- ザースフェーからハニックアルプまでゴンドラを使い500mほど標高をかせいでから登り始めた。最初は花の多い道だった。後半はボルトとワイヤの道で穂高の稜線のようだった。新しくてきれいなミシャベル小屋に着くと「オー、カタリーナ」と小屋番に歓迎された。(電話予約時のカタヒラが覚えにくかった様子だった。)手続きで翌日の行き先を聞かれ、「ベットの番号は1番と2番だ」と言われた。他の人より早めの到着だったようだ。小屋の支払いは山から下りてきたときで良いとのことだった。この日の宿泊は約50人だった。
- 翌朝は3:45に起床。この時間に朝食を採っていたのは2パーティだけだった。あまり良い天気予報ではなかったので早立ちする人は少ない様子だった。懐中電灯をつけて出発。氷河の所まで来たときには明るくなっていた。ロープとアイゼンを着けて出発。出だしで少し上に行き過ぎてしまい、後続のパーティを見て修正した。
- 氷河を横断し終わると、少し急な斜面の登りだった。少し凍結しているところがあった。斜面を登り切って稜線に出たところがウィンドヨッホ。ここは風が強いらしいが、この日は無風だった。ここからの稜線は直線的に山頂へ延びていて、登っていく先行のパーティが見えた。先行の3パーティに続いて出発。(うち1パーティは途中で引き返して来た。)
- 快調に雪の稜線を登っていくと岩場に着いた。右側を巻くには少し急なため、前のパーティにならって岩を乗り越えて進むことにした。距離は約30mで確保しなから進んだ。比較的容易な岩場でアイゼンは履いたまま通過した。再び雪の稜線を登ると山頂直下の岩場に着いた。先行パーティのアイゼン、ピッケルが置いてあったので見習ってデポした。岩場の間には踏み後もあって容易に登ることができた。先着のドイツ人3人パーティが親切に譲ってくれ、入れ違いに山頂に立つことができた。狭いので十字架にシュリンゲを付けて確保して休んだ。隣りには巨大なドムがそびえていたが、すぐに雲の中に見えなくなってしまった。
- 帰り、岩場は慎重に確保しながら進み、雪の稜線は軽快に下った。小屋に寄りコーヒーを飲んで精算。小屋番に「今日はもう山には誰もいない」と言われた。結局、この日にナーデルホルンに登ったのは3パーティだけだった。一休みの後、小屋番と握手してから出発した。
- 土曜日のせいか小屋からの下りでは次々と人とすれ違った。ゴンドラは終了時間を過ぎていたため直接ザースフェーまで歩いた。ザースフェーに着いたのは教会がちょうど7時の鐘を鳴らしているときだった。