読書録
シリアル番号
1386
書名
海のシルクロード―中国染付を求めて
著者
三杉隆敏
出版社
新潮社
ジャンル
歴史
発行日
1984/5/20発行
1987/12/25第2刷
購入日
2020/9/6
評価
優
加畑さんの蔵書
NHKの海のシルクロードとは関係ない本。ここでは中国製染付について蘊蓄を傾けている本である。
中国製染付とは白磁の上にコバルトを含む顔料で青色単色で絵柄で書き上げ1,300℃以上で焼き上げた磁器製品についての文化が世界中で称賛された蘊蓄を傾けている。
そもそも元代に西方から伝えられたコバルト顔料を用いて青色の模様を描くようになった陶磁器。次の明代に景徳鎮で盛んになり、中国の代表的輸出品となった。
陶器を焼き上げる800℃では色が不安定になって使い物にならなかったわけである。
つぎに磁器を焼いてから青色いがいに発色する釉をつかって多色の絵柄を800℃で追加する技法が発達した。
中国の力があるじきはコバルト原料が容易に入手でき、磁器の品質があがるという意味で「陶を見ること政を見るごとし」といわれている。
著者はコバルト原料はトルコ産と思い込んでいたが、トルコにはコバルト原料はなくアフリカ産が人々の流通ルートにのって中国にたどり着いたとしかわからなかった。
著者が見学した景徳鎮見物はNHKと同じで現在の現代の景徳鎮は巨大な産業に生まれ変わっているが、木材を燃料とし、陶土が近くにあり、製品が船に積める港がそろっていることが必須であることが理解できる。
トップ ページヘ