違法に取得されたメールは浮気を証明する証拠になるか

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Last updated 2015.4.30mf
弁護士河原崎弘
相談
夫の過去の不倫のことが今も許せない自分がいます。
相手の女性から慰謝料を取りたいと思いますが、不貞(不倫、浮気)の証拠が問題です。しかも、過 去のことです。
それで、HPをいろいろ見ているうちに、このHPに行き当たりました。 HPでは、離婚する場合の証拠について取り上げられていますが、夫の不倫相手から慰謝 料をとる場合はどうなのでしょうか。
私は、内容からはっきり性行為があったとわかるメール(夫、相手の女性双方の 分)を印刷したものを持っています。このようなレベルなら不貞があったという証拠になるでしょうか。
また、これは偶然パソコンに夫のパスワードが残っていたため、もしやと思った私が、 そこから夫のメールボックスまで進んで、知ったものです。
盗聴して得た証拠として認められないということですが、この場合はどうでしょうか。
相談者は、法律事務所を訪れ、弁護士の意見を聴きました。

説明

【違法取得】
刑事事件では、違法に取得(収集)された証拠について、原則として証拠能力を否定されます(証拠として法廷に提出することを認めない)。その趣旨の判決は多くあります。捜査機関の違法捜査を防止するために証拠能力を否定することが、違法捜査を阻止するために有効だからです。
民事事件では証拠能力について規定する法規はありませんが、民事事件でも同様な考え方はあります。民事事件では、違法収集証拠につき、証拠能力を肯定した判例も、否定した判例もあります。他人の家に入る、暴力を使うなどの重大な違法行為の場合は、得られた証拠は却下されるでしょう。
他人のパスワードを使って他人のメールボックスにアクセスする行為は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律 3 条 1 項 に該当します。これに対する刑罰は、1 年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金です。 あなたの行為は、これに当たり、違法です。そこで、このように違法に取得されたメールについては、次のような考えがあります。 *参考 不正アクセスとはパスワードの入力を要するか
過去の判例を見ると、メール取得過程が明らかでありません。従って、裁判所の態度は明確でありません。取得過程の違法性が明らかになれば、より明確な判決が出るでしょう。

【デジタル性】
メールは、デジタル証拠ですので、容易に改変ができます。そこで、証明力に問題があります。
メールを証拠に出した場合、筆者経験では、「自分のメールである」と認める人(相手)が多いです。相手の態度は次の通りです。 【提出方法】
メールを証拠として提出する方法は次の通りです。 結局、裁判において、メールは、不貞を証明できることが多いです。相談者の場合も、メールに証拠能力があるでしょう。

【証拠確保】
メールをサーバー上で消した場合は別ですが、自分のパソコン上で消した場合は、復活できます。メールソフトの Import を使います。

判例
2003.6.25

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