クライスラーが破産法適用することになったが、NY株価だけを見 ると、米国経済は回復期待の数値になっている。 Fより クライスラーの破綻が確定した。しかし、破たん処理後、イタリア のフィアットと提携して、フィアットの小型車を生産することにな るようだ。もう1つ残るのはジープですかね。そして、1兆円の支援 を米政府は行うという。 しかし、このクライスラー破産法適用でもNY株価は上昇した。米 国経済の回復期待から8000ドル台を上昇している。 しかし、米財務省が実施した健全性審査でシティーが合格せずに、 1兆円の資本増強が必要と出ている。シティ以外にも大手銀バンク・ オブ・アメリカが米政府に資本不足を指摘されたとみられる。 このように銀行の不良資産があるのにも関わらず、両行ともに1-3月 期は大幅黒字であった。もう1つ、米政府が使える資金は、後13 兆円しかない。このため、公的資本注入もある限度内でしかできな い。 クライスラー破綻で、AIGはCDSで、また大幅な損失を出すこ とが確実である。金融保険であるCDSがあるためにファンドは債 権の大幅減額に否定的であったのだ。これは裏を返すとAIGが損 失をかぶり、米政府がまた資金を出すことになるだけである。ここ でも数兆円が出て行く。 もう1つ、米で大量解雇が急増している。米国で一度に50人以上の 人員削減に踏み切る「大量解雇」が急増している。米労働省の調べ によると、3月は2933件発生し、前月を164件上回った。1ケ月で60万 人づつ雇用がなくなっている。米国は日本のような雇用対策をして いない。雇用喪失後の失業対策はしているが、雇用維持対策はでき ていない。このため、失業率も10%に行くという。U−16とい う就業を諦めた人も含めると20%程度になるようだ。 このため、消費が低迷しているし、急には回復しない。4月の米新 車販売34%減であり、下げ止まりにはなっているが、回復するはず がない。しかし、米エコノミストたちは、日本のバブル崩壊後の経 験がないために、下げ止まり=回復と見ている。しかし、そうでは ないことを日本は経験している。 FRBは消費低迷で商業用不動産が低迷している現状を認識して、 担保として商業不動産ローンを加えるとした。FRBは市場関係者 とは違い、景気の先行きを気にしているようだ。 それをどうして、日本の株価まで上がるのか不思議であるが、東京 市場の取引の60%が海外投資家であることで、そうなっている。 その期待が崩れたときには、再度下落することが考えられるので、 気をつける必要がある。 さあ、どうなりますか?? ============================== FRB新融資、担保の対象拡充 商業不動産ローン証券も 【ワシントン=米山雄介】米連邦準備理事会(FRB)は1日、追 加金融緩和の一環として3月から開始した新融資制度(TALF)に ついて、金融機関などがFRBに差し入れる担保の対象に商業用不 動産ローン担保証券(CMBS)を加えると発表した。融資期間も これまでの最長3年から5年に延長する。テナントビルなど商業用不 動産向けのローン市場の機能を回復し、資産デフレに歯止めをかけ る。 商業用不動産向けのローン債権を小口化したCMBSは大手金融 機関が主に保有している。資産価格の上昇と連動して信用拡大の原 動力となったが、バブル崩壊に伴い、借り手の不動産運営会社の資 金繰りが悪化。債務不履行への懸念から、CMBS市場は事実上機 能不全に陥っている。 FRBは声明で「TALFの担保範囲にCMBSを追加すること で、営業上は生き残り可能な商業用不動産の破綻を防ぐ」と表明。 資金繰りや不動産の売却を支援する形で商業用不動産市場を中央銀 行として下支えする方針を示した。(12:19) ============================== 米で大量解雇が急増 1度に50人以上、3月6%増で最多続く 【ニューヨーク=藤井一明】米国で一度に50人以上の人員削減に 踏み切る「大量解雇」が急増している。米労働省の調べによると、 3月は2933件発生し、前月を164件上回った。率でみて6%増え、2カ 月連続で過去最高を更新した。解雇の広がりは雇用情勢の悪化に歯 止めがかかっていないことを裏付ける。 大量解雇の件数は証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻を受 け金融危機が深まった昨年9月に2000件を突破した後、今年1月まで は2300件前後で推移していた。2月には2769件まで一気に増加。3月 は3000件の大台に迫り、前年同月に比べると85%の大幅増となった 。(07:00) ============================== 米GDP、マイナス6.1% 1―3月実質年率、消費はプラスに 【ワシントン=大隅隆】米商務省が29日発表した1―3月期の実質 国内総生産(GDP)速報値は、前期の2008年10―12月と比べ年率 換算(季節調整済み)で6.1%減少した。市場予測の平均(4.7%減 )を下回り、3四半期連続のマイナス成長。ただ2期連続で縮小して いた個人消費がプラスに転じ、全体の縮小幅は前期(6.3%)より小 さくなった 3四半期連続のマイナス成長はオイルショック後の1974年7月―75 年3月以来34年ぶり。07年12月に始まった今回の景気後退は戦後最長 (16カ月)に並んだ。 GDPの約7割を占める個人消費は2.2%増。前期のマイナス4.3% からプラスに転じた。金融危機で昨年10―12月期の消費に急ブレー キがかかった反動が出て、GDPを1.5ポイント押し上げた。自動車 などの耐久消費財、日用品、サービスがいずれも減少が止まった。 (01:51) ============================== 米シティ「資本調達1兆円必要」 米紙報道、健全性審査受け 【ニューヨーク=松浦肇】米金融当局が米大手金融機関に実施し た健全性審査(ストレステスト)を受け、大手銀シティグループが 100億ドル(約1兆円)規模の資本調達を迫られる可能性が出てきた 。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が1日報じた。 1―3月期決算でシティは6四半期ぶりに黒字に転換したが、時価会計 の適用緩和や負債評価益などの特殊要因もあり、資産内容の悪化が 懸念されていた。 ストレステストは2年先までの景気見通しシナリオに応じ、保有資 産の損失発生の可能性を審査する。同紙によると、シティは楽観シ ナリオでも自己資本額が米政府の求める必要額を5000万ドルしか上 回らないもよう。悲観シナリオの場合は資本不足となる可能性が高 いという。今後、公的資金の追加注入を含めた何らかの資本拡充策 が必要になる可能性がある。 ストレステストでは、シティ以外にも大手銀バンク・オブ・アメ リカが米政府に資本不足を指摘されたとみられる。ただシティとバ ンカメはストレステストの結果に反論しているもようだ。 (10:41) ============================== クライスラー、法的整理で再建へ オバマ米大統領が会見で発表 【デトロイト=小高航】米自動車3位のクライスラーが連邦破産法 11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、法的整理を活用 した経営再建を目指す。オバマ大統領が30日、記者会見して明らか にした。イタリア・フィアットとの提携にも合意。最長60日での破 産法手続きの終了を目指す。世界の自動車産業を主導してきたビッ グスリーの一角であるクライスラーの破産法申請は、米ゼネラル・ モーターズ(GM)の再建計画にも影響を与えそうだ。 オバマ大統領は30日ワシントンで記者会見し、「破産法申請はク ライスラーが復活するための道だ」と述べ、破産法手続きを活用し た再建を支持。「破産法活用は迅速かつ効率的。主要な利害関係者 だけでなく米政府も全面支援する」と強調した。 クライスラーがフィアットとの提携に合意したことも明らかにし 、「クライスラーに生き残りだけでなく、成長のチャンスを与える 」と強調。提携で「3万人の雇用を維持できる」と述べた。クライス ラーはニューヨーク市の破産裁判所で破産法を申請、30―60日の短 期間の決着をめざす見通しだ。 (01:17) ============================== クライスラー、米加政府が1兆円支援 破産法申請 【デトロイト=小高航、フランクフルト=下田英一郎】米クライ スラーは30日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適 用を申請したと発表した。米国、カナダ両政府が計105億ドル(約1 兆円)を拠出、再建を全面的に支援する。クライスラーはイタリア のフィアットとの資本・業務提携でも正式に合意、当初2割の出資を 受け入れる。破産法の手続きに沿い資産を新会社に移管、経営陣も 刷新し早期の再建を目指す。 同日、米ニューヨーク市の破産裁判所に破産法適用を申請した。 資産規模は約500億ドル(約4兆9000億円)で、米製造業の破産法申 請では過去最大規模。負債総額は昨年12月末時点で552億3300万ドル (約5兆4000億円)。 米メディアによると1日にも審理に入り、30―60日の短期間で破産 法手続きの完了を目指す。クライスラーは30日、4日から破産法手続 きが完了するまでの間、北米の大半の工場を休止すると発表した。 (12:06) ============================== 4月の米新車販売34%減、18カ月連続前年割れ クライスラーは半減 【ニューヨーク=武類雅典】1日まとまった4月の米新車販売台数 は前年同月比34.4%減の81万9540台だった。前年実績割れは18カ月 連続。4月30日に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適 用を申請した米クライスラーはほぼ半減。季節調整後の販売動向を 示す年率換算の販売台数は932万台と3月に比べ減少した。急ピッチ だった減少率はやや縮小しているものの、米自動車販売は底ばい状 態が続いている。 一方、米国勢で唯一、政府支援を要請していない米フォード・モ ーターは14カ月ぶりにトヨタ自動車を抜いて2位に浮上。米国勢の経 営危機をきっかけに勢力図が動きつつある。 (11:48)