TQCの弊害 鷹揚の会という読書会のMLで、雁さんの議論の中に、私Fも会社 時代に真剣に取り組んだTQC活動に対して、違う見方があること を知って、そういえば、その当時は読書量が減ったことを思い出し た。 F ============================== TQCの弊害 From:小川 日本評論社の新聞記事での米谷さん、佐藤さん、岩崎さんの雁についての対談記事に 大変興味を惹きました。 対談の中で佐藤さんが「TQCの品質管理運動が戦後の日本の労働者から詩や歌を奪 い取ってしまったという警句を雁がしていた」との話が紹介されており鋭い慧眼に驚 きました。 70年代初頭から企業に従事した私も含め企業の管理職あるいは、経営コンサルタン トが疑いもせずもっとも推進すべきテーマとして努力を傾注してきたのが、このTQ C活動でした。トヨタの看板方式や「ムリ、ムダ、ムラをなくす三ム運動」などおか げで企業は利益を生み、日本経済の成長をもたらしたのかもしれませんが、個人は、 創意工夫など自分や家族のことを考える時間もとられてしまい、多くの日本人が心を なくす結果をもたらしました。 TQC活動によって労働者の創意工夫を企業が奪い取ってしまっている面は、忘れら れてしまい礼賛されているが、日本人の心を経済第一主義、格差社会を喜ぶ心にして しまった一因につながったとの警句の指摘には大変感銘しました。(日本の経済繁栄 をアジアの途上国に学んでもらおうとしてしている日本政府や企業の現在の海外支援 活動のベースがこのTQC活動です。) 小川