円の最適な範囲は、石破さんによると85〜90円/ドルであるという。 私は100円/ドルまでの円安はOKと見る。円安を範囲で考えているの で、石破さんは流石である。 しかし、それ以上の円安になった時の対応策を考えていないと、石 油とLNG、小麦、大豆などの輸入品の値上がりで、悪性インフレにな り、国民生活は大変なことになる。 その引き金が日本国債の長期金利上昇で起こると見る。金融政策は 短期金利を引き下げるが、長期金利はその分上昇しやすくなる。 このため、長期的な対策は政府が規制緩和、新しい産業育成などの 雇用の増大をしないと無理である。 短期的には、公共事業なども有効であるが、これも長続きしない。 安倍次期首相の対応を見ると、目先の円安を強力に目指しているよ うに見えるが、過度な円安への対応方法を模索していかないと、悪 性インフレになり、参議院選挙まで政権が持たない可能性出てくる。 日本のような先進国で複雑な問題を抱えた国家では、中庸が重要で ある。極端な政策には極端な結果を呼び、そのことで国民の支持を 失う可能性がある。 ターゲット目標を範囲で捉えて、金融政策の限界を明確に意識して 政権を運営して欲しいものである。 そうしないと、今以上に困難な状況に日本を追いやることになる。 金融政策を否定していないし、日銀に目標を持ってもらいことは、 必要であるが、金融政策だけではできないこともあることを、認識 して欲しいだけである。 さあ、どうなりますか? ============================== 安倍氏、物価目標導入へ“ダメ押し”発言 日銀に強く「結果」求める 2012.12.23 22:08 sankei 安倍晋三自民党総裁が23日の民放番組で、日銀法改正を示唆し て物価目標導入を迫り、金融政策への関与を強める姿勢を示した。 政府と日銀の政策協定(アコード)についても、目標が未達の際に は日銀の責任を問う考えを表明。日銀に雇用拡大への責任を負わせ る考えも示し、日銀に「結果」を出すことを改めて迫った。 日銀はすでに物価目標の検討に乗り出している。この日の安倍発 言は、日銀にとって導入に向けて“ダメ押し”ともいえる発言だ。 市場では「金融緩和の強化はデフレ脱却の必要条件」(大手生保) と、安倍氏が演出する日銀との協調態勢に期待する声がある。 ただ、「中央銀行に負担を掛ける方向に寄りすぎ」(大手銀行幹 部)など、安倍氏の発言が日銀の独立性を脅かす懸念も出始めた。 日銀の独立性が脅かされれば、「政府の言いなりになって、財源と して発行される国債を購入(財政ファイナンス)している」と市場 で受け止められる恐れがある。そうなれば、巨額の借金を抱えた財 政に対する信頼も失われ、景気が低迷している中で金利が上昇する 懸念もある。 一方、安倍氏は金融政策の評価と責任の取り方にも一石を投じた 。安倍氏はこの日、物価目標を設ける政府とのアコードを結ぶ際に 「日銀側に責任が発生するという形」を取りたいとの意向を示した からだ。 物価目標を設定している中央銀行で未達の場合の責任を負うのは 、財務相への書簡での報告義務を総裁に課しているイングランド銀 行など少数。安倍氏は責任の詳細については触れていないが、日銀 に対する説明責任などを想定しているとみられている。 市場では「民間企業は長年成果を出せなければ責任を負う」(外 資系証券)と金融政策の公正な評価システムを構築すべきだとの声 も出ている。ただ「中長期的視点で金融政策を担う日銀に対し、政 治は短期間での効果を優先しやすい」(市場関係者)とみられ、政 府の関与が強まることによる悪影響を懸念する向きもある。 ============================== 自民・石破氏、適度な円相場「85〜90円ぐらい」 2012/12/21 18:46日経 自民党の石破茂幹事長が21日午後、BS朝日番組の収録で、望ま しい為替水準として1ドル=85〜90円を挙げた。衆院選の自民圧勝 を受け、日経平均株価がいったん1万円を回復し、為替も84円台ま で円安・ドル高が進んだが、石破氏は「どうやってこれを長く続け るか、そのためにはどうするかという話だ」と指摘し、デフレ脱却 や円高是正に効果のある政策を打ち出す必要性を示した。 為替相場について「円は安ければ安いほどいいのか、というと日 本の産業構造上、そうではなくて、85円から90円ぐらいにどうやっ て収めるかということを考えなければならない」と強調した。 石破氏は20日朝のテレビ朝日番組でも「適度な為替水準を保って いくことが大事なことだ」と述べ、極端な円安は望ましくないとの 認識を示している。 衆院選で自民党は物価目標2%の設定で政府と日銀が政策協定( アコード)を結ぶことを掲げた。石破氏は21日、同番組の収録で「 物価目標も2%というものをどう維持していくか。ハイパーインフ レというものの懸念は分からないので。ある日突然ぱっと変わるこ とがありうるので、どうやってこれを日銀と協調してやっていくか 」と語り、物価目標設定の負の影響にも配慮した政策運営が必要と の考えを明らかにした。 さらに物価目標に対する日銀の姿勢について「今、めどとかそう いう言い方をしているが1月にははっきりとそういう方向が出る、 と聞いている。もちろん来年のことだから分からないが2%目標を いかにして日銀と政府が協調しながらやっていくかだ」と話した。 衆院解散以降、株や為替が安倍総裁の発言に反応した点は「それ はとても意味があったと思う」と述べた。他に相場変動要因もあっ たとしながらも、「総裁のそういう発言でこういうことになったと いうのは間違いない事実」との認識を示した。 〔日経QUICKニュース(NQN)〕