元東北大学学長、LED発明者である西沢潤一先生が、水力発電と直流 送電の話をした。要約すると次の通り。 1.環境問題での貢献が重要だ。二酸化炭素の増加を止めるため石 油や石炭はできるだけ使わないようにしなければならない。有望な のは再生可能エネルギーである水力だ。新しい技術の活用により、 水力発電だけで電力需要をまかなうことが現実的になってきた。 2.私が開発に携わった半導体を使えば、電力の直流から交流への 変換がほとんど損失ゼロで可能だ。長距離送電ができないとして水 力発電は見送られてきたが、今後は活用できるようになる。 3.地球規模で直流発電による電力ネットワークを作ればエネルギ ー事情は一変する。日本が世界とともに繁栄するためにも独自の科 学技術は重要だ。 超距離直流送電網の実用化を急げ。現在の交流送電では、急速に減 衰するので、広域災害の場合、他地区からの電力融通ができない。 直流網の構築で、日本全体で電力を融通できるので原子力発電所も いらなくなる。 石井さんが提唱するERP(エネルギー効率)からも中小水力発電 は、15.3と原子力と同程度のERPである。次に地熱6.8で 太陽光0.98より良い。太陽熱発電は砂漠で行うと、洋上風力と 同程度の4.0程度には行くようである。というようにERPの考 え方で、上位の順に開発順番を考えることなるが、そのベースには 超高圧直流送電で、送電ロスを大幅に削減することである。 そうすれば、海底直流送電線で豪州からでもロスがないので、豪州 の砂漠で発電して、日本に持ってくればよい。