本日休魚 我が家のミニガーデン
 生ごみリサイクル
本日休魚

生ごみ処理機とは
2000年11月のこと.家庭での生ごみ処理に興味を持ち,生ごみ処理機を購入しました.単純に生ごみ処理機といいますが,調べてみると大きく分けてコンポスト,バイオ式,乾燥式の3種類ものものが売られています.

コンポストは以前より庭のある家庭でよく見られる緑色のふたのついたバケツをひっくり返したような形ものので,生ごみや雑草・落ち葉などを入れていくものです.屋外で比較的自然の条件で分解を行っていくもので,慣れるまでは水分管理などが難しいようです.また熟成した堆肥を取り出すまで時間がかかります(3〜6ヶ月).

バイオ式はチップと呼ばれる微生物基材を発行を促進する温度に保ち,定期的に攪拌することで生ごみを分解します.原理は緑色のコンポストと変わりませんが,電気を使って分解に最適な条件を保つことで,多量の生ごみを短時間で処理します.ただしここでできる処理物はそのままでは堆肥として使えず,2次処理(熟成)させる必要があります.

乾燥式は上記の処理機とは根本的に異なる発想の処理機です.乾燥式の処理機は投入された生ごみを高温の温風で乾燥させ重量を小さくするものです.出来上がる処理物は単なる乾燥した生ごみ(?)です.この処理物も2次処理をしないと堆肥としては使えないです.電気代はバイオ式よりも高いといわれています.

当然のごとく,それぞれに利点・欠点があります.コンポストは設置する広い庭が必要.当然アパートでは無理なので最初に候補から外れました.バイオ式は生ごみを微生物を使って分解するもので,減量率は乾燥式よりも優れています.しかし基本的に屋外設置しかできないので,これも候補から外れました.最後に検討したのが乾燥式で利点は処理時間が短いこと.欠点は電気代が高いといわれること.2次処理が必要なのはバイオ式乾燥式も変わらないので,屋内に設置できる乾燥式が最終候補となりました.

生ごみ処理機購入
さて,生ごみ処理機を購入する場合,多くの自治体で補助金が出ます.私の住んでいる調布市ではメーカ・種類を問わず,補助金が交付されます.補助金の内容は,生ごみ処理装置は購入価格の1/2.最高20,000円.コンポストは購入価格の1/2.最高5,000円.自治体によっては助成の出る機種が決まっていたり,購入先が指定されていたりする場合がありますが,調布市の場合は,機種・購入先を問わないので,大変使いやすい制度です.最終的に通販でナショナルのMS−NS34を購入.20,000円の助成を受けました.

ナショナル MS−NS34
屋内用・乾燥式の処理機です
ナショナル MS−NS34

使い方はともかく簡単.台所から出た生ごみを処理機の中のバケツのようなよう気に入れ,最後にスイッチを入れるだけ.約2時間程度で乾燥した処理物が出来上がります.処理物自身は焦げたようなにおいがするものの生臭さは無くすぐに気にならなくなりました.ところが,使い始めに予想外の匂いに悩まされました.ごみのにおいなのか...油か何かの熱せられたにおいなのか...フリーリングの床のワックスが溶けているのか・・・などなど.とりあえず対策として処理機を小さなすのこに載せ,背面から出る温風が直接床にあたらないようにしました.その効果なのか,単に初期の数回だけなのかわかりませんが,変なにおいはそのうちになくなりました.

気になる乾燥後の処理物ですが,変なにおいも無く,水分が飛んでいるのでこのままの状態で長期保存もできます.堆肥化する場合は,計画的に使うことができます.下の写真はみかんの皮などが大きいまま残っていますが,あらかじめ投入するときに小さく刻んでおくと堆肥化するときに早く分解します.

乾燥させた生ごみ
乾燥処理物

気になる電気代は?
電気代が高い・・・というわれる乾燥式の生ごみ処理機ですが,実際にどのくらい電気代がかかるのか調べてみました.電気代の測定に使ったのはエコワットという商品(どのくらいの精度があるのかは知りませんが).被測定機器のコンセントの間にさして使うことで,消費電力や待機電力を測定することができます.

電力を測定するエコワット
エコワット

では,気になる電気代の概算です.電気代は東京電力の明細から逆算した1kWhあたり22円で計算しました.基本料金や1段2段料金の区分を無視しているので正確ではありませんが,参考までに.

投入量(g) 消費電力(kWh) 電気代(\)
2000/12 5,090 9.58 210.76
2001/01 5,175 9.05 199.10

安すぎるという感じがするかもしれませんが,家の場合は2人暮らし.生ごみの量も少ないので2日に1回の運転の結果です.大体1回あたりの平均は450g程度です.投入したごみの水分の量や気温によって多少の上下はありますが,平均すると大体一ヶ月200円程度でした.

ちなみに国民生活センターでの試験結果(結果はこちら)によると,1kgの生ごみを毎日(土日を除く)処理したところ,同機種で1,223円(1kWhあたり23円で計算)ですから,大体妥当な数字だと思います.

処理物はどうする?
家の場合ははじめから堆肥化するのが目的で購入していますので,使い道に特に問題はありません.そうでなく,ただ生ごみの臭いが嫌とかいう理由で購入した人はその処理に困るかもしれません.燃えるごみに出すのもひとつの方法かもしれませんが,庭とはいわないまでも,ちょっとでも地面があれば埋めてしまえば1〜2ヶ月で土に還ります.3箇所くらい穴を掘る場所が用意できれば,十分処理可能です.

さて,肝心の堆肥作りです.堆肥作りに関しては「これ」という方法はまだ見つかっていません.一番手っ取り早いのはやはり,種や苗を植え付ける1月くらい前に土に埋めてしまうことです.一番失敗が少なく手間もかかりません.しかし土の中で熟成するまで植付けができません.そうするとやはり堆肥化の作業が必要になります.

乾燥処理物と腐葉土と米ぬか
醗酵中
乾燥処理物と腐葉土と米ぬかを混ぜる お米の袋に入れて熟成中

堆肥化にはいろいろな方法が考えられますが,今のところ一番管理が楽でうまくいったのがお米の袋に入れて寝かせる方法です.まずは腐葉土と乾燥処理物と米ぬかを5:4:1もしくは6:3:1程度の割合で混ぜてジョウロで軽く湿らせてからお米の袋に入れて封をします.お米の袋には千枚通しなどであらかじめたくさん穴をあけておきます.時々(私は週に一度)袋から出して全体をかき回してよく空気に触れるようにしてやるとむら無く熟成していきます.腐葉土を多めに入れたほうが失敗が少ないです.写真のように温度計をさしておくと温度の変化で醗酵状態がわかります.

夏場は1ヶ月,冬場は3ヶ月ていど寝かせるといわれていますが,量が少ないときはもう少し長い時間をかけるといいようです.はじめは茶褐色だった乾燥処理物が黒くなり,土の匂いがするようになると完熟です.下の写真は2ヶ月寝かせた処理物をふるいがけしたものです.もともと生ごみだったとは思えないような良い土の匂いがします.

出来上がった完熟堆肥
心地よい土の匂いがします
完熟堆肥

失敗もする
暖かくなってくると堆肥化の時間も短く,いけいけどんどん状態になるのですが,トラブルもあります.袋の口をクリップで閉じているので大丈夫だろうと安心していても虫が沸くことがあります.世間一般にうじ虫と呼ばれている大変気持ち悪い虫が数百匹も袋の中から出てきました.実はこれはアメリカミズアブというアブの幼虫で,生ごみなどの臭いに誘われてやってきて卵を産み付けます.まさかとは思ったのですが,小さな空気穴の周りに卵を見つけたので,この穴から中に入ったようです.1度目は割り箸でつまんで処分しました.2度目は穴を掘って全部埋めてしまいました.

十分な予備知識があったので,びっくりした程度ですみましたが,普通はパニックに陥るでしょう(^_^;)

アメリカミズアブの幼虫はミミズといっしょで生ごみ処理を加速すると前向きに考えれば必ずしも害虫ではないのですが,なにぶん見た目が悪いので嫌われています.ご近所のこともあるので早々に処分しました.

ということもあり,夏の間は堆肥化は断念することにしました.せっかく乾燥処理物は保存が利くので,晩秋のころまで保存しておいて冬の間に時間をかけて堆肥化させることにします.

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