タイトル 荒野の素浪人
放映年 1972〜73年・1974年
放映話数 全65話・全39話
三十郎の三倍強い男、峠九十郎を御大、三船敏郎が演じたTV時代劇。わたしは、五連発の旦那こと、連発銃を持つ、元は大名の若さまの鮎香之介に夢中だったけどね

共演:坂上二郎(すっぽんの次郎吉)、大出俊(鮎香之介)。この二人、けっこう怪しい(笑)

大人になって三船敏郎さんという俳優の魅力がやっとわかった

 時代劇専門チャンネルをご視聴になれない方には恐縮だが、九月の特集は世界の三船主演の「荒野の素浪人」である(ただし、第一シリーズのみ。それでも65話もある)
 父親と一緒に見ていた記憶があるこの時代劇、三船敏郎さんの男臭さぷんぷんである。なにせ、強い。胴太貫(どうたぬき・分厚く幅広で骨を斬っても刃こぼれしないという実戦用の刀)から繰り出される「八方達磨返し」という技で、ばっさばっさと斬っていく。迫力の大立ち回り。さすが、ルーカスがオビ・ワンにと望んだ男である(なんのこっちゃ)
 が、子供心に三船さんよりも相方の二人の印象がどうも強い。すぐに死んだふりをする、女好きのすっぽんの次郎吉演じる坂上二郎さん。着物にマフラー?のナイスな出立ち、ちょいといい男で、五連発の銃を使いこなす、元別所藩の嫡男の鮎香之介演じる大出俊さん(この人が一番好きだったなあ)
 なんだか妙な組み合わせのこの三人が、ふらりと現われては弱きを助けて、そしてまた去っていく。シェーンか、はたまたクリント・イーストウッドか…父親がマカロニウエスタン好きだったせいか、子供の頃から映画もテレビもよく観ていた(なにせ、好きな俳優はイーストウッドという渋い小学生だった)ゆえに、この時代劇は取っつきやすく、好きっだったんだろう。荒野で、マフラーを靡かせ、拳銃をぶっ放す侍なんぞ、そんじょそこらにいなかったのだから…(普通はいない)
 ちなみにイラストは第一シリーズのもの。第二シリーズでは総髪になっている。第二シリーズのナレーションは大好きな岸田森さん(第一は寺田濃さん)ゲストの豪華な第二シリーズもぜひ放映して欲しい(2002.8.18)