「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案に対する修正案」についての趣旨説明
5月20日(木)
 
 私は、ただいま議題となっております「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法揮の一部を改正する法律案」に対し、自由民主党、公明党及び自由党を代表いたしまして修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配布されております案文のとおりでございます。
 これより、その趣旨を御説明申し上げます。
 野生鳥獣は、我が国の生態系の不可欠の一部であり、国士全体の健全な生態系を維持・回復し、もって自然と人間との共生を確保していくことは極めて重要な課題であります。しかるに、近時、一部の野生鳥獣の個体群が著しく減少し、あるいは逆に増加するなどの現象が生じ、自然と人間との共生を図る上で大きな問題を生じさせています。
 このような状態にある特定の種類の野生鳥獣について、その生態や生息する地域の具体的な状況を科学的に明らかにし、保護管理の目標を定めた上で計画的に保護管理することにより、問題を解決していこうとすることが法案の狙いでありますが、本委員会での審議の過程において、科学的・計画的な保護管理を実行していくに当たっては様々な課題があることが明らかになりました。
 このため、科学的・計画的な保護管理の内容が適宜適切に改善されつつ具体化されていくよう、附則に検討条項を設けることが修正案の趣旨であります。
 修正の要旨は、政府は、法律の施行後三年を目途にその施行状況を検討し、自然と人間との共生を確保する観点から必要に応じ適切な措置を講ずる旨の規定を加えることであります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案に対する修正案要綱
 
(新附則第二条関係)
一 附則に次の検討条項を設けるものとすること。

 政府は、この法律の施行後三年を目途として、特定鳥獣保護管理計画に定める特定鳥獣の生息状況及びその個体群の安定的な維持に関する見通し、当該鳥獣による生態系及び農林業に対する被害の状況、特定鳥獣の保護管理に伴い他の野生生物及び自然環境に生ずる影響その他の事情を総台的に勘案して、改正後の鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の施行の状況について検討を加え、国土全体の健全な生態系を維持回復し、自然と人間との共生を確保する観点から必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

二 所要の規定の整理を行うものとすること。


鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案に対する修正案

 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
 附則第四条を附則第五条とし、附則第三条を附則第四条とする。
 附則第二条の前の見出しを削り、同条中「改正後の鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律〔以下「新法」という。を「新法」に改め、同条を附則第三条とし、同条の前に見出しとして「(経過措置)」を付し、附則第一条の次に次の一条を加える。

 (検討)

第二条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、特定鳥獣保護管理計画に定める特定鳥獣の生息状況及びその個体群の安定的な維持に関する見通し、当該鳥獣による生態系及び農林業に対する被害の状況、特定鳥獣の保護管理に伴い他の野生生物及び自然環境に生ずる影響その他の事情を総合的に勘案して、改正後の鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(以下「新法」という。)の施行の状況について検討を加え、国土全体の健全な生態系を維持回復し、自然と人間との共生を確保する観点から必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。


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