独ショイブレ財務相は、ギリシャの急進左派連合(SYRIZA) に対し、大規模な改革をしなくてもユーロ圏に残れると1月の総選 挙で約束して有権者を欺いたと非難した。 最初から、独ショイブレ財務相はギリシャとの協議で妥協するつも りがない。もし、妥協するとギリシャと同じような主張の政党が、 南欧諸国で出てきて、収拾がつかなくなる。 このため、今までの条件を守らせるしかないというのが、独ショイ ブレ財務相の主張である。このジョイブレ財務省の主張を欧州連合 (EU)や国際通貨基金(IMF)は対ギリシャ金融支援で2日、 融資再開の条件となる財政再建の実行案として3日に提示する方向 である。一切の妥協はない。 しかし、ギリシャのチプラス首相は、そういうわけにはいかない。 欧州連合(EU)当局者との会談を終えたギリシャのチプラス首相 は4日未明、債権団との合意が「視野に入った」と強調、5日が期 限の国際通貨基金(IMF)への融資返済についても、支払いを行 うと述べた。 欧州委員会も「それぞれの立場への理解が進んだ」としているが、 債権団が支援実施の条件として要求している社会保障の削減や増税 に関しては、ギリシャ政府はなお拒否。双方の溝は埋まっていない ようだ。 ギリシャ与党の議会幹部は、債権団との合意が近くまとまるとの見 通しがない場合、6月5日の国際通貨基金(IMF)への返済を行 わないと述べた。 ギリシャの与党関係者は4日、債権団の求める改革案が受け入れら れないものである場合や財政を破綻させかねないものである場合、 総選挙に踏み切ると言明した。 ということで、総選挙後、チプラス氏が首相になっても、妥協でき ずにユーロ離脱の可能性も出てきた。といより、総選挙後、チプラ ス氏が首相でない可能性が高い。最終局面まで来た。 さあ、どうなりますか? ============================== ギリシャ支援条件、欧州委・ECB・IMFが合意 2015年06月03日(水)04時18分 [ブリュッセル 2日 ロイター] - 欧州委員会、欧州中央銀行 (ECB)、国際通貨基金(IMF)は2日、ギリシャ政府に対し て提示する支援策の条件で合意した。欧州連合(EU)高官が明ら かにした。 独仏首脳は前日、難航するギリシャ支援協議の決着を目指し、欧州 委とECB、IMFの各トップを招き緊急会合を開催。債権団内の 意見の相違を克服し、合意に導くよう圧力をかけていた。 ギリシャのチプラス政権が債権団の提案を受け入れるかどうかは不明。 ============================== ギリシャ、債権団との合意見通しなければ5日のIMFへの返済行わ ず=与党幹部 2015年 06月 3日 17:10 JST [アテネ 3日 ロイター] - ギリシャ与党の議会幹部は、債権 団との合意が近くまとまるとの見通しがない場合、6月5日の国際 通貨基金(IMF)への返済を行わないと述べた。 ノコス・フィリス議員はテレビ放送で「正確にいつまでかは分から ないが、5日あるいは8日までに合意できるとの見通しがなければ 、返済しない」と述べた。 与党のディミトリス・パパディモーリス欧州議会議員はテレビで、 政府が提示した47ページにわたる提案について、3日のユーロ圏 財務相次官級協議のたたき台になるとし、「ギリシャ政府や首相の ように債権団も現実的になれば、5日までの基本合意が可能だ」と 述べた。 その上で、基本合意すれば来週には包括合意も可能だが「現時点で は合意はない」と述べた。 ============================== ギリシャ首相、欧州委員長と3日に協議=政府高官 2015年 06月 3日 07:35 JST [アテネ/ブリュッセル 2日 ロイター] - ギリシャ政府高官が 2日明らかにしたところによると、ギリシャのチプラス首相は3日 にブリュッセルで、ユンケル欧州委員長と協議する。この政府高官 は、ユンケル委員長から協議の要請があったとし、チプラス首相は 金融支援めぐりギリシャ側の案を提示する計画だと語った。 これより先に欧州連合(EU)高官が明らかにしたところによると 、欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF) は2日、ギリシャ政府に対して提示する支援策の条件で合意した。 この政府高官は「この案は全ての主要政策分野をカバーしており、 ここ数週間の協議を反映している。明日、チプラス首相とこの案を 協議する」と語った。 また別の政府高官は、メルケル独首相とオランド仏大統領が数時間 以内に電話でこの計画をチプラス首相に伝え、同首相に受け入れを 求めると述べた。 ============================== ギリシャ財政再建の実行案提示へ EU、5日までの合意求める 【パリ共同】欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)は対ギ リシャ金融支援で2日、融資再開の条件となる財政再建の実行案を 3日に提示する方向で調整に入った。5日までの合意をギリシャ側 に求める方針で、EUなどとギリシャの協議は大詰めを迎えた。英 紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)などが伝えた。 ギリシャ側は1日、新たな財政再建案を提出。EUなどが求める 年金改革の新提案も含まれていたとされる。ただ、双方の意見対立 は依然として残っているという。 2015/06/03 10:23 【共同通信】 ============================== ギリシャ、のめない要求突きつけられれば総選挙行う=与党関係者 2015年06月04日(木)07時58分 [アテネ 4日 ロイター] - ギリシャの与党関係者は4日、債権 団の求める改革案が受け入れられないものである場合や財政を破綻 させかねないものである場合、総選挙に踏み切ると言明した。 与党報道官のニコス・フィリス氏はメガテレビの番組で「仮に最終 通告を受け入れるよう要求された場合、受諾せず国民に意思表示を 求めることは確実だ」と述べ、選挙を実施する方針を示した。 ============================== ギリシャ与党、総選挙で「改革不要」と訴え国民欺いた=独財務相 2015年 06月 3日 19:21 JST [ベルリン 3日 ロイター] - ドイツのショイブレ財務相はギリ シャの急進左派連合(SYRIZA)に対し、大規模な改革をしな くてもユーロ圏に残れると1月の総選挙で約束して有権者を欺いた と非難した。3日に発行された週刊誌ビルトシャフツボッヘの取材 に答えた。 ショイブレ財務相はインタビューで「欧州は相互の信頼に根ざして いる。加盟国は道理にかなった活動をすべきだ。そのため、ギリシ ャと現在行っている協議は非常に疲れる」と発言。「ギリシャには 大規模な改革努力が必要であるにもかかわらず、直近の総選挙で左 派連合は、ユーロ圏に残るにはそのような必要はないと有権者に信 じさせることで勝利した」「彼らは恐らく、そのような約束をすべ きではなかった」と述べ、ギリシャは自分の足で立つべきだと改め て強調した。 ============================== ギリシャ支援協議、チプラス首相は「進展」強調 合意にはなお溝 2015年06月04日(木)13時03分 [ブリュッセル/アテネ 4日 ロイター] - 欧州連合(EU)当 局者との会談を終えたギリシャのチプラス首相は4日未明、債権団 との合意が「視野に入った」と強調、5日が期限の国際通貨基金( IMF)への融資返済についても、支払いを行うと述べた。 欧州委員会も「それぞれの立場への理解が進んだ」としているが、 債権団が支援実施の条件として要求している社会保障の削減や増税 に関しては、ギリシャ政府はなお拒否。双方の溝は埋まっていない ようだ。 3日の協議には、ユンケル欧州委員長、ユーログループのデイセル ブルム議長が出席。協議は向こう数日以内にも再び開催される見通 し。 ギリシャの資金枯渇までまさに秒読みとなるなか、債権団はギリシ ャに要求する黒字目標を引き下げるなど、妥協の姿勢を示している。 一方、財政緊縮の停止を公約に総選挙で勝利したチプラス政権は、 債権団に安易に屈するわけにはいかないという事情がある。与党報 道官のニコス・フィリス氏は地元テレビで「最終通告」にはサイン しないと強調。飲めない要求を突き付けられた場合には総選挙を行 うと述べた。 <ギリシャ、社会保障削減や増税にはなお抵抗> ギリシャのチプラス首相は会談後「合意が近いと確信している」と 述べる一方で「現実的な視点での協議妥結が必要だ」ともけん制し た。 債権団がプライマリーバランスの黒字目標を引き下げたことについ ては「プライマリーバランスでは合意が極めて近い。過去の厳しい 緊縮策は行わないことで、関係者全員が合意したということだ」と 述べた。 しかし、チプラス首相は、低所得の年金受給者向けの補助金削減や 、増税につながる付加価値税の改定については、なお抵抗している。 今週は、債権団が妥協を示したほか、ギリシャ政府が新たな財政再 建案を提示するなど、一定の前進があったと言えそうだ。ただショ イブレ独財務相は新たなギリシャ案について「内容に決定的な変化 はない」と一蹴。支援協議の合意にはまだ時間がかかるとの認識を 示している。 <債権団、プライマリーバランスで妥協も> 関係筋によると、債権団は、ギリシャのプライマリーバランスの黒 字について、今年は対国内総生産(GDP)比1%、来年は同2% を目標とする案を提示。現行案ではぞれぞれ3%、4.5%となっ ている。 ギリシャは、今年0.8%、来年1.5%を主張しているという。 黒字目標の差は縮小しているが、目標を達成する手段については、 未解決の問題が山積。年金問題などでは歩み寄りの姿勢は見られな い。