「想定外」という話 昔、想定内とか想定外という言葉が、いろんな様に使われた。 想定内というのは、機械工学的に作動の有効値を定める場合に使わ れるようじゃ。 原発で、使用済み核燃料のプールの話しがある。 それぞれ、地震には大丈夫とか言うが、それは設計初期値にすぎな い。だいたい、鉄骨コンクリート造りの寿命は、30ー45年じゃ ろう。それも、多数回の地震に揺さぶられてなんぞ考えてはおらん じゃろうしの。一回ぐらいの地震に対して、鉄骨は強度じゃけれど 、それでもひび割れとかから湿気が入り込むと、酸化して、膨張し 、尚ひび割れを拡大し、構造の力を弱め、重量によって崩壊させる のではないかな。 今も、福島第一原発の4号機の核燃料プールの危険性が一番問題視 されておる。これは、他の原発でも同じことが言えるじゃろう。 つまり、安全神話から、プールの崩壊はおきないとされているが、 (これは構造体としてのことで、ひび割れが起きないことを意味し ない)もし、ひび割れがおおき、水漏れが起き、崩壊したらという ことは、「想定外」とされている。 というより、そうなったら、処置するだけの手だても技術も無いと いうのが実情じゃろう。 4号機などの核燃料プールの壁はいつ崩壊してもおかしくないし、 そして、「悪魔のシナリオ」=<誰も現場に近づけなくなり、次々 と原発を冷やせなくなり、東北・関東が高濃度の放射能に汚染され 、3000万以上の避難民が生まれ、それを西日本では吸収するこ とができず、経済も財政も崩壊し、輸出もできず、だからエネルギ ーや、食料も輸入できなくなる。=日本という国家体制が崩壊する >というシナリオは、明日起こってもおかしくない。なにせ、マグ ニチュウド9のあとの最大余震はたいてい1年後くらいに、マグニ チュード8近い地震が起こっておるからじゃ。 まあ、しかし、当局者はそんなことは分かっておるだろうし、我々 庶民ができることは、限られておる。 覚悟=<死>をおりこみながら、それでも「日常」を淡々とこなす ことじゃろう。じたばたしても逃げられるわけでもない。 何かあったら、すぐに日本から逃げよという本もでたらしいが、そ れができる人間など限られておる。せいぜい500万人ぐらいしか 逃げられないじゃろうし、その逃げた先で、結局100万人くらい 以外は、悲惨な目にあうだけじゃろう。 まあ、そうならないためには、徹底的に原子炉や廃棄物プールなど への対応が求められる。 これは、結局、原発を経済問題という範疇で扱うことを越えておる。 細かいところで足を引っ張りあうより、この根本として、「日本と いう国が存続できるか」ということで、すべての勢力、人が協力で きるかが、正念場なのだ。 虚風老