日本の「失われた10年」後の政策に極似してきた。 Fより 欧米の現状は、失業率10%のままであり、景気回復と政府要人た ちは強調しているが、GMの中国での自動車販売倍増のように外需 (中国、インド、ブラジルなど新興国需要)に頼り、その利益が企 業収益を押し上げている。このため、米主要企業は2009年10〜12月 期に07年4〜6月期以来、10四半期ぶりの最終増益に転じ、アナリ スト予想の集計では、米主要500社の10〜12月期の売上高は前年同期 比7%増、最終利益は同203%増となる。 しかしGMの車は中国での現地生産であるから米国の雇用を生まな い。 米雇用は、12月8.5万人減で失業率は横ばいの10%であった。雇用情 勢の回復力は鈍く、米景気は依然として厳しい状況になる。この構 造は、日本が景気回復実感のない景気回復と言っていた2003年 からリーマンショック前の状態に良く似ている。外需でかつ海外生 産になっていると、国内雇用は増えない。日本の場合はキー部品・ キー製品を日本で生産していたから、まだ日本の雇用は増加した。 この増加した雇用を派遣社員で充当したことで、需要急減でも企業 は倒産せずに生き延びている。しかし、米国は海外生産が多く、国 内での生産は国内向けになり、日本以上に国内雇用が増えないこと になる。フォードのように米国内では4万人対象に早期退職募集す る企業もある。 雇用が増加しないことで、米クレジットカードの償却率が前月から 0.52ポイント上昇して10.56%になり、所得が伸びないことで米地方 財政の悪化が深刻化している。50州中48州が歳入不足に悩み、歳出 カットや増税に着手する自治体が続出している。景気のテコ入れに 傾く米連邦政府と足並みがそろわず、財政出動の効果を弱めている。 地方の緊縮財政は米経済の低成長を長引かせる一因になりそうだ。 また、2009年の米国の個人破産と事業破産の申請件数は合計143万件 と前年比で32%増えたが、AP通信は、現時点でも破産申請の増加 ペースが鈍る兆候はまだ見られないと指摘した。というように米国 国内景気は厳しい状態である。 このように破綻が多いことから全般的に金融機関が融資を手控える 「貸し渋り」が深刻化している。各国・地域の中央銀行による大幅 な金融緩和策にもかかわらず、銀行の貸出残高は前年比でマイナス となっている。このため、金融機関に現金が滞留している。この資 金が新興国に流れてバブルになっている。このため、FRBは金融 緩和で市場に供給した資金を吸収する新たな仕組みを発表した。金 融機関から利息付きの預金の形で一定期間、資金を集める仕組みで ある。 米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は米住宅ローン金利( 期間30年、固定型)の平均値が年5.05%となり、約2カ月ぶりに5 %台に上昇したと発表した。これは資金が株や海外に流出して、財 政赤字で大量に発行している米国債に向かわないので、米国債の長 期金利が上がっている現状を反映している。 このように金利上昇から60日以上延滞しているローンおよび破産 した借り手に対するローンを「深刻な延滞」と定義されいるが、そ の深刻な延滞状態にある米プライムローン(信用度の高い借りて向 け住宅ローン)が前期比20%近く増加し、前年同期比では2倍超 にも増加して、深刻な延滞状態にあるプライムローンの比率は3.6% となった。サブプライム問題からプライム問題になり、プライムロ ーンはMBS化されているので、ファニーメイとフレディーマック が担保しているので、2公社の経営問題になる。 しかし、政府は住宅ローン担保証券(MBS)の買い取りは年内で 終了することがすでに決まっている。このため、米連邦住宅抵当公 社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディーマック )がプライムローンの深刻な延滞で債務超過に陥らないように、資 本注入のための公的資金枠をそれぞれ2000億ドル(18兆3000億円) 設定し、直近でファニーメイに600億ドル、フレディーマックに510 億ドル拠出した。まだまだ住宅問題も終わっていない。 しかし、景気回復との政府要人や外需で潤う大手企業幹部が主張す るので近未来的に期待している。先行きを示す12月の米消費者信頼 感指数は52.9(1985年=100)と、前月(50.6)から2.3ポイント上 昇した。ただ、足元の景況感を示す指数は前月の21.2から18.8に低 下した。 先行きでは、米国の非上場企業経営者の57%が、今後1年から1年 半で人件費を増やす計画であることが明らかになったが、現時点で はない。 コンファレンス・ボードは「ビジネスや労働市場について楽観的な 見通しが期待指数を押し上げているものの、消費者・経営者は短期 的には慎重な見方を変えていない」と分析している。 というように、回復感なき景気回復の状態に米国はあるが、この状 態から抜け出るのは大変である。それより新興国の需要がバブル崩 壊で急減したら、リーマンショク時の日本のように解雇が多発して、 大混乱になる可能性もある。 さあ、どうなりますか?? 日本も人ごとではないので、国内需要と国内生産量を増やす努力を して雇用量の増大を図ることである。 ============================== 11月のユーロ圏失業率、10%に悪化 通貨統合後で初の2ケタ 【ベルリン=赤川省吾】欧州連合(EU)統計局は8日、ユーロ 圏16カ国の11月の失業率(季節調整値)が10%になったと発表した。 10月から0.1ポイント悪化し、99年の通貨統合後、初めて2ケタに乗 せた。スペインやアイルランドなどの雇用情勢が悪化しており、失 業者の増加で個人消費が冷え込む懸念があることが、なお欧州景気 の最大のリスクとなっている。 失業率は輸出の減少に歯止めがかかったドイツは横ばい、オース トリアでは改善した。一方、フランスやイタリアなどではゆるやか に失業率が上昇しており、欧州各国にとって雇用維持は重要な政策 課題となっている。 ============================== 米雇用、12月8.5万人減 失業率横ばい10%、通年は最悪416万人減 米労働省が8日発表した2009年12月の雇用統計によると、非農業 部門の雇用者数は前月に比べ8万5000人の減少となり、前月の改定 値から再び悪化した。09年通年の減少幅は416万4000人と過去最悪と なった。失業率(軍人を除く)は10.0%で前月と同じ水準。雇用情 勢の回復力は鈍く、米景気は依然として厳しい状況にある。 昨年12月の雇用者数の減少幅は市場予測を上回った。失業率は予 測の平均と同じ水準。失業者数は1526万7000人で、前月に比べて 7万3000人減少しており、新たな失業者の発生は減っているもよう だ。 ============================== 米クレジットカードの償却率、3カ月ぶりに悪化 11月 【ニューヨーク=財満大介】米格付け会社ムーディーズ・インベ スターズ・サービスは11月の米クレジットカードの償却率が10.56% となり、前月から0.52ポイント上昇したと発表した。上昇は3カ月 ぶり。同社は「償却率は2010年半ばにピークを迎え、12〜13%に達 する」とみている。 償却率は、貸出残高のうち回収不能として損失になる金額を年率 で示したもの。8月に過去最高の11.49%まで上昇した後は2カ月連 続で低下していた。 30日超延滞している債権が全体に占める比率は6.2%と4カ月連続 で上昇した。30日以上、60日未満の延滞債権の割合は低下し、新た な不良債権の発生は減りつつあるもようだが、同社は「単月の数字 だけでは傾向を判断できない」と慎重な見方を示している。 (20:12) ============================== 地方財政悪化、米景気足かせ 50州中48州、歳入不足 【ニューヨーク=財満大介】米国で地方財政の悪化が景気の重荷 となってきた。税収減を背景に9割を超す州が歳入不足に悩み、歳 出カットや増税に着手する自治体が続出。景気のテコ入れに傾く連 邦政府と足並みがそろわず、財政出動の効果を弱めている。地方の 緊縮財政は米経済の低成長を長引かせる一因になりそうだ。 米シンクタンクの予算・政策優先度研究所によると、全米50州の うち48州で、2010財政年度(09年7月〜10年6月)の歳入が歳出を 下回る見込みとなった。所得税や売上税などの税収が落ち込んだた めだ。今後3年にわたり大幅な歳入不足が続く見通しという。(07:00) ============================== 米国の破産申請件数、09年は前年比32%増 米通信社調べ 【ニューヨーク=蔭山道子】2009年の米国の個人破産と事業破産 の申請件数は合計143万件と前年比で32%増えたことが分かった。 AP通信が4日、独自の集計結果として報じた。地域別にみると、 増加率が最も高かったのはアリゾナ州で77%。次いでワイオミング 州の60%、ネバダ州の59%、カリフォルニア州の58%の順だった。 AP通信は、破産申請の増加ペースが鈍る兆候はまだ見られないと 指摘した。(07:23) ============================== 米企業、10四半期ぶり増益 10〜12月、最終益3倍に 【ニューヨーク=山下茂行】米主要企業は2009年10〜12月期に07 年4〜6月期以来、10四半期ぶりの最終増益に転じる見通しだ。金 融市場が安定してきたことを受け、金融業の損益が大幅改善する。 米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和などを支えに米景気が 底打ちに転じていることも追い風で、最終利益は前年同期の3倍と 異例の伸びになる見込みだ。 米主要企業の最終利益は住宅バブルの崩壊が鮮明になった07年 7〜9月期から、統計開始以来で最長となる9四半期連続の減益が 続いていた。米調査会社トムソン・ロイターによる昨年12月31日時 点のアナリスト予想の集計では、米主要500社の10〜12月期の売上高 は前年同期比7%増、最終利益は同203%増。 (07:00) ============================== 12月の米消費者信頼感指数、前月比2.3ポイント上昇 【ニューヨーク=米州総局】米調査会社コンファレンス・ボード が29日発表した12月の米消費者信頼感指数は52.9(1985年=100)と 、前月(50.6)から2.3ポイント上昇した。市場予想(52.5程度)を やや上回った。先行きの景況感を示す期待指数も前月の70.3から75.6 に上がった。 ただ、足元の景況感を示す指数は前月の21.2から18.8に低下した。 コンファレンス・ボードは「ビジネスや労働市場について楽観的な 見通しが期待指数を押し上げているものの、消費者は短期的には慎 重な見方を変えていない」と分析している。(07:00) ============================== 米非上場企業の57%「人件費増やす」 大手会計事務所が調査 【ニューヨーク=小高航】米国の非上場企業経営者の57%が、今 後1年から1年半で人件費を増やす計画であることが明らかになっ た。米大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(Pw C)が非上場企業の最高経営責任者(CEO)ら計260人を対象に調 査した。景気回復期待を背景に、米中堅企業は雇用再開を検討し始 めているようだ。 調査対象は年間売上高が平均1億9400万ドル(約180億円)の企業 。57%が人件費を今後増やすと回答。「現状維持」は35%、「減ら す」は5%にとどまった。金融危機に伴い、人員削減などを実施し た企業は6割近くに達した。 PwC幹部は「多くの非上場企業が雇用の拡大や報酬の増額に動 き出した。経営者は明らかに(景気の)潮目の変化を感じている」 と述べた。 (01:26) ============================== 欧米で貸し渋り深刻に 不動産価格下落で金融機関が慎重 米欧で金融機関が融資を手控える「貸し渋り」が深刻化している 。不動産価格の下落に歯止めがかからず融資の焦げ付き懸念が強ま り、金融機関が貸し出しに慎重になっているためだ。各国・地域の 中央銀行による大幅な金融緩和策にもかかわらず、銀行の貸出残高 は前年比でマイナスとなっている。民間企業や家計部門で資金の目 詰まりが深刻化すれば、底入れ局面にある世界経済の回復が遅れか ねない。 米連邦準備理事会(FRB)によると、11月の商業銀行の融資残 高は前年比6.2%減の約6兆7900億ドル(約617兆円)と、4カ月連 続のマイナスとなった。オバマ米大統領は12月、金融機関トップに 貸し出しの増加を求めるなど対策に乗り出している。 (17:11) ============================== FRBが「預金」創設へ 市場から資金吸収 【NQNニューヨーク=川勝充郎】米連邦準備理事会(FRB)は 28日、金融緩和で市場に供給した資金を吸収する新たな仕組みを発 表した。金融機関から利息付きの預金の形で一定期間、資金を集め る仕組み。危機対応の金融政策を平常時に戻す「出口戦略」の一環 とみられるが、FRBは「短期的な金融政策決定とは関係がない」 としている。 FRBはこの仕組みに関し、一般から30日間意見を聴取する。(11:35) ============================== 米財務省、住宅公社への資本注入の上限撤廃 【ワシントン=御調昌邦】米財務省は24日、政府管理下で経営再 建中の政府系住宅金融大手2社について今後の支援方針を発表した。 公的資金による資本注入枠の上限を3年間撤廃し、必要に応じて水 準を引き上げるのが柱。一方、金融市場が安定してきたことから、 両社が保証する住宅ローン担保証券(MBS)の買い取りは年内で 終了する。 対象の2社は米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅 貸付抵当公社(フレディマック)。両社はローンの焦げ付きで経営 が悪化。各国の投資家が両社の債券を大量に保有しており、経営危 機が世界に波及する懸念が高まったことから、米政府が支援に乗り 出した経緯がある。 財務省は両社が債務超過に陥らないように、資本注入のための公 的資金枠をそれぞれ2000億ドル(18兆3000億円)設定。直近でファ ニーメイに600億ドル、フレディーマックに510億ドル拠出している が、経営に万全を期すため、今後3年間は累積損失などに備えて、 公的資金枠の引き上げを可能にする。(14:03) ============================== 米住宅ローン金利、5%台に上昇 約2カ月ぶり 【ニューヨーク=米州総局】米連邦住宅貸付抵当公社(フレディ マック)は24日、同日まで1週間の米住宅ローン金利(期間30年、 固定型)の平均値が年5.05%となり、約2カ月ぶりに5%台に上昇 したと発表した。3週連続で前週の水準を上回っており、過去最低 水準(年4.71%)をつけた12月初旬から米長期金利に連動して上昇 が加速している。 ローン金利の上昇は住宅販売の下押し要因となるが、同公社では 「11月の中古住宅販売が高い伸びを示したほか、販売在庫の水準も 低下してきた」(チーフエコノミストのノサフト氏)と指摘。「住 宅市況は改善している」とみている。(12:01) ============================== 米11月の新築住宅販売は11.3%減 一進一退続く 【ワシントン=御調昌邦】米商務省が23日発表した11月の新築一 戸建て住宅販売件数は季節調整済みの年率換算で35万5000戸となり 、前月の改定値に比べて11.3%減少した。前月比マイナスは2カ月 ぶり。市場予測の平均(約43万8000戸)を大きく下回り、今年4月 以来の低水準に落ち込んだ。住宅市場は最悪期を脱したものの、一 進一退の状況が続いていることを示した。 ============================== フォード、4万人対象に早期退職募集 米国事業のコスト削減 【ニューヨーク=小高航】米フォード・モーターは21日、約4万 人の米工場従業員を対象に早期退職者の募集を始めることを明らか にした。削減数の目標などは示していない。全米自動車労組(UA W)が先月、フォードが求めた労務費の削減案を否決したのを受け た措置。同社は7月に続き、今年2度目となる早期退職者の募集で 米国事業のコストを削減する。 ============================== 米通貨監督庁(OCC)と貯蓄機関監督庁(OTS)、”深刻な延 滞状態” 前期比20%近く増加 【ロイター】 [ワシントン 21日 ロイター] 米通貨監督庁(OCC)と 貯蓄機関監督庁(OTS)が21日発表した第3・四半期の米モー ゲージリポートによると、深刻な延滞状態にある米プライムローン (信用度の高い借りて向け住宅ローン)が前期比20%近く増加し た。 前年同期比では2倍超に増加。深刻な延滞状態にあるプライムロ ーンの比率は3.6%となった。 リポートは60日以上延滞しているローンおよび破産した借り手 に対するローンを「深刻な延滞」と定義している。 銀行と貯蓄金融機関が第3・四半期に行ったローン条件変更など の差し押さえ対策は240万件となった。 リポートは米国内モーゲージの約3分の2をカバーしている。