読書録
シリアル番号
1119
書名
海の祭礼
著者
吉村昭
出版社
文芸春秋
ジャンル
歴史
発行日
2004/12/10第1刷
2012/4/15第5刷
購入日
2012/11/12
評価
優
文春文庫
大学の同門、倉見から面白いから読めともらったものの3冊目
幕府側の通詞としてペリー、タウンゼントハリスやオールコックとの通訳を務めた森山栄之助とかれに英語を教えたインディアンと英国人との混血児ラナウド・マクドナルドの訴ぜぞれの一生を描いた叙事詩
イギリス領コロンビア フォートジョージ(後に米国領になる)にはじまり、エリー湖北岸のセントトーマスでマクドナルドは教育をうけたが当時の混血時に未 来は約束されていない。船員となって
ミシシッピー河
、ニューオーリンズ、ニューヨークと点々として船乗りの噂話を聞いているうちに日本はいずれ開国するだ ろう、それなら真っ先に日本に渡ってチャンスをつかもうとおもうようになった。ハワイに渡ってそこで捕鯨船にのりこむ。捕鯨をしながら日本海を北上し、宗 谷海峡ちかくで船長から小舟を譲り受け、単身天売島に向かうが上陸できず、焼尻島に向かう。結局、
利尻島
の野塚に上陸する。
無論捕えられて
長崎
に送られ次のオランダ船で追放となる間、長崎生まれのオランダ語通詞森山栄之助に見出されて英語の先生になる。ここで森山のオランダ訛 りの英語は米国人にも理解できるようになるのである。とにかく幕末の有名人は全て登場するが、全てが統一された流れの中に配置され、大河のごとく至福の時が流 れ、頭の整理に限りなく貢献した。
下田
と
函館
が開港となる交渉過程も詳細に描かれている。
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