エネルギーというのは生命の問題であり、ものの「観」方というの は、情報=脳的な問題といえるじゃろう。そして、エネルギーが足 りるとか足りないとかは物理的制約のもとにあるが、どれだけ使う あるいはどのように分配して使うというのは社会=人間の情報的構 築物の問題ではあるんじゃないかの。 ここ、数ヶ月に渡って、原子力発電(「物理的・社会的」に関する 、大量の本・雑誌が出版されてきた、ワシも、これらと、過去に出 版された本や図書館で手に入れら得る限りの、推進派・反対派、、 、経済がらみ、安全保障がらみの本を渉猟してみた。(電力業界や 、電力そのものについて書かれているモノを含む) エネルギー行政や、世界のエネルギー争奪戦という、「世界の闘争 の運動」要因というのには、むかしから注目していが、文明史的な 意味は、生物は、食物をいう、エネルギーを争い、文明化したあと は、身体の外部化としての道具(それが、蒸気―内燃機関―電気と いう文明)の拡張によって、増大しているという単純な図式に還元 される。 つまり、生物の根本的な争いは、エネルギー(食もふくむ)を巡る 争いである。 物質的に豊かであることとエネルギーの消費の増大は一致しておる。 (それが人間の労働力ということを含めて)人間が贅沢と感じられ るのはエネルギー故に一人当たりのエネルギー消費量の多いアメリ カは豊かである。(内部で、そのムチャクチャな格差はあるにしても) もうひとつは情報的(脳内的な)満足である。それは「観」=歴史 観とか死生観とか、価値観とかいうあの観じゃな。 主に、この情報的な価値と位置づけは、コミュニケーションから得 られるが(上位や下位、またその階梯の秩序づけ)、その快感は、 先の<競争>っとあいまって、<優位性>の確保からも得られる。 優位性は絶対的な価値というより、相対的価値である。「となりの 芝生は良く見える」という言葉があるが、自分が優位に立っている ということが(逆に劣位であるという不快)人の情動を突き動かす。 現実の<優位性の保持>は様々な形がある。主導権争いなどもそう だ。 そこでは、優位性の確保はそのままその分野での死生につながって いる場合もある。 近頃出た原子力発電と社会の「力関係」をみるのに、出色の本がある 「別冊宝島」が出した、日本を脅かす<原発の深い闇>=東電・政 治家・官僚・学者・マスコミ――――という雑誌である。 原発問題が、日本の<中枢の闇>に結びついていることを、そして それがどれだけ社会を歪めていることかを、実名をあげて、出して いる。 よくここまで書けたものだと思ってしまう。原発問題・これからの 電力会社と社会・国家のありかたを考えようとする人間は絶対に読 んでおくべきじゃろう。 「観」というのは、それぞれに(歴史や環境から)醸成され、また それぞれの人が選び取るものである。とワシは思う。もし選び取ら なければ、だれかのプロパガンダにのせられてしまったり(それが 感情的に快感や、短期的に自分の懐を満たすという理由でなっとく させるのかもしれないが) じつは、「うまくやる」人々、権威がそう言っているいるからとか 、いうのに対して無防備であれば、(それらには自分の利益を押し 隠している人だったり、権威だと思っていたものが実は利権まみれ だったり、ありえない前提を自身が信じているということだったり する)長期の生命・社会を崩壊に導くことはある。 すくなくとも、自身で、選ばなくてはならない。 それはこの国においては、切羽つまっている。 「何を自身の価値の根底におく」のか、それは哲学の問題でもある。 つまり、その行為は自身を見詰める作業なのじゃろう。 虚風老 ============================== 二つ話そう。 テレビの番組(日テレ系)で、新エネルギー系のトピックで面白い 話しをしておった。 それは、メッキ工業を生業とする、オヤジが水素?酸素電解で得られ る「ガス」についての話しじゃ。 もちろん、中学の実験で、あの試験管から出たガスにポンと火をつ けて、これが水素ガスですというのは知っていると思う。 水素=酸素を発生させるには、単なる<水>に電極(これが重要な のだが)を差し込んで。電気=エネルギーを加えると分解するとい う実験である。 実は、水素の取り扱いで、一番問題になっているのは、その「保管 」と「運搬」の過程で、水素原子があまりにも小さく(元素中の基 本原子なのであたりまえなのじゃが)容器を潜り抜けたり、金属脆 化するというのがネックにある。 しかし、このoutaniガスだかoutomoガスだか忘れたが、そう 名づけられた(水素―酸素・水の混合)ガスは、電気分解によって 発生するガス(水素―酸素)を、ミクロン単位か、ナノレベルで発 生させ、それらの間に水分子があることによって、、純粋な水素と は違う振る舞いをするという。 (化学ではよくある話しだ=クラスターをつくることによって金属 を通り抜けしにくくするらしい)科学者は純粋の形でモデルを作ろ うとするが、不純(工業的にはちょっと不純物の加減で大きく性質 がかわる。今流行りのLEDだって、そうやって発見されたのだ) これは、今も、どこぞの大学の研究者と連携して、実証しているら しいが、LPGと半々に混ぜるとその効率を増すらしい。ガストーチや 、天然ガスで動く車では問題なく動いているらしいという話しじゃ った。当然ガス発電のタービンも(この半々に混合したガスで)動く。 (できるなら、大量の資金=実証研究費をつぎ込んで、このガスの 温度の安定性とかをすみやかに調べて実用化して欲しい) なぜ、これをわしが注目するかといえば、もちろん、<電気は溜め られない>という、神話を打ち砕くためじゃ。 電気は、揚水発電にしろ、蓄電池にしろ、形をかえればエネルギー としては成り立つ。 それが、問題なのは、生成したエネルギーを何かに変換すれば、 どのような変換をしても、エネルギー効率が下がるということがあ るからじゃ。(実際一番効率が悪いのは電気を熱に変える場合じゃ が、ばかなことに大々的にオール電化何ぞをやっておる) しかし、電気はカタチを変えれば当然エネルギーのカタチを保つ。 そして、それが再度利用し易いエネルギーの形にかわればよい。 そして、このガスはLPGと併用したとしても、エネルギーロスが 少ないとされておる。 (実証研究で調べて欲しいのは、本当のロスの具合が少ないのか( テレビでは、LPGの燃焼効率すらあげるとされている)、安定したガ スタービンに利用できるのかである) もし、これが利用できるのであれば、自然エネルギーの「不安定さ 」を解消する切り札になりえる。 つまり、直流で起こした電気をいったんガス化することができ、再 度電気系統に投入できるとなれば、(ガスを作る時に電気を起こす 時は増減にどんな幅があってもかまわない。 今日はよく溜まったな。。とノンビリできるし今日は製造が少ない なというのも、ボンベのバッファに収まるじゃろう。)必要に応じ て起電できるガスタービンで発電の安定化をはかれる。しかも、つ くるのは、すごい過疎化の進んだ山の奥であったっていいわけじゃ。 水しかいらず、送電線につながっておればええからの。 もうひとつはこれが、可搬であるということじゃ。 水素化の問題は<貯蔵と運搬>にあるそれ故に、吸蔵合金やそうい った新規の技術開発や、希少資源の問題があった。 しかし、金属を脆化や通り抜けしないのであれば普通の圧力ボンベ ですむ。 おそらく、この水素=酸素ガスのナノレベルの発生の生成にはメッ キ技術から生じたのであるから。今後も新しい電極の組み合わせが 考えられるであろう。 それは、実験の量を増やすしかない(大資本とか、国とかがとくい そうじゃ) 電気?余れば水素ガス化?足りなければ電気化、という工程は不安定 な自然エネルギーを取り扱いやすくする切り札だと考える。 こぞって、実証して欲しいし、資本投下してほしいとおもう。 虚風老 BS オーランなんとかという藻などによる、油の生成システムにも、わ しゃとても期待しておるがの。 (^^)