移入種対策小委員会中間報告案
「移入種対策に関する措置の在り方について」への意見

     熊木啓智 武蔵工業大学

 私は以下3点、についてコメントさせていただきます。

@「移入種対策小委員会中間報告案P13制度化に当たり検討すべき事項では以下のように述べられている。国民に対して分かりやすくパンフレットなどにより普及啓発を図ることが必要である。特に、動植物の輸入・販売等を行う動物取扱業者や個人飼養者等に対して、制度の内容等について積極的に周知を図ることが重要である。また、外来種対策についての関心と理解を高めるためにも、学校教育や生涯教育等の教育現場において、知識や技術を伝えることが重要であり、教材の整備や人材の研修・育成を行うことが必要である。さらに、外来種に関わる定着状況、生態的特性等に関わる調査研究を推進するとともに、外来種利用の代替となる在来種利用の研究促進に努める」。

<意見>国民に対してわかりやすいパンフレットを作成することは、外来種の認知度を上げると考えられるため、とても評価できる。しかし、具体的にどこで、いつ、どれぐらい配布するのか明記されていないため、明記を希望する。それは、明記されないと実際に行われるか認識できないためである。

また、外来種対策についての関心と理解を高めるためにも、学校教育や生涯教育等の教育現場において、知識や技術を伝えることが重要である。移入種対策会議中間報告に、教材の整備や人材の研修・育成を行うことが必要であると書かれている。だが、具体的な対策は書かれていないので、具体的な案を記載してほしい。例えば、マスコミ、メディア、漫画などを利用し関心を高めるようにするなどが考えられる。そのように考える背景として、特に内閣府世論調査の結果で、20代における外来種や外国産のペットは問題であると認識する回答の割合が低かったと記されていたためである。

A「P14の制度化および対策の実施に当たって配慮すべき事項、制度化及び対策の実施に当たっては、現在の科学的知見、実行可能な実施体制等を勘案の上、優先度の高いものから早急に措置を講ずることが重要である。その際、外来種に係る基礎的な調査研究を充実させるとともに、調査研究に係る人材の育成・確保に努めることが必要である」。

<意見>これは、何を基準に優先度が高いと評価するのか。たとえば科学的知見と記載されているのでIUCNのワースト100や、外来種の被害額などを参考にして、具体的な評価方法を示して欲しい。それと、どのような種を指定するか、専門家だけではなく、関連する分野の人々NGOなどの意見をも採り入れるべきだと思う。それは、研究者、市民、行政、NGOによって優先度は変わるものだと思うからだ。

BP3外来種による問題点と事例ア在来種の捕食の中に「沖縄に続いて奄美大島にもマングースが導入され、同島固有のアマミノクロウサギなどを捕食していることが確認されていると書かれているが」本当にハブだけを捕食すると思い導入をしたのか。生態系では食物連鎖があり、ハブを捕食するより、国の特別天然記念物のヤンバルクイナや、固有のアマミノクロウサギを捕食するとは思わなかったのか。この先に出てくる外来種導入について、専門家たちだけが密室でリスク評価を行うことはあまりにも脅威に感じる。それと、行政機関だけでなく、学識経験者や地域住民、NGO等、様々な立場にある者が連携、協力することが必要であると書かれているが、密室でもし決められたら誰が協力したいと思うのか。少なくとも私は思わない。ニュージーランドの事例を挙げると、130人のボランティアがカカポのリカバリープロジェクトに参加している。それはニュージーランドでは、一般市民も発言権がありオ―プンであると実体験で感じた。今回のように発言の場が与えられると、国民としても協力したいと感じるため、とてもいいと思う。

 環境省も外来種問題について、国民に問い掛け、もっと普及していく取り組みが、今後、今まで以上に必要になると強く感じる。まず、国民に知ってもらう機会「シンポジウム」などを作ってほしい。しかしこれが一番難しいかもしれない。あきらめずに努力していけば、少しずつでも必ず変われると思う。If you believe it can be done, it can be done!!「できると信じれば必ずできる!!」