する感じである。ア
フガンから米国は撤退するが、ロシアがトルコとシリアの仲裁をす
るというが、ロシアは仲裁ができない可能性もあり、新型肺炎ウィ
ルスの感染拡大と同時に、中東戦争の心配もする必要があるようだ。

トルコは、NATO国であり、米軍もその裏にいる。嫌な感じになって
いる。経済がおかしくなると、戦争に国民の目を持っていく事が多
い。

疾病と戦争が同時並列に進んでいる。

さあ、どうなりますか?



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