ロシアが一部部隊をウクライナ国境から撤退させた。しかし、ロシ アは、ロシアの影響範囲を残そうと、ウクライナの連邦制を主張し 、また、トランスニストリア(モルドバ東部の沿ドニエストル)も ロシアに併合するという。民族自決の原則であり、そこの住民投票 でロシア帰属を希望している。 欧米はクリミアからもロシア軍は撤退し、ウクライナとの交渉をし ろというし、トランスニストリアのロシア併合は認めないという。 しかし、ロシアのメドベージェフ首相は31日、シュワロフ第1副 首相やクリミア問題を担当するコザク副首相ら主要閣僚とともにク リミアを訪問して、クリミアの実効支配を加速している。 このように、まだ米露は主張には隔たりがあり、ケリー米国務長官 とロシアのラブロフ外相は30日夜(日本時間31日未明)、パリ 市内で4時間にわたって会談し、ウクライナ問題の事態収拾策を協 議した。 外交解決を目指すことで一致したが、ウクライナ東部との国境近く に集結している数万人規模のロシア部隊の撤収などを含め、具体的 な合意は見いだせなかった。当分、両国は睨み合いを続けることに なる。 米国は、一層の制裁を準備しているが、欧州はこれ以上の制裁には 消極的であり、日本はそれ以上に消極的である。 しかし、米オバマ大統領への警告にはなっている。米国が軍事的に 世界の警察を止めると、世界は不安定になるということが身にしみ たはずである。 米国内の一番の孤立主義者であるランド・ポール共和党上院議員も 同様である。 決着のポイントは、ロシア経済を弱めるのに、欧州や日本がどこま で協力するかであり、米国はロシア制裁の強化でシェール・ガスの 輸出価格をロシアからのガス価格と同程度にできるかどうかになる。 もし、米国が本気であれば、ロシアは半年後には経済的な苦境で手 を挙げるか、手を上げるになる。 さあ、どうなりますか? ============================== 米国:露軍のウクライナ国境撤退、一定の評価 毎日新聞 2014年04月01日 東京夕刊 【ワシントン和田浩明】カーニー米大統領報道官は31日の定例 記者会見で、ロシアがウクライナ東部国境から一部部隊を撤退させ たとの情報について、「確認していないが、事実なら肯定的な兆候 だ」と述べ、緊張緩和に向けた動きとして一定の評価を与えた。 一方で、撤退は「なされるべき事柄の始まりに過ぎない」とも指 摘。ロシアの政府が展開した軍部隊を今回の危機以前の状態に戻し 外交的解決に向け国際仲介のもとウクライナ政府と直接交渉するよ う、改めて要求した。 ============================== ロ独首脳がウクライナ安定化を協議、ロシアは国境沿いから一部部 隊撤収 2014年 04月 1日 02:18 JST [モスクワ/ベルリン 31日 ロイター] - ロシアのプーチン大 統領は31日、ドイツのメルケル首相と電話会談を行い、ウクライ ナとの国境沿いに配備した部隊の一部撤収を命令したことを伝えた。 独首相府が明らかにした。 ザイベルト報道官は声明で、「プーチン大統領はウクライナとの国 境地帯からの一部部隊の撤収を命令したことをメルケル首相に伝え た」と表明。 そのうえで「両首脳は、ウクライナとトランスニストリア(モルド バ東部の沿ドニエストル)の安定化に向けた措置についても協議し た」とした。 またロシア大統領府によると、両首脳はウクライナの安定化に向け 、ロシアと西側諸国が支援できることについて協議。プーチン大統 領はメルケル首相に対し、ウクライナのすべての地域の利益が守ら れるよう、同国は憲法を改革する必要があるとの考えを示した。 大統領府は、両首脳はウクライナの「安定回復に向けた国際支援の 機会」について意見を交換したとしているが、これ以上の詳細につ いては明らかにしなかった。 ============================== ロシア クリミアの実効支配を加速 4月1日 6時33分NHK ロシアが編入を宣言したウクライナ南部のクリミアを巡り、プーチ ン大統領は首相や主要閣僚を現地に派遣するとともにクリミアを担 当する省庁を新たに設置し、実効支配を加速させています。 ロシアのメドベージェフ首相は31日、シュワロフ第1副首相やク リミア問題を担当するコザク副首相ら主要閣僚とともにクリミアを 訪れました。 このうち、中心都市シンフェロポリで開かれた会議でメドベージェ フ首相は、地元行政府や議会の代表に対し、年金を引き上げたり、 企業への税金を一部免除する経済特区を設けたりして、ロシア政府 が全面的にクリミアを支援する考えを強調しました。 ============================== 米ロ外相、具体策合意できず=緊張緩和へ協議−近く再会談・ウク ライナ問題 【パリ時事】フランス訪問中のケリー米国務長官とロシアのラブ ロフ外相は30日夜(日本時間31日未明)、パリ市内で4時間に わたって会談し、ウクライナ問題の事態収拾策を協議した。外交解 決を目指すことで一致したが、ウクライナ東部との国境近くに集結 している数万人規模のロシア部隊の撤収などを含め、具体的な合意 は見いだせなかった。 長官は会談後の記者会見で、米国はロシアによるクリミア編入を 「依然として非合法と見なしている」と強調。ラブロフ外相に対し 、ウクライナ国境沿いへのロシア部隊集結に「強い懸念」を表明し 、撤収を求めたことを明らかにした。 また、ロシア系住民が多いウクライナ東部の自治拡大を狙い、ロ シアがウクライナ憲法の改正を通じた「連邦制」の導入を要求して いることについて、「最終的にウクライナ政府が決断する」と主張。 米国はウクライナの正統な政府の同意がない改変は受け入れないと 明言した。 一方、ラブロフ外相は記者団に対し、長官との会談について、合 意はないものの「建設的だった」と述べた。その上で、ウクライナ に「連邦制」を導入することが問題解決のカギになると訴えた。 (2014/03/31-11:56)