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19日目
金谷宿〜日坂宿
2002年4月28日(日)
晴れ
菊川の里を越えると、二つ目の峠、小夜の中山峠を越えます。長閑な台地を進む東海道の旅。そこは史跡の宝庫でもあります。緑豊かな街道には、春のさわやかな風が吹き、その風にのって新茶の香りがしてきます。金谷宿〜日坂宿は春におすすめのコースです。

菊川〜小夜の中山峠へ
東海道は、菊川を挟む形で金谷側の峠と小夜の中山側の峠を越えます。菊川を過ぎると、再び上り坂となりますが、こちらは石畳ではなく舗装道路です。茶畑の中の坂道をひたすら上ることになりますが、新茶の香りやさわやかな風は、なんとなくのんびりしていて、きもちのいいものです。茶畑を見ながら、小夜の中山を目指します。

[11時32分] 久延寺と夜泣き石
本日のハイライト、といっても過言ではないでしょう。小夜の中山に到着。そこには伝説の夜泣き石がありました。夜泣き石は、国道1号線側にもあり、どちがら本物なのかは不明ですが、信憑性としてはこちらの方がありますね。
久延寺の前には、接待茶屋跡もあり、眺めのいい小夜の中山で、多くの旅人が休息をとったのでしょう。

現在の茶屋(扇屋)と小夜の中山公園
久延寺を過ぎると茶屋が一軒ありました。子育て飴を今も売っている扇屋で、ちょっと一休み。近くには小夜の中山公園もありました。
小夜の中山は、今でこそ舗装道路になっていますが、のどかでのんびりしているところは、今も変わっていないのでしょう。史跡も多く、かなり楽しめる場所です。

佐夜鹿一里塚跡と鎧塚
小休憩をして歩き始めると、「佐夜鹿一里塚跡」がありました。
街道はやがて下り坂となります。牧ノ原台地は眺めがよく、のんびりと歩を進めると、やがて鎧塚がありました。また、ところどころに芭蕉の句碑もあり、飽きることのないこの道は、東海道中でも随一の楽しさがあります。

新緑の東海道と夜泣き石跡
  新緑に包まれた東海道は、すこしずつ峠を下ります。なだらかで両脇が緑一色の道は、交通量も少なく、歩くには最高の環境です。新緑が生み出す新鮮な酸素をたっぷり吸って、ゆっくりとのんびりと京を目指します。

しばらくすると、道の左側に「夜泣石跡」の碑が建っていました。安藤広重の絵(小夜の中山)では、道の真ん中に丸い大きな石が描かれていて、旅人が見ています。久延寺にあった夜泣き石、当時はこの辺りにあったのでしょう。

写真左下は、「夜泣石跡」の碑で、右下は、碑の建っている辺りから江戸側を撮影したものです。どうも広重の描いたアングルと比べると、位置がずれるだけでなく、坂も緩やかなような・・・。いったい、どの辺りで描いたのでしょう。

石垣と水路跡
東海道は、道幅も狭くなり、農地の間をすり抜けるように進みます。やがて、斜度が増し、左右に曲がりながら下ります。この辺りは沓掛の曲がりと呼ばれていて、難所の一つです。
坂を下りきると、前方にバイパスの高架橋が見えてきます。バイパスを横切る手前には、石垣と水路跡があり、いよいよ日坂宿へつきます。

常夜灯
バイパスと国道1号線を横切ると、大きな常夜灯がありました。日坂宿に到着です。日坂宿は、小夜の中山を控える宿場でありながら、比較的規模が小さく、本陣は1軒、旅籠は33軒ほどでした。今も静かなたたずまいを見せる宿場は、金谷宿の賑わいと比べると、ひっそりとしています。



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