[サモトラケのニケ Nike of Samothrace]
Nike on ship's prow, known as the Winged Victory of Samothrace
Greece
circa 190B.C.
White Marble(statue), Grey Marble(prow and pedestal)
H3.28m
「ニケ」とはギリシャ神話における「勝利の女神」である。この「サモトラケのニケ」は1863年エーゲ海東北のサモトラケ島から出土した大理石像で、ヘレニズム彫刻の傑作とされている。(118点の断片となった翼の部分が見つかった、とのことでバラバラだったのだろう) この像は紀元前190年頃、シリアのアンティオコス3世との海戦での勝利を記念して、ロドス島の人々が奉納したと推定されているそうだ。ちなみに、スポーツグッズメーカーのナイキはこの女神の名前に由来しているそうで、弧の形をしたあのマークはこの女神の翼を表しているとのこと。
中学校の美術の教科書にのっていたように思うが、このサモトラケのニケはかなりの強い印象が残っている。授業で、その写真の鉛筆デッサンをさせられたように思う。とにかく、写真であっても迫力あるものだったように記憶している。
パリに来て、一日半という中でさあどこへ行こうかというところで、定番だがルーブル美術館は外せない。結局、バタバタと、凱旋門・シャンゼリゼ通り・ルーブル美術館・オルセー美術館を駆け足で回ることに。。。あとはデパートやスーパーやホテルの近くのオペラ座周辺をぶらぶらと散策・買い物であった。
さて、ルーブルだが、時間のない中で見るものだけは見ておこうと考えると、私はなんと言っても「サモトラケのニケ」である。あとは、ミロのビーナス・モナリザ・19世紀の絵画というところだが、ハムラビ法典もあるのでこれも見たいと思った。モナリザは大昔に日本に来た時に見に行った。ハムラビ法典は、この頃の文明を紹介するTV番組のなかで、あの亀甲文字で「浪費癖の女を嫁に迎えると家が滅びる」などと書かれているものがあるとのことで、今も昔も同じかと思って以来、なんとなく親近感を抱いているのだ。
「サモトラケのニケ」像は、期待通りの素晴らしいものでした。今回はこれを見ただけでルーブルに来た価値があったと思いました。(ニケを見た後では、他のものは半分どうでもいい感じでした) 階段を上がった踊り場で天井も高く光と大きな空間のある絶好の場所に展示されていることもあり、その迫力に圧倒される。舟の舳先に羽を広げて右足を一歩踏み出して、風に立ち向かっている姿で、体の筋肉の緊張と風になびいている衣が見事に表現されている。(大理石とは思えない) しばし見とれて、写真もパチパチと色々な角度から取りました。
では、ニケ像をどうぞ!!
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