日本経済の転換点がまたやってきた。量的緩和を行い、円安にして かつ原油価格が下落したので交易条件が断然有利になったのに、輸 出量が増えない。 工場の日本回帰は起こっていないことを明らかにした。日本市場は 人口減少と労働人口の減少から市場が縮小している。このため、日 本で製造しても輸出することになるが、その製造に関わる人手が不 足で日本での工場増築の計画を立てられない。 名古屋地域から自動車・航空機以外の工場が、日本では富山など北 陸や東南アジアに工場を移している。それほど、労働人口が減少し て必要な人手を集められなくなってきたのである。一時とは違う感 じである。 ということで、中国から東南アジアに工場を移す動きが盛んになっ ている。しかし、日本は人手不足ということで労働賃金は上昇して いる。 しかし、年金生活者は一定の生活費であるために、円安による物価 上昇で、外食を控えたり出費を控えることになる。このため、全体 の消費支出が減っている。このため、全国消費者物価指数CPI(除く 生鮮食料品)は前年比2%上昇した。ただし消費税引き上げの影響 が2%と推定されるので、実質的なCPIの上昇率はゼロだった。 このように、再度デフレが日本に来たというのである。しかし、JP モルガンの分析では賃金上昇を伴っているので「日本が良いデフレ に陥った」という。 しかし、これにより、一層日本の国内市場が縮小してきている。経 済産業省が30日発表した2月鉱工業生産指数速報は、1月の高い 伸びの反動減により前月比3.4%低下となった。 そして、毎月実施されているJNN世論調査の一項目、「“アベノミク ス”の評価は?」を直近3ヶ月の推移で見てみますと、「評価する」 が44%→41%→40%、「評価しない」が45%→49%→50%と、その 評価は若干厳しくなってきているのである。 しかし、どうも世界全体の景気は下がっている。特に世界貿易量の トップである中国の景気が大きく下降していることで、世界的な景 気落ち込みの状態である。それが世界の鉱物資源を運ぶ船荷の価格 を表すバルチック係数の下落でわかる。 このため、鉱山等への産業機械も売れなくなり、特に米国はFRBが日 欧などとは逆行する金融引き締めを行うというのでドル高にシフト して、キャタビラーがコマツとの競争で劣勢になり、FRBも公定歩合 の上昇を先延ばしにしている。 日本の輸出が伸びない理由も世界的な需要が落ちているからでもあ るようだ。世界的な経済的な下落から戦争にシフトする可能性も出 てきた。 経済的な困窮で、ナシュナリズムを高揚して、不満を外国に押し付 ける方向を独裁国はする場合が多い。サウジがイエメンのフーシ派 との戦争に踏み切るのも、その感覚があると見る。そして、シーア 派との宗教戦争にすると、これが大きくなるような気がする。 ギリシャも同様な状態になってきた。経済的困窮からナショナリズ ムを掻き立てて、ユーロ圏に対抗する可能性がある。バルカン半島 が再度、不安定化する可能性もある。 日本、世界の状態が、1929年から続く経済的な困窮から戦争に なった1945年の経過と同様な過程にあるような嫌な雰囲気を感 じている。 さあ、どうなりますか? ============================== JPモルガン「日本は良いデフレに陥った」=韓国ネット Record China 3月31日(火)7時40分配信 2015年3月29日、韓国・聯合ニュースによると、日本経済の重要な指 標は相変わらずだが、ウォール街の一角で、「日本が良いデフレに 陥った」という分析が出ている。 BBCは27日、JPモルガンの分析を引用し、日本の消費者物価指数 (CPI)が1年前と同じ水準にとどまっていると指摘した。日本は昨 年第4四半期、指標上は低迷から抜け出したが、家計や企業の支出は まだ脆弱さを示しているとしている。 CPIの不振はさらなる景気浮揚を圧迫する要因となるが、日本の銀行 では「今年の下半期までは動かないだろう」という観測が支配的。 これは、日本の銀行の指導部がすでにインフレ鈍化を予想している からだという。JPモルガンのリサーチ責任者は、このように指標が 交錯するのは「日本が良いデフレに陥ったことを示している」と語 った。物価は停滞しているが、賃金は増加傾向にあると強調。「昨 年(実質)賃金が1%ほど上がった」とし「今年の春闘の状況を見る と、上昇幅が約2%に拡大する見通し」と述べた。したがって、「今 年は、労働者のポケットがより分厚くなるだろう」とし、「これは 家計の需要が回復することを予告している青信号」と付け加えた。 ============================== 1─3月鉱工業生産は2期連続上昇見込み、自動車の在庫調整で加速感 出ず 2015年 03月 30日 11:37 JST [東京 30日 ロイター] - 経済産業省が30日発表した2月鉱 工業生産指数速報は、1月の高い伸びの反動減により前月比3.4 %低下となった。事前予測の同1.8%低下を下回った。 一般機械や電子部品など加工型業種がけん引して緩やかな回復とな っている。先行きの生産予測によれば、1─3月の生産は10─12 月に続き2四半期連続で上昇が見込まれるという。しかし、ウエー トの大きい輸送機械の生産に勢いが出ていない。3月予測指数も下 方修正となった。 2月の生産低下の主因は、一般機械類が1月の高い伸びの反動で低 下したことに加え、輸送用機械が在庫積み上がりで生産抑制を余儀 なくされていること、電子部品・デバイスが春節前の出荷の反動で 低下したことの3点。 出荷も生産と同様の業種を中心に、前月比3.4%低下、在庫は同 0.5%上昇した。 とはいえ、ならしてみれば、生産の3カ月移動平均は前月比0.3 %上昇と、6カ月連続で上昇。昨夏から緩やかながらも生産の持ち 直しが続いている。輸出向け出荷の回復に続き、昨年11月からは 加工型業種で国内向け出荷が全体の先導役となった。特に、一般機 械や電子部品・デバイスでは、生産水準がリーマンショック以降で は最も高い水準にまで回復している。 ただし、自動車については在庫がはけず、生産が抑制傾向となって いる。1月には新車期待もあり増産したものの、販売が伸び悩んだ 面もあるという。経済産業省では、輸送機械の生産水準は昨年の駆 け込み需要期や前回の景気循環の「山」に比べると低いとしており 、一般機械や電子部品ほどの勢いには至っていない。 先行きの生産を占う生産予測指数は3月が前月比2%低下、4月が 同3.6%の上昇となった。3月は、一般機械の受注の先送りや輸 送用機械の在庫調整により生産低下が続くほか、電気機械も落ち込 む。4月は新年度入りもあり、再び増産の計画となっている。先行 きの生産予測によると、1─3月の生産は前期比1.1%上昇し、 10─12月に続き2四半期連続で上昇が見込まれるという。 経済産業省は生産の基調判断を「緩やかな持ち直しの動きがみられ る」として据え置いた。 市場関係者からは、「輸出の増加を起点とした生産増、企業収益の 改善は国内設備投資需要を喚起するとみられ、資本財需要への波及 も期待できるだろう。家計の所得環境の改善も追い風となり、消費 財の需要も持ち直しが続くとみられる。生産は増加基調が続く見込 み」(大和総研チーフエコノミスト熊谷亮丸氏)との明るい見通し の声もある。 一方で、「輸出は持ち直しつつあるものの、個人消費を中心とした 国内需要の回復力が弱いことが在庫調整の進捗ペースの鈍さにつな がっていると考えられる。消費税率引き上げから約1年が経過した が、依然として在庫調整圧力が残っていることから、生産の回復ペ ースは当面緩やかにとどまる」(ニッセイ基礎研・経済調査室長・ 斉藤太郎氏)と、加速感は出にくいとの指摘もある。 (中川泉 編集:橋本俊樹) ============================== 日本の2015年国民総所得(GNI:Gross National Income)は3%の 高成長になる 竹中正治2015年03月29日 11:20BLOGOS 昨年第4四半期からの原油価格の急落など海外からの資源・エネルギ ー輸入価格の大幅下落、これにより2015年の日本経済はかなり押し 上げられるはず・・・・これはまともなエコノミストはみなわかっ ていることだ。 わたしも「まもとなエコノミスト」のつもりなの で、この点を解説しておこうか。 交易条件が改善し始めた まず一国の交易条件とは? 交易条件=輸出物価指数/輸入物価指数 輸出価格が相対的に上昇して、反対に輸入価格が下がるなら、一国 の経済にとって所得の増加となることは明らかだろう。 ミクロで はある企業の販売する商品の価格が上昇して、反対に仕入れ価格が 下落するなら、交易条件は改善し、企業収益が増える。逆なら交易 条件は悪化し、企業収益は減る。 以下の掲載図上段は、日銀データによる輸出物価、輸入物価、交易 条件の推移だ(2015年2月まで)。 2004年頃から日本の交易条件が 悪化(低下)、リーマンショック後の世界不況で資源価格がいった ん暴落し、交易条件は改善するが(ただし輸出価格も急落)、その 後はまた悪化を続けた。 大雑把には、この背景には中国を中心にした資源爆食による資源価 格(日本の輸入)の高騰があり、一方、家電製品を含む工業製品( 日本の輸出)は新興国の輸出の台頭、それとの競合で価格下落の一 途を辿ったからだ言えるだろう。 ところがグラフが示す通り、昨年第4四半期から、原油価格の急落で ようやく交易条件の目立った改善(上昇)が起こった。直近の今年2 月のデータでは交易条件は昨年第4四半期平均比10.4%も改善してい る。原油価格が実際の輸入価格に反映されるタイムラグを考慮する と、この改善傾向は足元でも継続していると見ていいだろう。 交易条件の変化はマクロ経済データのどこに顕れるか? 交易条件と交易利得の変化を示したのが、上から2番めの図だ。 2004年までは交易利得だったが、2005年から交易損失になっている。 この図は四半期データだが実質実額は年換算で表示されており、最 近では年間20兆円も日本は交易損失を被ってきたわけだ。 この図の交易条件は2014年10−12月期までのものであり(内閣府に よる国民経済計算データ)、上段の図で見た日銀データの交易条件 が2015年1月〜2月に急速に上昇している部分は含まれていないこと に注意していただきたい。 では、交易条件の改善はマクロ経済データのどこに顕れるか? そ れを理解するためには、GDP、GDI、GNI について理解しておく必要 がある。 実質GDP:実質国内総生産 一年間に国内で生産される付加価値の実 質総額 実質GDI:実質国内総所得 GDPから交易条件の変化で生じる交易利 得(あるいは損失)を加減したもの 実質GNI:実質国民総所得 上記GDI に対外的な所得(主に配当と利 息)の受取と支払のネット(つまり国際収支上の所得収支)を加え たもの (昔はこれがGNPと呼ばれていた) つまり交易条件の変化による交易利得(あるいは損失)はGDPには現 れず、GDIとGNI に含まれる。 そこで、2000年以降の3つの実質実額推移を示したのが、3番目の 図だ。 黄色のGDI が青色のGDPよりも下ぶれした水準で2005年以降推移して いるのは、上記の通り交易損失の発生による。また近年の赤色のGNI がGDPに近い水準で推移しているのは、GNI=GDI+所得収支であり、日 本の所得収支は最近では年間20兆円近くのプラスになっているからだ。 大雑把に言って、近年の日本は所得収支の黒字年間約20兆円分を、 やはり年間約20兆円規模のの交易損失で失っている状態だった。 ところが上記の通り、いよいよ交易条件が急速に改善し始めた。私 の計算では交易条件10ポイントの変化で年間7.7兆円 交易利得が変 化する。 2014年の3ポイントの消費税率引き上げで消費者が政府に 徴収された税額が1年間で約6兆円余り(6兆円の実質所得の減少)だ から、7.7兆円の実質所得の増加はそれを上回る。 既に日銀データによる2月の交易条件は昨年10−12月期より9.2ポイン ト(比率では10.4%)改善している。 原油価格の下落などが実際の 輸入価格に反映されるまでのタイムラグを考えると、足元でも改善傾 向が持続しているだろう。もし年間で20ポイントの改善が生じれば、 年間の交易利得は15.4兆円プラスに変化することになる。 ============================== 2月のCPIはゼロ、日銀バズーカ砲は不発?〜アベノミクスは失敗? 沢利之2015年03月28日 08:56BLOGOS 総務省が昨日(3月27日)に発表した全国消費者物価指数CPI(除く生 鮮食料品)は前年比2%上昇した。ただし消費税引き上げの影響が2 %と推定されるので、実質的なCPIの上昇率はゼロだった。これは黒 田総裁が日銀総裁になって以降最低のレベルだった。 WSJはHas Japan's "Big Bazooka" Misfired? Japan's Zero Inflation a Setback for Abenomics(日本のバズーカ砲(日銀の量的・質的緩 和)は不発?ゼロインフレはアベノミクスの失敗)という記事で、 アベノミクスの前に立ちはだかる困難さを解説していた。 こういうエントリーを書くと、一部の読者から「あなたはWSJの言っ ていることを鵜呑みにするのか?アベノミクスに反対なのか?」と いう短絡的なコメントが来ることが予想される。あらかじめ断って おくと私はWSJを鵜呑みにしている訳ではないし、単純にアベノミク スに反対している訳でもない。ただ多くの海外のビジネスパースン や投資家が目を通すWSJがこのような見方を示していることを理解し ておく必要はあると考えている。また日銀の金融政策がそろそろ限 界にきていることも事実だと考えている。 下のグラフは日銀・米連銀・欧州中央銀行・イングランド銀行の資 産購入額をGDP対比で較べたグラフだ。 これを見ると日銀の国債等資産購入額は、他の中央銀行に較べて突 出していることが分る。 昨日米連銀のイエレン議長はサンフランシスコ連銀の政策カンファ レンスで「連銀はインフレと賃金が正常な状態に戻っている前でも 、今年の後半には金利引上げに動く可能性がある」と発言した。こ の発言自体は目新しいものではないが、連銀の行き過ぎた金融緩和 を是正しようという思いが伝わってくる。米連銀が政策金利をゼロ に引き下げたのは、2008年12月だから、仮に今年の後半に金利を引 き上げたとしても、正常化に7年の年月を要することになる。 この年数を日本に当てはめると、日本の金融政策が正常に戻るのに は気が遠くなるほどの年月を要する気がする。 この巨大バズーカ砲と言われる超金融緩和策が実態経済に与えるプ ラス効果はどの程度なのか即断は難しい。 日銀が超金融緩和策を取って、7四半期が過ぎたがその間のGDP成長 率はたったの約0.2%だった。ただし「金融緩和がなかったらどうな っていたか」という比較を行わないと、政策の是非を判断できない だろう。 一方金融政策の恩恵を顕著に受けているのは株式市場だ。昨年秋か らGPIFはポートフォリオの見直しを行い、日本国債の比率を下げ、 日本株・外国株へのアロケーションを増やしている。GPIFが売却す る国債の受け皿に日銀がなっている。つまり政府・中央銀行一体と なって株高政策を推進しているのである。この点についていうとア ベノミクスは成功している。 だが株高・円安で恩恵を受ける個人や企業は限られている。株高で 富裕層が消費を増やし、その効果が経済全体に波及していくという 仮説を「トリクルダウン理論」というそうだが、現実には株高効果 はまだ消費増には及んでいない。2月の家計消費は前年同月に比べて 2.9%減少(13か月連続で減少)した。 日銀の超金融緩和策が、株式等のリスク資産を保有する層と保有し ない層に中立的に働いていないことは事実だ。 ゼロインフレとはいうが、ものを買うとき消費税分だけ消費者が払 う金額が増えていることは事実。つまり消費者にとって2%ものやサ ービスが値上がりしたことは間違いない。だから消費者は財布の紐 を緩めないのである。 消費税引き上げ効果を除いて物価上昇率はゼロ、というのは生産者 の論理であって、消費者にとっては物価上昇率は2%なのである。 物価上昇は年金を生活原資とする高齢層を直撃する。このあたりの 話は近著「インフレ時代の生活設計術」(アマゾンKindle版)で詳 しく説明した。ついでにいうと、政府が何を言おうと私は今後消費 税を持続的に欧州諸国レベルまで引き上げる必要があると判断して いる。つまり消費者にとって2%の物価上昇は序曲に過ぎないだろ う。 以上のようなことから、今後日銀が追加緩和を行っても、実体経済 を改善する効果は限界的でむしろ正常化への道のりを遠のける弊害 の方が大きいという意見に私は傾いている。 ただしこのことはアベノミクスの失敗にはつながらないだろう。む しろ金融緩和策の限界を見極めて、構造改革を加速することがポイ ントだ。ただし構造改革には時間がかかる。賃上げが消費に結びつ く、あるいは企業のガバナンス改善が業績向上に結びつく、女性の 登用などということには時間がかかる。もうしばらく我々はpatient (辛抱強く)であるべきなのだろう。ただし我慢するには、政治家 の強いコミットメントと明快な説明が必要だが。 ============================== 「安倍ノミクス」と日本経済 北尾 吉孝 2015年03月27日18:11agora 毎月実施されているJNN世論調査の一項目、「“アベノミクス”の評 価は?」を直近3ヶ月の推移で見てみますと、「評価する」が44%→ 41%→40%、「評価しない」が45%→49%→50%と、その評価は若 干厳しくなってきています。 私自身は此のアベノミクスは、日本経済をデフレから脱却(まだ完 全脱却とまでは行かないにしても)せしめるという点では一定の成 果が上がったというふうに言えるものと、評価して良いのではない かと思っています。 例えば、元経産次官の北畑隆生氏なども「第1の矢と第2の矢は、鮮 やかに円安と企業収益の改善をもたらし、デフレ脱却もほぼ実現し た」と評しているようですが、デフレ(…消費者物価などの一般物 価が持続的に下落を続ける現象)からの完全なる脱却を早期に実現 すべく、今後も日本経済の最優先課題として取り組んで行かねばな りません。 そして消費・設備投資等の回復が見られること、取り分け「日本の 企業数の99%以上、就業者の約7割を占める」中小企業の生産・業績 ・設備投資といったものが回復して行くことや、地方経済にまで経 済回復の恩恵が齎されることが望まれます。 昨年11月、安倍首相は「平成29年4月には確実に10%へ消費税を引き 上げるということ」を約束して突然の解散総選挙で以て消費再増税 延期という難事を成し遂げ、先日も「10%までは消費税を引き上げ ていくが、それ以上の消費税の引き上げで税収を増やすことは考え ていない」と衆院財務金融委員会で述べたようですが、私はその時 の経済状況次第では「確実に10%へ」引き上げなくても良いとさえ 思っています。 日本経済の景況感は「雇用環境の改善や、株価上昇による資産効果 に加え、訪日外国人旅行客による好調なインバウンド需要」等の複 合的要因で消費増税実施以降に悪化した水準より改善の兆しを示し ており、また例えば「輸出物価を輸入物価で割った交易条件は(中 略)過去4カ月間について見れば、リーマンショック時の特殊な時期 を除くと1991年以来の急速な改善ペースを示してい」ます。 但し、日銀のアセットが膨んでいるだけの状況が続く中で日本経済 が良くなるというようなことは何時までも続かないとは以前にも指 摘した通りであって、アベノミクスを成就すべく第三の矢すなわち 構造改革を通じた成長戦略が完遂出来ねば、近い将来異次元緩和の 後遺症ばかりが出てきて日本経済は大変な副作用に悩まされること になるでしょう。 現況を見るに、残念ながら第三の矢は未だ以て殆ど何もスタートし ていないと言えなくもないような状況ですが、此の三本目がこのま ま足踏みし続けるようであれば、時間の問題で日本経済は本当に可 笑しくなるのではないかと心配しています。