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第二次世界大戦中の南洋の島を舞台とし、海軍の広報部のお偉方(フレッド・クラーク)が軍の人気と名声を上げようとして様々な騒動を巻き起こすという、1950年代60年代にしばしば見られた軍隊コメディが展開されます。それに、グレン・フォード+ジア・スカラ、アン・フランシス+アール・ホリマンのラブ・ロマンスがミックスされていますが、やはりこの作品の見所はグレン・フォードを始めとしたフレッド・クラーク、エバ・ガボール、キーナン・ウイン、ラス・タンブリン、ミッキー・ショーネシーらのコメディパフォーマンスでしょう。実はこの映画の邦題「Z旗あげて」のZ旗とは、戦艦のマストに掲げられたエバ・ガボールの黒い下着のことであり、それだけでも、この作品の内容が推察できるのではないかと思われます。口の悪いミッキー・ショーネシーが、放送禁止用語を発するたびに、ブーブーとブザーの音が鳴り、音声版の伏字であるかのごとく、その放送禁止用語を聞こえないようにしているのはコメディの内だと思われますが、「Fucking」と言っていることは明白であり、現在の映画で「Fucking」及びその類義語が一度も発せられない作品などまず考えられないことを考えると、時代の違いが実感されます。