大村入国管理センターについての質問

中島 真一郎 コムスタカー外国人と共に生きる会

 2004年9月と2005年10月に引き続き3回目となる移住労働者と共に生きるネットワーク九州と大村入国管理センターとの意見交換会が11月14日午後1時にひらかれました。大村入国管理センターには2005年と2006年1月から9月末までの状況について、以下のような質問項目を事前に提出していました。以下、その回答です。

 (1)収容施設の状況
@ 現時点(2006年9月末)での収容定員、収容人数、国籍別被収容者数(うち女性、)、世代別(10代、20代, 30代 40代、50台以上) 九州外の入国管理センターなどから移送されてきた被収容者の割合を教えてください。
回答 収容定員 800人、収容人数 2006年9月末現在119人(うち女性 78人)、国籍別被収容者数(うち女性、) 九州外の西日本入国管理センター、東日本入国管理センターなどから移送されてきた被収容者の比率は、90%を占める。
国籍別では、中国 54人(44人)、ミャンマー20名(1名)、フイリピン17人(17人)、ベトナム10人(4人) その他18人(12人) 
世代別 10代 9人(7人) 20代 36人(23人) 30代 46人(27人) 
40代 23人(17人) 50代 以上5人(4人)
A 2005年の平均収容期間、最長収容期間について教えてください。
回答   平均収容期間  26日  最長収容期間 8ヶ月 
B 現時点(2006年9月末)で6ヶ月以上の長期被収容者の人数について教えてください。
回答   5名  
C 2005年と2006年1-9月の収容施設内での、被収容者の自殺未遂(自傷行為)の件数は、何件ですか。
回答  2005年 2件 2006年1−9月 3件 (同一人の複数件数を含む)
 D 2005年と2006年1-9月期間中に、仮放免が認められた人数
回答   2005年は5人、 2006年1−9月は9人
E  国費送還者は2005年及び2006年1−9月の期間中何人いましたか。
回答  2005年  11名  2005年1−9月 8人)
どのような場合に国費送還が認められますか。
回答  国費送還の具体的な基準はなく、総合的に評価して判断していますが、自助努力しても調達の見込めない場合に、予算の範囲で国費送還しています。
G  被収容者からの苦情申し立ては、2005年及び2006年1−9月の期間中何件ありましたか。その苦情の内容の主なものはなんですか。
回答 被収容者処遇規則第41条の2に基づく不服申し立て制度への申立は、2005年 該当なし、 2006年1月―9月 該当者なし

 (2)職員体制について
@  2006年度大村入国管理センター職員の総定員、また、2006年度は前年度に比べてどの分野にどのぐらい増員がなされましたか。また、女性の被収容者が多いと思いますが、女性職員は総定員のうちどのぐらいいますか、昨年度に比べて何人増員されていますか。
回答  総定員67名 (前年度より2名減少) 職員構成などについては回答できない
A  職員で、対応できる外国語は、何ヶ国語ありますか、また、通訳者を依頼する場合
  対応できる言語は何ヶ国語ありますか。
回答 職員には、語学委託研修を実施(2005年 英語 2名、 中国語3名 、2006年 英語1名、フイリピン語1名)、通訳者は、中国男女各1名は常勤、ミャンマー語は月2回、他の言語については、登録していただいている通訳協力者にそのつど依頼し、でんわではなしてもらったり、センターまで来所してもらっている。
B 2005年及び2006年1−9月入管職員の一人当たりの月平均残業時間はどれぐい
になっていますか。
回答  2005年及び2006年1−9月 月平均  10時間程度  
C 2006年度の大村入国管理センターでの医療スタッフ(医師、看護士、薬剤師、その他)の内訳を以下の昨年の回答と比べ人数・訪問日に変化しているところがあれば、教えてください。
回答 昨年と同様である。 医師(内科医1名 月曜日 と木曜日の週2日) 歯科医師 1名(火曜日と金曜日の週2日) 薬剤師1名 (月、火、木、金曜日 の週4日)
看護士 2名(常勤)  放射線技師 1名(金曜日 週1日)
D 長期の被収容者の中で、精神を病んでいる被収容者のケアについて、メンタルケアの専門家によるカウンセリングは、昨年の回答と比べて変化していますか。
回答 昨年と同様である。 月2回(午後)メンタルケアの専門家 臨床心理療法士1名によるカウンセリングを実施している
E 2005年に、被収容者から外部の医療機関での受診・検査希望は、何件ありましたか、又そのうち実際に外部の医療機関に受診・検診が認められたのは何件ありましたか。
回答 2005年 53件が外部の医療機関で受診している。

 (3)被収容者の処遇について
1 2005年の被収容者一人当たり1日の経費はいくらかかりますか。
回答 被収容者一人当たり1日の経費は多岐に渡り算出が困難ですが、2005年度の被収容者の直接経費(食糧、クリーニング代など)については約5280万円、収容者一人当たり1日 約1200円です。
2、2005年 一部屋の定員、及び一部屋の平均収容人数は何人程度ですか、また一人部屋の新設はなされましたか。
回答  一部屋の定員は10人、一部屋の平均収容人数は6−8人
3、運動時間、入浴、衣類の洗濯についての昨年の回答と比べて、現在は何か変化がありますか、変化しているものをご回答下さい。
回答 昨年と同様である。運動時間(土曜日、日曜日、休日を除く毎日 1回45分 毎日 年末年始、連休中はなし、1日のいつ行うかは、その日の職員の都合で変更される)
 入浴  (土曜日、日曜日を除く毎日1回 午後2時から4時までの時間帯、年末年始、連休中も
可能,  夏季は,土・日も含む毎日)、衣類の洗濯 (午前9時から午後5時までの開錠されている
時間帯であれば、設置されている自動洗濯機で、毎日可能)
4、被収容者の食事について、昨年の回答と比べて変化したところがありますか、変化しているものをご回答下さい。
回答 昨年と変化なし。 大村入国管理センター内に厨房があり、その厨房を使って外部の業者に委託し、栄養士による栄養バランスを考慮し、食習慣、嗜好、宗教上の戒律、禁忌に配慮し、1日2200キロカロリーから3000キロカロリー以内で食事は供給している。
5、面会者は、2005年に延べ人数で何人ぐらい被収容者と面会していますか。
回答  2005年  延べ人数で391人

 (4) 昨年に要望した事項の実施状況をお尋ねします
1、 窓ガラスでの仕切りのない家族面会室の設置についてはどうなりましたか
回答 保安上の理由で、設置をしていません。
2、 被収容者との面会時間を現在の平日午後4時までを、午後5時までに延長してほしい。また、平日に休みが取れない面会者のために月1−2回でも土曜日か日曜日に面会が出来るようにと要望しましたが、面会時間の延長や休日での面会はどうなっていますか
回答 昨年まで同様です。平日の面会は、午後4時までに受付がなされれば、午後5時までや場合によりそれをすぎても面会をみとめる配慮はしている。土曜日や日曜日の面会は原則として行っていないが、例外的に認められる場合は、訴訟進行中の緊急の打ち合わせなどの場合に弁護士に認める場合もある。
3、「運動(屋外の運動場に出られる)時間をもう少し長くしてください」と要望しましたが、時間延長はなされましたか。
回答 昨年と同様である。 
職員が減員されてきており、保安上の理由から延長はできない。

【参考】
大村入国管理センターの沿革
(出典:2006年11月/業務概況書/
大村入国管理センター)

1950年10月1日
出入国管理庁(外務省の外局)の付属機関である針尾入国者収容所として発足

1950年12月26日
大村入国者収容所に改称

1952年8月1日
法務省の付属機関となる

1984年7月1日
法務省の施設等機関となる

2003年12月24日
入国者収容所大村入国管理センターに改称