月曜日有料版1章途中までをお送りします。 2024年は、11月の米国大統領選挙予想と結果に振り回される ことになる。果たして、「ほぼトラ」をひっくりかせるのか?ウク ライナ戦争やパレスチナ戦争もトランプ氏が当選すると悲劇的にな るので、先手を打つ必要になる。この予想と対策を検討する。 津田より 1.トランプ氏の飛躍 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− トランプ前大統領の指名獲得が有力視され、2020年と同じ顔触れの 対決が現実味を帯びる。トランプ氏は、一部世論調査でバイデン氏 に先行。保護主義や強権化を進める「トランプ劇場第2幕」の可能 性も排除できなくなっている。 トランプ氏は20年大統領選の敗北を覆そうとし、21年1月の連邦議会 襲撃を招いた事件など、四つの刑事訴訟に直面。23年末には、議会 襲撃という「国家への反乱」に関与したとして、コロラド州最高裁 やメーン州当局に出馬資格を剥奪された。それでも自身が「バイデ ン民主党による魔女狩り」の被害者だと訴え、逆風を支持に変えて きた。 支持率は61.2%で他候補を圧倒。続くデサンティス・フロリダ州知事 は11.7%、ニッキー・ヘイリー元国連大使は11.0%にすぎず、「非ト ランプ勢力」結集の動きもない。同サイトは、不測の事態が起きな い限り「9割以上」の確率でトランプ氏が指名を獲得すると予想する。 ということで、このまま推移すると、「もしトラ」ではなく「ほぼ トラ」になる。 トランプ氏は「史上最大の移民送還作戦」や「全輸入品に原則10%関 税」といった排他的で保護主義的な政策を公約。ロシアのプーチン 大統領や中国の習近平国家主席を称賛。ウクライナ支援を即刻停止 して、停戦に持ち込むという。そして、忠誠を誓わない連邦職員の 大量解雇も計画し、専制への憧れを隠さない。米国が親ロ政権にな り、中国が台湾武力統一でも、米軍は動かない可能性がある。 この状況で、下院共和党幹部全員がトランプ氏を大統領候補として 支持し、不法移民問題をバイデンに対する攻撃材料とみているため 、下院共和党は民主党とこの問題で妥協するつもりはない。移民政 策とバーターのウクライナ支援の予算も成立しない。トランプ氏が 、すでに国際政治に深刻な影響を与えている状況である。 そして、2期目のトランプ氏は、閣僚を上院で承認してもらうことも 想定ぜず、すべて「代行」でもいいと考えている。 トランプ氏は支持率で他の共和候補に大きくリードしているが、ヘ イリー元国連大使が、候補指名争いの序盤州であるニューハンプシ ャーで、トランプ氏との差を縮めた。トランプ氏が予備選の有権者 の44%に支持されているのに対し、ヘイリー氏は29%に支持を伸ばし た。 ヘイリー氏は、ウクライナ支援は必要であると述べているし、ロシ アや中国に対してトランプ氏とは違い、敵対国であると明言してい る。ニッキー・ヘイリー氏は「露の勝利は中国の勝利」だという。 「我々は中国が何を企んでいるか知っている。米国を競争相手では なく、敵とみなしている。私は国連で毎日それを見た。我々は、強 者の立場から中国に対処する大統領が必要なのだ。」とヘイリー氏 は言う。 ヘイリー氏が大統領になれば、自由民主陣営として米国を維持する ので、世界秩序に大きな影響を与えない。 以後は、有料版を見てください。 0.米国と世界の状況 2.日本の状況 3.ウクライナ戦争推移 4.パレスチナ戦争 5.中国・東アジアの状況