
朝ご飯は麦のオニギリにコンソメ系のスープをかけたものです。エンガディン地方の料理。めちゃうま。
この地方ではパンにチーズを塗った上に甘いジャムをかけるのだそうです。ロマンシュ語圏スイスとイタリア語圏スイスでの風習らしい。
さて、おまちかねハイキングです。
呼吸を一定に、ゆっくり登っていきます。野生のブルベリーなど食べながら たのしく登ります。目的地はTuoiというところにある山荘です。Tuoi(とーい)ですか? とーくないです。とか言いながら進みます。

これは牛よけの電気册。触ったら感電して死んでまうで!(うそ)
まだハイキングですが、だんだん険しくなって呼吸が苦しくなってきました。

なぜか激しくデジャヴを感じる草原で食事します。ハイジの黒パンにチーズとソーセージ。ハイジのメニューです。
しかもあたりに人影は無し。半径10キロ以内は無人なんじゃないかって気がする程です。
ハイキングだったのはここまでで、「落ちたら死んでまうで」という状況になってきました。
二週間前の洪水でスイスの山は水が多くなっているそうです。
なんとか渡れるところはないものかと、川沿いを登ります。
で、結局。靴を脱いで渡る羽目に。
これ、雪融け水ですから、水温はかな〜り低いんですが・・・。
流されたら死んでしまうで!!!!!
岩場やらガレ場やらをもりもり登ります。もうバテバテです。スイス人は平気かもしれませんが、
je suis japonaisですから、そんなん無理。っていってんのに、前に進まなければ死ぬかも?。 という状況です。休ませてください。でも、休みすぎると体温が下がって寒くなってしまうのでそのまえに歩き始めなきゃ危ないってんで、進みます。
帰ろうにも、もう

こんなに来てしまいました。
もうだめだ・・・
岩場をすいすい登るスイス人と岩にへばりつくのがやっとの私。

ぜーぜー 登山 しないって、いったよね?
「oui,でも山小屋に泊まりたいかきいたら oui っていったね」
う、そ、そうだった。
滑ったら、死んでまうで!
岩場を越えましたが、これを下るなんてできません。「死ぬかも」じゃなくて「前に進む」か「死ぬ」かという状態です。
急傾斜の斜面をもりもり登ります。体を斜めにしすぎると滑り落ちそうになります。
「転げ落ちたら死んでまうで!」
また岩場です。つーか、足元の岩がぐらぐらするんですが、選択を間違えると転げ落ちそうです。「岩の間に挟まったりしたら、もう死んでまうで」
結局・・・・。死にませんでした。あー助かった。
標高2735m Furcletta峠に到着しました。やったぜ、おれはまだ生きているぜ
やりとげたぜ! 「もしかして、これって、かなりキツイ登山だったのでは?
c'etait dure pour vous?」 「
oui」って、おい! どないなってんねん、死んでしまうとこやったぞ。
しかも、「もしかしたら、ここに来た最初の日本人かもしれないね」。いや、そんな訳ないと思いますが。
と、いう訳で、生命の危機を克服し、強まってしまったわたくしでした。 でもって、この山は今から私のモノです。命名「Mont Shindemaude」今よりこの山は日本語ではモン=シンデマウデです。

頂上からの風景。あまりきれいに撮影できませんでした。やはり写真では実体験は再現できませんな。
頂上に登ってから数分後、あたしがひ〜ひ〜言って登った斜面を事もなげに登って来る男女。二本のポールを巧に操りもりもり登って来ます。すげ〜。スイス人(ドイツ人かも)すげ〜。
峠の反対側は楽だよ と二人はいいますが、それでもキツイです。が、頑張って日のあるうちにおりないと 死んでまいます。しかも、雨雲が接近しています。ヤバすぎ。「急がないと死んでまうで!」

確かに下りは斜面はそれほど大変じゃないのですが、行けども行けども山小屋は見えず、やや不安になります。日が暮れてしまったらもうダメっぽいです。
薄暗くなりかけたころ、やっと標高2500m Tuoiの山小屋に到着。しっかりした設備の山小屋で すごく快適。
最高に透明度の高いスイスの山で星を見ようと言ってたのですが、雨ふってきました。残念

夕食はラザニアとリゾットです。お肉たっぷりのラザニアはさいこーにうめーです。
スイスの人はマルチリンガルが多いので、挨拶などでその人の言語圏を見分けて、より通じやすい言語で話す様です。とりあえず、私はフランス語しかわからないので、フランス語で通しましたが、問題なかったですし、友人がびしばし翻訳してくれたので大丈夫でした。
いやあ、大変だったけど、最高だあねぇ〜