
大和撫子を期待するフランス人男と、自立した大人の女性の恋愛を期待する日本人女性。フランス人の持つ典型的な日本のイメージと、日本人女性の持つ典型的なフランスへのイメージを紹介し、両者のすれ違いからくる日仏カップルの問題点を述べている。だからどうすべきなのか、という点に付いては、「女性の地位向上うんぬん」という今すぐにはどうにもならない結論を述べてた上、返す刀で「日本人男性は大人の女性と対等に付き合えない」から「男が変るべきだ」と結んでいるので、作者が今まで体験した不満を言いっ放しにしているだけという感じを受けます。結局のところ、日仏カップルを切り口に左系フェミニスト論を展開したかっただけなのでしょーか?
ま、私は男性なのでよーわかりませんが、「大人の女性は八方ふさがりで、大変だ、フランスへ行ってもそれは変らないんだ」と言われている気がしました。そーなのかもしれません。
あと、このタイトルでこの本を熱心に読む読者はどういうタイプが多いと思われるでしょうか? 私が思うに、「フランス男性と結ばれたい日本女性」とか「フランス人と付き合っている日本人女性」ではないですかね? なのに、「日本の男性が悪い」と言っててもダメでしょう。そもそも、眼中にありませんよ。それとも、フランス男性には文句をいえないから日本男性に文句言ってる訳ですかね?
ただ、フランス人の持つ日本人の典型イメージに付いては、性別に関係なく当っているので、同感できる点も多々あり、値段分の情報はあります。
この人は日仏学館の先生だという事ですが、各所で、同僚や生徒の発言を引用し、あまつさえ、あとがきで「授業中の発言はプライベートとはみなせない」と言い放っているのはちょっといただけないと思います。そんな事を言い放つ人の授業は怖いので苦手です。