今更ながら「冬のソナタ」なのだが。。。。以前にちょっと書いておきたいなーと思ったことがあったので、

「冬のソナタ」の再々放送がこの4月から始まった。今晩はその第2話だが、今日も見てしまうだろう。昨年の夏に知って、途中から見だした。その後、特殊ルートで全話入手して初めからみると嵌りましたね。。。そんな訳で、全話コンピューターに保存されている。自分のPCで見たし、また12月にあった集中再放送も見ていながら、また見ても面白い。

以前にも書いたが、私が韓国映画・ドラマを精力的に見るようになったのは、「猟奇的な彼女」とこの「冬のソナタ」がきっかけである。主演のぺ・ヨンジュン韓国公式ページはこっち)とチェ・ジウが最近来日して、特にぺの来日では異常なまでの熱狂ぶりであったが、でも確かにぺはかっこいい。。。最近の日本の俳優にはない「品がある」と評した人がいたが、私も同感である。世の多くの女性陣が虜になってしまうのも無理からぬ風貌と雰囲気に満ちていると思った。

「冬のソナタ」のことをいろいろ書いてもいまさらと思うのだが、自分の記録として多少書いておきたいことがある。ついでにその後の韓国ドラマについても触れよう。

【とにかく、どこが良かったのか??】

カミさんとも「冬のソナタ」のみならず韓国ドラマをみながら、どうしてこんなに面白いんだろうね?と話している。ほかの韓国ドラマにも共通している点は多いかもしれないけど。。。思いつくまま書いてみよう。

@ 主演の二人がとにかく素敵: このさわやかさは何だ。。。ぺもいいし、チェ・ジウもいい!知性・品を感じる。

A 演技がうまい: 表情、目線の変化、間の取り方など、心のうごきを見事に表現している。ほんの一例だが、授業をサボった後の放送室での二人のやり取り、初キッスのシーンなど二人の表情や目の動きなど素晴らしい!

B 出演各々の個性が多様かつ明確で、ストーリー全体で一貫している。(日本のドラマは途中で性格が変わることが少なくない)

C 前半のストーリー展開が見事(後半はややもたついている)。謎と予感をちりばめて一気にひきつける。

D 音楽が良い。また使い方も良い(特にNHK版の。オリジナル版より良いと思う)。私にとっては、特に11話と14話でのオ・ヒョンランさんの歌が最高!。オリジナル版でも14話はオ・ヒョンランさんだが、別の曲です。

E 恋愛ものは付いたり離れたりが常だが、それぞれにそれなりの理由・シチュエーションがあり、また重複がない。

F 恋を妨害する人たち(カン・ミヒ、チェリン、サンヒョク、サンヒョクママ)の考え・行動は、一見理解しがたい感じもするが、よくよく考察するとそれなりにまあ納得できると言って良い)

G 記憶に残る場面・せりふが多い。臭いせりふが、全然臭くない。
私がもっとも好きなシーンは、第6話:現場監督の解雇をめぐってユジンがミニョンに訴えるシーンです。ここが、このドラマ全体のキーポイントだと思います。

H 映像がすっごくきれい: 日本のドラマ・映画に、決定的に欠けているひとつである。黒澤の映像はきれいだけど。。。

I 結果、ドラマ全体が美しい(第5話をのぞくが)

【補足】特に重要で気になる大きな矛盾点は、「最終話で何故ミニョンを追ってアメリカに行かなかったのか?」だが、これはNHK版がストーリーを変えてしまったためで、オリジナル版(もともとの脚本)では十分に説得力がある(ネタバレはここへ)。そして、それだからこそ最後の場面での意味合いが強くなるのに。。。(なんでわざわざ変に変えちゃったんだろう?アホか!という感じ)

【いまだに分からない点】カン・ミヒが韓国に戻ってきて空港で電話をかけた相手は誰か?これは謎です。。

【思ったこと】『五代君になれなかったサンヒョク』

サンヒョクの行動を見ながら特に思ったことだ。何のことだか分からないって?。五代君とは、高橋留美子さんの名作コミック「めぞん一刻」の主人公の五代君である。惣一郎さんに先立たれた未亡人で、アパート一刻館の「管理人さん」こと「響子さん」を、かっこいい三鷹さんと争うのだが、最後はハッピーエンドで五代君と響子さんが結ばれるというものだ。

五代君との結婚を決めながらも、惣一郎さんとの思いを断ち切れない響子さんをみて、五代君は一人で惣一郎さんのお墓に行きます。そこで、『遺品返したところで響子さん… 絶対にあなたのことを忘れないと思う。あなたはもう響子さんの心の一部なんだ…。初めて会った日から響子さんの中に、あなたがいて…。そんな響子さんをおれは好きになった。だから… あなたもひっくるめて、響子さんをもらいます。』と報告する。偶然、五代君のこの言葉をもの陰で聞いてしまった響子さんは、五代君との幸せを感じ、また心の整理がつくのでした。

亡くなったチュンサンを忘れられないユジンを、広い心で丸ごと受け入れることができないサンヒョクを、『五代君になれない…』と思いつつ見ていたのでした。

尚、「めぞん一刻」は漫画史に刻まれる名作だと思います。是非一読あれ。。インターネットで検索すると「めぞん一刻」関連の、それもかなり掘り下げたページがいろいろあることからも分かると思います。

NHKの朝ドラの「ちゅらさん」で、恵理ちゃんが東京に出てきて住むアパート「一風館」が、めぞん一刻の「一刻館」に似ている感じがあるのだが、作者は意識していたのでは無いだろうか。

【その他の韓国ドラマ、関連して】 さて、昨年秋に「冬のソナタ」が終わって、次に始まったのが、「美しき日々」であった。主演は映画「JST」のイ・ビョンホンと冬のソナタのチェ・ジウである。このドラマもかなり面白かった。最後の盛り上がりにはやや欠けた感は否めないが、実に面白いドラマであった。同じ時間帯では「白い巨塔」があったが、私の評価では、およそ比較にならないほどレベルの違いがある。「白い巨塔」は高視聴率を取り、TVドラマの金字塔を立てたなどの評価もあったが、そのドラマづくりは陳腐そのものであったと思う。白い巨塔の悪口を書くのが本稿の主旨ではないのだが、多少触れておこう。

「白い巨塔」は何といっても原作が良いので、よほど下手に作らないかぎり、ストーリーを追うだけで面白いのである。今回の白い巨塔では、個々人の個性を極端に誇張して、漫画チック(というと漫画に失礼かも)というか、大流行のバラエティー番組のバカ話風に仕上げたドラマであった。それが故に高視聴率を得たという構図だろう。私が物足りないと思った点は以下のとおりである。

@ 財前五郎に知性が感じられないし、また性格付けが単純すぎる。: あれでは、単なるナルシストである。野望を成し遂げるためには手段は選ばないが、内面のある種のやさしさと憩いを求める人間性が描かれていない。

A 財前と里見の友情というかある種の信頼関係が描かれていない。: 最後に財前が里見を訪れて、君しかいないと頼むのだが、突然どうしちゃったの??という感じである。考え方が違いながらも、認めあう心の内が全く描かれていない。

B 花森ケイ子との関係の描き方が不十分。単なる愛人かと思えば、そうでもないらしいぐらいの感じにしか見えない。財前の内面を理解するケイ子になっていない。

C 里見先生を誠実な医師であり、またそのように描いているが、そもそも役者にその雰囲気が出ていない。まあミスキャストですね。ほかにもミスキャストはあるけど。。

D 東佐枝子がどうして里見先生を慕うのかが見えない。なんで里見なの??という感じ。関口弁護士を慕うようになるのならわかるのだが。

E とんでもない設定が多すぎる。財前又一、鵜飼教授が単なる悪いやつで、あまりにも漫画チック(こう書くと漫画に失礼かも)。面白いけどあまりにも現実味が無さすぎる(この手のドラマはそれなりの現実味が欲しい)。また、くれない会の様子など語るも汚らわしい!!!カルテの改竄シーンなども、バカバカしくて見てられない。

F 佐々木庸平の息子の態度・性格が急変する。極端な性格変化になんだこりゃ?? という違和感が発生する。

G 及第点をあげられるのは、1)原作が良い、2)上川隆也(関口弁護士)の好演、3)コメディとしては面白かった(何とか見ていられた)。うーん、、あとなんかあるかな〜。。。

というような具合で、脚本の問題なのか演出の問題なのかわからないが、ストーリーを追っかけるのが精一杯のドラマ作りになってしまい、登場人物の内面の描き方が全て不十分である。しかし、このあたりが日本のTVドラマの現実なのだろう。

ついでに書けば、いまやっている大河ドラマの「新撰組」、これに至ってはもう学芸会のレベルで見るに耐えない(もう見てないけど。。)。前回の「武蔵」もひどかったが、今回のもひどいね。。。

唯一救われたのは、最近ではNHK金曜ドラマ「蝉しぐれ」が良かったね!。これは秀作でしょう。藤沢周平の原作はもう最高(絶対読むべし!)だが、主演の内野聖陽が良かったね。ドラマ全体に張り詰めた緊張感があって、「まだ、いいドラマ作れるじゃん!」と思いました。

さて、本来の韓国ドラマにもどるが、日本で放送するということは当然選ばれたドラマだろうから、それなりのレベルは確保されているはずだが、それにしてもみな面白い。昨年秋から見ていたのは、「美しき日々」と「ホテリアー」である。友人らに面白いから是非見て、と勧めると「どんな内容?」と返ってくるのだが、簡単に説明できない。

「美しき日々」は一言で言えば恋愛ドラマだが、登場人物の設定が複雑でサスペンス的な含みもあって簡単に説明が出来ない。いったいどのような展開になるのかが読めないし、どう決着させるのだろうかと考えざるをえない。主演のイ・ビョンホンもチェ・ジウも上手い。多くの脇役陣もそれぞれ個性豊かで実に面白い。結末はもう少し手早くまとめたいところだが、その位は良しと出来る。

「ホテリアー」も恋愛ものには違いないが、ホテルの乗っ取りにくるシン・ドンヒョク(ペ・ヨンジュンで相変わらずかっこよい)と彼に愛されるソ・ジニョン支配人(この女性の雰囲気が良い。ちょっとドジだし。)、ソのかつての恋人の総支配人(地味だが結構かっこよい)、総支配人を愛する乗っ取りを企てている男の娘(秋の童話・オールインのあのヘギョちゃん)、その娘に恋するホテルの女社長のバカ息子、そして個性豊かなホテルの従業員達が絡んで、ホテル乗っ取りの行方と愛の行方がどうなるのか目が離せないドラマである。

この4月から始まった「オールイン」は2話見たところだが、これも面白そうだ。実在のギャンブラーの話とのことだが、これも楽しみですね。。。どうしてこんなに面白そうなのだろう。

他にも、「愛の群像」はインターネットの無料視聴で第1話、2話をみたけど、これも全部見たいね。ぺが主演で、ユンソナが出ている。「真実」「秘密」、それにこの3月で韓国での放送が終わった「パリで起こったこと」などなど、見たい韓国ドラマが山のようにある。尚、「パリで起こったこと」では、オ・ヒョンランさんの「Remember」が挿入歌として使われている。私にとっては、それだけでも注目である。

要するに、「冬のソナタ」は特筆に価するが、他の韓国ドラマも十分に面白いのである。

【お勧めDVD】

愛の群像(1, 2):、 真実:  美しき日々():

蝉しぐれ: 冬のソナタ(1、2):

(2004.04.10-11記載)